海外に中華街があるのは有名ですが、世界の大都市には日本人街と呼ばれる地域があります。筆者の住むパリにも、もちろん日本人街と呼ばれる場所があります。
中華街のように一帯が全て日本食レストランで占めているわけではありませんが、多くの和食レストランがあります。パリジャンもまた愛称を込めて、この辺りをQuarteir japonais(カルティエ・ジャポネ/日本の地区)と呼び、和食を楽しみたいときは、ここを訪れます。そんなパリの日本人街を現地からルポいたします。
パリのどこに日本人街があるの?

日本人街があるのは、パリの中でもハイソな1区、2区。あの有名なオペラ座とパレロワイヤルの間に位置します。ルーブル美術館も徒歩の距離です。地下鉄でいうと、Opéra/オペラ、Pyramides/ピラミッド、Quatre Septembre/キャトル・セプテンブル、Palais Royal Muséé du Louvre/パレ・ロワイヤル・ミュゼ・ドゥ・ルーブルが最寄りの駅です。

4つの駅が最寄り駅なので、さぞかし大きな日本人街をイメージしますが、実際、日本食レストランや日本食品店が密集しているのは、主にRue Sainte-Anne/サン・タン通りとRue des Petits-Champs/プティ・シャン通りです。その他の通りには、1、2軒和食レストランがあるような感じです。
また、この地域は日本人街として古い歴史があるわけではなく、日本人街として親しまれるようになったのは、ここ20年ぐらいだそうです。
多くの和食レストランがある日本人街
それでは、具体的にどのような日本食レストランがあるのでしょうか。

今や、パリでも大人気となったラーメン店はここ、日本人街にあります。日本人にも人気の、千葉のこってりラーメン「なりたけ」や「博多ちょうてん」はプティ・シャン通りにあります。その他のラーメン店、サッポロやひぐま、どさん子もこの日本人街にあります。ラーメンのお店が密集しているのが特徴です。

その他、日本人街には、SanukiyaやJubeyなどのうどん屋さん、お好み焼きレストランAki、お弁当の十時や、たこ焼きのお店、葉っぱ亭などもあります。
また日本人街には、多くの韓国料理のレストランや、最近は台湾料理のレストランもあるのが特徴的です。
日本食品店も充実


フランスに在住していても、日々のごはんは和食を食べたいという日本人は筆者だけではないように思います。外国に住んでいるからこそ、和食を意識して食べるようにしている日本人が多いようです。そんな日本人に人気なのが、日本食品店「京子食品」です。
京子では、基本的な調味料から、米などの食品、飲料まで手に入ります。そしてなかなかフランスでは手に入らない水菜や春菊といった、フランスで栽培されたオーガニックの日本の野菜なども。和食に必要な食材はほぼ、ここで購入することができます。オーガニック志向の高いフランス人にとっても、オーガニックの和食の材料が手に入るのはうれしいようです。

また、この日本人街には、K-Mart/ケ・マートやACE Mart/エース・マートなど、日韓食料品店もあります。京子食品に比べて品揃えは劣りますが、調味料や米、うどん、そば、大根、ごぼうなどの野菜は、ここでも購入することができます。
日本の本屋さんや雑貨店も
この日本人街には、和食レストラン、日本食品店以外にも、ジュンク堂や和雑貨のお店があります。

ジュンク堂は、まさに日本の書店の雰囲気で、日本にいるような錯覚を覚えるほどです。本だけでなく、雑誌など発売直後に購入することができます。また地下には日本の雑貨も販売されています。

この地区には、このような和雑貨のお店もあります。フランスではオーソドックスな和雑貨が人気なようです。

そして、フランスでは、やはり漫画好きな人も多く、このような漫画のお店なんかもあります。
以上、現地から日本人街のルポでした。まだ日本を訪れたことのないフランス人は、ここにくると日本の匂いを感じることができるといいます。筆者はそこまで思ったことはありませんが、ラーメンやうどんが食べたくなったときは、やはりこの日本人街にいきます。パリ旅行で、和食が恋しくなったときは、ぜひ訪れてみてください。懐かしい日本の味に再会することができますよ。
[All photos by Nanako Kitagawa and shutterstock.com]

Nanako Kitagawa ライター
2007年よりフランス在住。パリ第八大学大学院を卒業。専攻は文化コミュニケーション。趣味は映画、読書、写真、雑貨、料理、街歩き、カフェ巡り。初めて訪れたその日からすっかりパリの街に魅了され、今日も旅をするようにパリの街を歩き回る。
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