北朝鮮旅行日本総代理店に聞いた!北朝鮮ってどんな国?【1】出入国編

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Feb 22nd, 2018

危険なニュースばかりが目立って、ほとんど実態がわからない北朝鮮。そこで今回は日本総代理店として北朝鮮旅行を扱う中外旅行社に、北朝鮮に関する素朴な疑問をぶつけてみました。ニュースとはまた違った視点での情報を知ることで見えてくるものがあるかもしれません。第一回目は、出入国に関する情報です。

日本総代理店に聞いた!【連載1/5】北朝鮮旅行ガイド【出入国編】

島国の日本には国境を共にする隣国がありませんが、日本海を挟んですぐ隣には北朝鮮があります。しかし隣国の北朝鮮、拉致問題や核開発、弾道ミサイル発射問題など各種ニュースばかりが目立って、ほとんど実態を知らないですよね。どのような国なのか、そもそも日本人が観光として行ける国なのか、疑問ばかりが残ります。

日本総代理店に聞いた!【連載1/5】北朝鮮旅行ガイド【出入国編】

平壌

そこで今回は日本総代理店として北朝鮮旅行を扱う中外旅行社に、北朝鮮旅行に関する素朴な疑問をぶつけてみました。その取材内容を全5回にわたってまとめますので、ぜひともチェックしてみてください。初回は出入国に関する情報になります。

 

陸路と空路で北朝鮮に入国できる

日本総代理店に聞いた!【連載1/5】北朝鮮旅行ガイド【出入国編】

そもそも北朝鮮には、日本から旅行ができるのでしょうか? 答えはイエスです。ただ、現状で日本独自の対北朝鮮措置が実施されていて、北朝鮮全土への渡航自粛が呼びかけられています。

<人的往来の規制措置,具体的には我が国から北朝鮮への渡航自粛要請が含まれています>(外務省のホームページより引用)

よって中外旅行社もツアー企画の実施は行っていないそうですが、個人の希望に応じて手配旅行は取り扱っているとの話。普通の民間人が旅行目的で渡航することは可能です。

日本総代理店に聞いた!【連載1/5】北朝鮮旅行ガイド【出入国編】

中国と北朝鮮の国境にある鴨緑江(ヤールー川)

北朝鮮への入国ルートですが、陸路と空路があり、陸路はもちろん空路も含めて第三国経由での入国になります。空路の場合は、中国とロシアを経由して北朝鮮の首都・平壌に入る旅路になり、陸路の場合は国際列車を利用して中国からの入国が可能だといいます。一部の旅行経験者によると、陸路の方がじっくりと農村風景を眺められるため、より印象的な旅になるのだとか。

ちなみに韓国からは、板門店を中心に軍事境界線が引かれているため、空路と陸路に関係なく一切の入国ができないそう。韓国人の入国もできないみたいです。

具体的な空路になりますが、経由地までの移動は日本を含む各国の航空会社を利用し、経由地からは、

・北京(中国)⇔(高麗航空)⇔平壌(北朝鮮)

・上海(中国)⇔(高麗航空)⇔平壌(北朝鮮)

・瀋陽(中国)⇔(高麗航空)⇔平壌(北朝鮮)

・ウラジオストク(ロシア)⇔(高麗航空)⇔平壌(北朝鮮)

といった形になると言います。陸路に関しては、

・北京⇔瀋陽⇔丹東(いずれも中国)⇔平壌(北朝鮮)

といった国際列車に乗車します。丹東(タントン)とは鴨緑江(ヤールー川)を国境線に対岸の北朝鮮の新義州(シンウィジュ)に対面する国境の都市ですね。

 

入国に必要な書類はパスポートとビザ

日本総代理店に聞いた!【連載1/5】北朝鮮旅行ガイド【出入国編】

アクセスに関しては中国、ロシアの経由地から陸路、空路で出入国すると分かりました。必要書類は何になるのでしょうか。この点は他の国に旅行するときと変わらずに、

・パスポート
・ビザ

が必要になると言います。パスポートの有効期限に関しては特に規定がないそうですが、一般的に半年以上あった方がいいとの話でした。ビザに関しては、日本総代理店である中外旅行社が代理で申請し、おおよそ20日間かけて取得してくれるとの話です。出発の1カ月前くらいから旅行の申し込みが必要になりますね。ビザの受け取り方法について言えば、第三国の経由地の出発前に現地で担当者から受け取る形になるそう。

ビザを取得する際の申請書類については、

・渡航申込書
・パスポートコピー
・証明写真2枚

が必要になります。渡航申込書には個人情報とパスポート情報などを書き込んで、日本総代理店である中外旅行社に提出することになります。

 

北朝鮮の入国時に持ち込みが禁止されているアイテムは?

日本総代理店に聞いた!【連載1/5】北朝鮮旅行ガイド【出入国編】

入国時に持ち込みが禁止されているアイテムには何があるのでしょうか? 聞いてみると、国際法上禁止されている物品、もしくは日本に海外から持ち込めないようなアイテムは、基本的に北朝鮮にも持ち込めないとの話です。

例えばポルノグッズ、禁止薬物、各種の偽造品、偽造通貨、ワシントン条約で持ち込みが禁止されている生き物、物品などはもちろん厳禁。その他の注意点としては、日本から持ち込む書籍やCD、DVD、ノート型パソコンなどは入国時に中身をチェックされると考えておいた方がいいそう。必ず中身を見るか、そうでないかは、他の国と同じく現地の税関職員の対応によって若干異なるみたいです。

一部の情報で、カメラやビデオは持ち込めないとの話がありますが、基本的に自由に持ち込んでも構わないとの話でした。ただ、使い方に関しては現地同行ガイドの指示に従ってほしいとの言葉がありました。

 

以上、北朝鮮旅行の基礎知識、初回はアクセス方法を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか? 次回は北朝鮮における世界遺産などを紹介しますので、併せてチェックしてみてくださいね。

日本総代理店に聞いた!【連載1/5】北朝鮮旅行ガイド【出入国編】

沙里院

 

取材協力:中外旅行社

参考
[我が国独自の対北朝鮮措置について – 外務省]
[北朝鮮 – 外務省 海外安全ホームページ]
[All Photos by shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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