(c)Naoko Kurata
夏休みの自由研究のように、心惹かれることについて、じっくり調べてみる。考えて、試行錯誤し、また考えて、まとめて、発表する。TABIZINEにもそんな場がほしいと思い【TABIZINE自由研究部】を発足しました。部員ライターそれぞれが興味あるテーマについて自由に不定期連載します。
今回は、オランダ在住TABIZINEライター、倉田直子の自由研究「自家製カルピス風ドリンクを自分で作ろう!」をお届けいたします。
筆者が子供のころ、カルピスはお中元やお歳暮といった贈り物の定番でした。あの水玉模様のラッピングペーパーに包まれた瓶の中の原液を、水で薄めながら飲むのが子供ながらに楽しかったのを覚えています。
海外で暮らし始めてからはカルピスを飲む機会はほとんど無くなってしまいましたが、なんと家庭でカルピスそっくりドリンクを作れるという情報を目にし、さっそくチャレンジしてみました。その作り方や、アレンジ・スイーツなどをご紹介したいと思います。
モンゴルにルーツを持つカルピス
その「自家製カルピス」の詳細をお話しする前に、まずカルピスの歴史についてお話させてください。実はカルピスのルーツは、モンゴルにあるのだそう。
カルピス株式会社のホームページによると、同社の創業者・三島海雲(みしまかいうん)氏がモンゴルで「現地の人が元気の源として大切にしているすっぱいミルクのような飲みもの」に出合ったことがカルピスの歴史の始まりになりました。モンゴルでの体調不良をその乳製品で直した三島氏は、日本に帰国してから人々の健康のために乳酸菌の入った飲み物を開発したのです。そして1919年に、満を持してカルピスは世の中に送り出されたのだとか。つまり、カルピスは既に100年近い歴史があるのですね!
自家製カルピス原液の作り方
筆者が驚いた「自家製カルピス」の情報が掲載されていたのは、イギリスの大手新聞「ガーディアン」(The Guardian)。イギリスのファストフード・レストランチェーン「Leon」の設立者の一人であるHenry Dimbleby氏が、かつて住んでいた日本で飲んだカルピスの味を懐かしみ、自己流カルピスのレシピを作り上げたそうです。
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「ガーディアン」紙のレシピによると、必要な材料はヨーグルト(450グラム)、砂糖(400グラム)、レモン果汁(140ml)、バニラエッセンス(小さじ1)。これは、約20杯分の原液になるそうです。カルピスは乳酸菌を含んでいるので、ヨーグルトを利用するのは納得ですね。
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まずボウルに砂糖とヨーグルトをあけ、湯せんで温めながら混ぜます。
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最初は不安になるほどもったりとしていましたが、温めるにつれてトロトロになっていきました。この原液を沸騰させないように注意しながら混ぜ、70度から80度程度の温度をキープしながら15分ほど湯せんを続けます。
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鍋から降ろしたボウルを、常温まで冷まします。その後、レモン果汁とバニラエッセンスも投入。すべての材料を混ぜてから調べると、約800mlありました。
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上の画像は、空き瓶に入れて500mlのペットボトルと比べたところ。総量のボリュームが伝わりますでしょうか。
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約4倍に薄めて飲んでみました。肝心なお味は、まさにあのカルピス! 久々の故郷の味に、筆者感激!
ただし、筆者が使ったヨーグルトが酸味控えめのまろやかな味だったことから、若干すっぱさが足りない気もしました。そんな時は、レモン果汁を多めに追加しても良いのではないでしょうか。
そしてドリンク以外にも、自家製カルピス風液を使ったスイーツなども試してみたので、ご紹介させてください。
自家製カルピス原液のアレンジ・スイーツ
・自家製カルピス食パン
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まず作ったのは、自家製カルピス食パン。ホームベーカリーに投入する水分の一部を自家製カルピス原液で代用しました。筆者の家のホームベーカリーは水280mlが必要なのですが、今回はそのうち40mlを自家製カルピスに。そして通常入れている砂糖は省きます。
味は普段より甘酸っぱく、中はもちもちで普段と全く違う仕上がりになりました!
ただし、機械の設定は普段と全く同じだったのに、なぜか焼き色が普段より一段濃くなっています。試しに数日後に、焼き色を一段落として自家製カルピス食パンを再度焼いたら、普段と同じ焼き色になりました。
・フレンチトースト
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普段の筆者の自己流レシピでは、フレンチトーストの浸け液にはミルク200ml、卵1個、砂糖大さじ1はいを使っています。今回はミルクの半量を自家製カルピス原液で代用し、砂糖は省きました。原液がどろっとしているので、普段よりもじっくり浸け時間をとる必要がありました。
でも通常のフレンチトーストには感じなかった酸味もあり、まるでケーキのような味わいです!
・チーズケーキ
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クリームチーズと自家製カルピス原液、卵と小麦粉、少量の砂糖でチーズケーキを焼いてみました! 甘酸っぱさのバランスが最高で、手前味噌ですが、まるでカフェで食べるチーズケーキのような仕上がりに。
・シャーベット
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自家製カルピス原液と牛乳、更にこの原液を作るときに少々余っていたヨーグルトを使ってシャーベットを作りました。ジップロックにその材料といちごを投入し、冷凍庫に。数時間おきに取り出して、手で揉みほぐします。簡単なのに、さわやかで美味しいデザートに仕上がりました。
自家製カルピス原液の自由研究、いかがでしたでしょうか。本当に作るのが簡単なので、次回は使い切りできるくらいの少量で作ろうと思います。そして美味しいアレンジ・スイーツの研究も引き続き進めていきたいです。
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[How to make calpis]
[「カルピス」はどこから来たの?]