人は絵画や写真の美しさを眺めながら、実は自分自身の心をそこに投影しているのかもしれません。誰もが心の中に持っている、寂しさのようなもの。そんな風景を見事にとらえた写真たちを紹介したいと思います。
寂しくて、なつかしい。一人ぼっちの家たち
鏡のように美しい湖面に、ぽつんと建つ古城。この静謐さに、見ているこちらの心も水面のように静まります。
こちらは、花畑に佇む廃屋。何故でしょう、全く知らない場所なのに、ひどく懐かしい気分になってきます。
そしてこちらは、世界が海に沈んだ後に一軒だけ取り残された家のように見えませんか? 筆者はこれを見て、自分だけが取り残されたような寂しさと、やっと一人になれたという安堵感がミックスされた複雑な気持ちを覚えました。
この一連の切ない写真たちは、いったいどんな人が撮影したものなのでしょう。
人気インスタグラマーの本職は先生
この孤独な家たちの画像を撮影しているのは、アメリカのオハイオ州在住のエリック・ワードさん(Eric Ward)という男性。愛する妻の良き夫であり、3人の子供の良き父親でもあるエリックさんの本職は、なんと学校の先生なのだとか。
プロのカメラマンではないことも驚きですが、撮影に使っている機材も、携帯電話のカメラなのだとか。かつてはCANONなども使っていたそうですが、今では常に持ち歩いているiPhoneで撮影しているそう。つくづく、写真撮影に必要なのは機材よりもセンスなのだなと思い知らされますね。
エリックさんは、2017年11月現在、42万人以上のフォロワーがいるアルファ・インスタグラマーでもあります。学校の生徒たちもエリックさんがインスタグラムのアカウントを持っていることは知っているのですが、当初はそんな膨大なフォロワーがいるとは思っていなかったようで、エリックさんにフォロワー数を聞いて驚いていたのだそう。
確かに、担任の先生が人気インスタグラマーだなんて想像できませんよね!
まるでCGのようにも見えますが、これらはすべて(主にアメリカに)実在する風景。孤独でさびれたように見える家が、こんなに美しく感じられるなんて不思議です。
物語を隠していそうなエリックさんの写真たちは、疲れた時に眺めたい、不思議な魅力がありますね。
[instagram/Eric Ward]
[Outsanding and Mysterious Pictures of Isolated Houses]