心が疲れたときにおすすめの温泉は?美人の湯とは?温泉の泉質と温泉地ガイド

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Feb 15th, 2018

温泉にはさまざまな効能があると知られていますよね。今回は環境省が日本温泉気候物理医学界の協力の下で作成した『あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは』を基に、温泉療養の効用が認められている泉質と、その泉質を持つ代表的な温泉地、特にメンタルヘルス改善に効く温泉と美人の湯をまとめてみました。

女子の温泉選びに!【やる気UPと美人の湯】泉質と温泉地ガイド

奥飛騨

そこで今回は環境省が日本温泉気候物理医学界の協力の下で作成した『あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは』を基に、温泉療養の効用が認められている泉質と、その泉質を持つ代表的な温泉地、特にメンタルヘルス改善に効く温泉と美人の湯をまとめてみました。

 

そもそも温泉で病気が治るの?

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伊香保

湯治という言葉があります。辞書を見ると、

<温泉に浴して病気を治療すること>(『広辞苑』より引用)

とあるように、温泉に入って病気を治す行為は昔から行われてきました。しかし、上述の『あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは』を見ると、温泉で何か特定の病気が治ると期待するよりも、入浴によって病気の症状や苦痛が軽くなり、健康が回復・増進するといった意味で効用を考えた方がいいみたいですね。

しかも、効用を実感するためには2~3週間も湯治を行わなければならないと言いますから、1回の温泉入浴で、何かの症状が劇的に改善するといった話ではないそう。

それでも温泉に含まれる成分で、1回の温泉旅行であっても、何らかの前向きな働きは少なからず期待できるはず。そこで療養に役立つ療養泉として、どういったお湯がどういった効用を発揮してくれるのか、見ていきましょう。

 

「美人の湯」は炭酸水素塩泉

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登別

恐らく女性が最も気になる温泉の効果が、美肌だと思います。入ればお肌がすべすべになる、いわゆる「美人の湯」「美肌の湯」と言われる温泉は、どういった泉質になるのでしょうか。『あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは』によれば、

・炭酸水素塩泉

が挙げられており、

<皮膚の角質を軟化する作用>(『あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは』より引用)

があると認められているのだとか。繰り返し入浴をすればお肌がもちもち、すべすべになってくれるのですね。全国で炭酸水素塩泉の泉質を誇る特に有名な温泉地をピックアップすると、

・北海道 登別温泉

・岩手県 国見温泉

・秋田県 乳頭温泉郷

・群馬県 伊香保温泉

・岐阜県 奥飛騨温泉郷

・大分県 別府温泉

などが挙げられます。かつて東京にあった麻布十番温泉も、同じ炭酸水素塩泉でした。美人の湯、美肌の湯として効用があったのですね。

 

うつ症状や不眠症に効果的な温泉は?

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別府

環境省の『あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは』によれば、お湯の温度や含有成分などを基に、療養泉は10種に分類されると言います。具体的には先ほど紹介した「美人の湯」「美肌の湯」と言われる炭酸水素塩泉を含めて、以下のようになります。

1.単純温泉

2.塩化物泉(熱の湯)

3.炭酸水素塩泉(美人の湯)

4.硫黄塩泉

5.二酸化炭素泉(泡の湯)

6.含鉄泉

7.酸性泉

8.含ヨウ素泉

9.硫黄泉

10.放射能泉

この中で、例えばうつ症状や不眠症など、メンタルの不調に効果がある泉質と言えば、どれになるのでしょうか。忙しい毎日の中で「心が疲れた・・・」と温泉に入りたくなる人も少なくないと思います。ズバリ答えは、全部。

上述した療養泉には共通して一般的適応症が確認されており、その中に自律神経不安定症やストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態)の改善が認められています。理由としては温泉の含有成分、温熱、温泉地の環境や気候が総合的に働き、心と体に前向きな改善効果をもたらしてくれるからだとか。

女子の温泉選びに!【やる気UPと美人の湯】泉質と温泉地ガイド

別府

温泉に関する専門家の知人にメンタルヘルスの効用について聞くと、医学的な部分が含まれるという理由で名出しによる明確なコメントは得られませんでしたが、

<温水に浸かると、身体の体温も上昇します。そして体温が適度に上昇すると自律神経のうち、副交感神経が活性化します。副交感神経は心身を休ませる方向に働く神経ですので、これによりリラックス効果が得られます>(せせらぎメンタルクリニックのホームページより引用)

と言った感じで、専門家の間で広く確認されている効果が影響しているのではないかと示唆してくれました。また、

<睡眠は脳の温度が低下するときに出現しやすくなるので、結果として快眠が得られやすくなる>(厚生労働省eヘルスネットより引用)

とあるように、入浴後は体温放出で適度に体温の低下が起きて、入浴による快眠効果が得られると考えられるようですね。

 

以上、美人の湯と言われる泉質と、メンタルヘルスの改善に効果的な泉質を紹介しましたが、いかがでしたか?

メンタルヘルスに関しては「全部」という、ちょっと反則めいた情報になってしまいましたが、心が疲れたら週末にゆっくりと温泉に入りにいくといった休日の過ごし方は、医学的に見ても効果的なのですね。

ちなみに『あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは』によると、療養泉に共通する一般的適応症は他に、筋肉・関節の慢性的な痛み・こわばり、軽いぜんそく、肺気腫、痔の痛み、冷え性、胃腸機能の低下、耐糖能異常(糖尿病)、軽症の高血圧、軽い高コレステロール血症、疲労などの改善が挙げられるみたいですね。

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乳頭温泉

 

[あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは – 環境省]
[e-ヘルスネット – 厚生労働省]
[温泉の泉質について – 日本温泉協会]
[All Photos by shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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