イベントが始まるのは前夜から

フィレンツェのパスクア(復活祭)。遡れば第1回の十字軍に起源を持つと言われるこのスコッピオ・デル・カッロ、350年以上前には現在の形になったそうです。
そんなイベントを全く知らない中、2012年にフィレンツェに留学していたところ、パスクワがやってきました。前日ランチにきたホストマザーの友人に、「最近頭がぼんやりしていて」と何気なく言ったときのこと。「パスクワの前日は空っぽ。皆当日を待っているの」と言われ、なんとなくイベントの雰囲気を感じ始めました。
夜には鼓笛隊が出ました。家の前を通るのでリビングから眺めます。幻想的で夢の中の出来事のようでした。
伝統衣装を着たパレード

さて当日。太鼓奏者、旗手、昔のドレスを着た人々のパレードです。なんだか、不思議の国のアリスのような世界です。イタリア人といえど(アジア系など他国の人もいるようですが)さすがに現代人にはちょっと似合わないように感じましたが、それでも素敵です。



そして、ここでキュートな牛たちの登場です。花の飾りが重そうですが!フィレンツェの名物ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ(フィレンツェのTボーンステーキ)になる、キアナ牛です。

このキアナ牛が引いているのが、このイベントの主役である山車。

スコッピオ・デル・カッロ大詰め
パレードが終わり、人々が傘を手にドゥオモの周りに集まります。あいにくの雨です。しかし、セレモニーの始まりとともに雨が止むという奇跡が!

午前11時頃、教会の中で「グローリア」が歌われた後、大司教が鳩型のロケットに点火します。鳩は祭壇から飛び出し、さきほどの山車に点火します。凄まじい量の爆竹と花火です。ビュンビュン、バンバンといった音、火花そしてあたりは煙でいっぱいに。エレガントなイメージのフィレンツェと思っていたら、びっくりの大迫力です。

煙が落ち着いてようやくドゥオモの壁が見えました。この山車の上部の旗がきちんときれいに出るか、また最初の点火がうまくいくかなどでその年の吉兆を占うという意味もあるようです。

この後、皆家に戻ってご馳走です。パスクワといえば、コロンバ。鳩の形のパネットーネです。アーモンドが載っています。おなかが苦しいなか、しっかりいただいて春の到来を噛みしめました。

[All photos by Shio Narumi ]
[Visit FLORENCE]

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Shio Narumi ライター
イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。
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