ストで地下鉄の本数が減る、ひどい時は全くないことも
フランスといえば、ストライキ。パリでは一年に何度も地下鉄のストライキがあります。ストライキの間は地下鉄の本数が減り、ひどい時は地下鉄が全く走っていないということがありました。現在の日本ではほとんど聞かないので、パリに住み始めたときはストライキのあまりの多さにびっくりしてしまいました。在仏10年の現在は、「またか」という感じで慣れてしまい、フランスの風物詩のようにさえ思ってしまいます。
切符を回収しない
日本では、電車や地下鉄を出るときに、改札で切符が回収されますよね。パリの地下鉄では、改札を出るときに切符は通さず出ます。切符が回収されないからといって、改札を通ってから切符をすぐに捨てたり、失くしたりしないように。駅員が切符をコントロールしているときが多々あり、切符がないと罰金を払わなければならないからです。
エレベーター、エスカレーターがあまりない
パリの地下鉄ではエレベーターやエスカレーターがないところがほとんど。パリの地下鉄は古く、今からエレベーター、エスカレーターを取り付けるというのは、なかなか厳しいのだとか。バリアフリーのこの時代、もちろん新しくできた駅には、エレベーターかエスカレーターは取り付けれられています。
スーツケースやベビーカーを持ってくれる人が多い
老人や女性が重い荷物を持ちながら階段を上り下りするなんて大変ですよね。エレベーターやエスカレーターがない駅で、ベビーカー移動やスーツケースがあるときは、どうしたらいいのでしょうか。筆者は何度か地下鉄でベビーカー移動をしたのですが、階段では必ず手を差し伸べてくれる人がいました。「手伝いましょうか」と、気軽に声をかけてくれるフランス人の親切さに感動。パリの地下鉄は不便でも、このように助け合っているのです。
地下鉄の乗り換えは迷路のよう !?
シャトレやモンパルナス、サンラザールなどの大きな駅での乗り換えは、まるで迷路の中にいるような錯覚に陥ります。乗り換えるだけなのに、階段を上ったり下ったりを繰り返しながら、ひどいときは10分ほど歩かなければなりません。自分がどこにいるのかを把握できないまま、掲示板の案内のままに足を進めます。一体どれぐらいの距離を歩いたのかもわからないので、乗り換えだけで疲れたなんていうことも多々あります。
次は旅行者もよく知っておきたい料金や治安について驚いたこと。
パリの地下鉄は均一料金
郊外行きの電車に乗れば、料金は違ってきますが、パリの地下鉄は均一料金です。一枚の切符の値段は1.90ユーロ(2018年2月現在 約250円). カルネと呼ばれる10枚入りの切符は一枚あたり1.49ユーロ(2018年2月現在 約195円)になります。パリの端から端まで移動しても、料金は同じなので、お得な気分になります。
スリの注意アナウンスがある
パリの地下鉄ではスリが多発しています。何も取られませんでしたが、筆者も実際に何度かスリに狙われたということがありました・・・。そんなパリの地下鉄ではスリに気をつけるようにとアナウンスがあります。1番線では日本語でアナウンスが流れるほど、日本人はよくスリにお財布などを取られています。現金を持ち歩くというイメージが強い日本人観光客はスリの標的になりやすいので、くれぐれもパリの地下鉄ではご注意を。
地下鉄は手動ドア
年々減ってはきていますが、パリの地下鉄では、ドアが自動的に開かず、手動で開けなければなりません。ドアにレバーが付いていてそれを引き上げるタイプとボタンを押して開けるタイプのものがあります。日本の地下鉄ではドアを自分で開けるなんてことはないので、初めてパリの地下鉄に乗ったときは「いつの時代の地下鉄 !?」と、びっくりしてしました。それにこの手動のレバーは結構力がいるんです。硬くて開けるのに手間取ってしまい、何度か降りられないんじゃないかと冷やっとしたことがありました。
地下鉄に乗るときに列を作らない
パリでは地下鉄を待つ間、列を作ることはまずありえません。先に来ていた人のことはお構いなし。ラッシュ時などはサバイバルのようでもあります。逆に、フランス人は東京や大阪の地下鉄で律儀に列を作っている日本人の姿を見て「なんて礼儀正しいんだ」と感動するのだそうです。
以上、パリの地下鉄で体験したカルチャーショックでした。最初は驚きの連続でしたが、在仏10年もなれば、このパリの地下鉄が当たり前になっている自分もいます。どのような驚くべき環境であっても、時間とともに慣れるものだと身にしみて思います。
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