田舎のおばあちゃんちのように|たったひとつを叶える旅 <4>

Posted by: 青山 沙羅

掲載日: Jun 13th, 2018

旅の目的は「たったひとつ」が潔いと思いませんか。今回の「たったひとつ」は、田舎のおばあちゃんちのような場所。新潟県十日町市にある「脱皮する家」です。2018年度の宿泊予約は早くも完売ですが、「越後妻有 大地の芸術祭」開催期間中、作品として見学もできますよ。

田舎のおばあちゃんちの朝ごはんのように たったひとつを叶える旅 <4>

旅の目的は「たったひとつ」で良い

旅の目的は「たったひとつ」が潔いと思いませんか。

あれもこれもと盛りだくさんは、大人には野暮というもの。情報が氾濫している現代だからこそ、余計なものは削ぎ落として、自分の「たったひとつ」を選び取るのが粋。旅の荷物はシンプルに、期待だけを詰めて。

私たちがまだ訪れたことのない、未知の場所や絶景。
笑顔で迎えてくれる、あたたかい地元のひと。
生産地ならではの、新鮮で美味しいもの。

珠玉のように散らばる日本各地の魅力を発信する「ONESTORY(ワンストーリー)」。「ONE=1ヵ所」を求めて日本を旅するメディアから、私たちの「たったひとつ」が見つかりそうです。

夏の思い出が詰まった「田舎」という場所

田舎のおばあちゃんちの朝ごはんのように たったひとつを叶える旅 <4>

子供の頃に辛いことがあって泣いて帰ると、安心して甘えられる胸や膝がありましたよね。おばあちゃんだと理由も聞かずに味方になってくれました。

懐かしい田舎の情景。そこには、夏の思い出がいっぱい詰まっていました。

眼にしみるような、緑の田んぼ。
ミンミン鳴く蝉の声。
ほどよく冷えたスイカ。
食べきれないほど茹でてくれた、おそうめん。
お昼寝の時、扇いでくれたうちわの風。
微風に揺れる、蚊取り線香のけむり。
ゆっくり時間が過ぎてゆく、夏の午後。
その一時は、永遠にあるかのように長く感じたものです。

田舎のおばあちゃんちの朝ごはん

田舎のおばあちゃんちの朝ごはんのように たったひとつを叶える旅 <4>

ちゃぶ台はおばあちゃんの存在のように、皆が集まれる家の中心。

夏の香りがする、おばあちゃんちの朝ごはん。

華やかなフレンチやお洒落なイタリアンでは得られない、素朴で懐かしい日本人ルーツの味。畑からもいできた野菜や、地元の田んぼから収穫したお米。手作りの味噌をおとした、お味噌汁。ご自慢のお漬物。

ご飯を食べたら、田舎道をお散歩して、歩き疲れたら畳に寝っ転がってお昼寝。そんな時間が、とても贅沢に感じます。

新潟県十日町市にある「脱皮する家」は、彫刻家の鞍掛純一氏と日本大学芸術学部彫刻コース有志が約2年半の歳月をかけ、築150余年の木造古民家を一軒丸ごと彫り直したアート作品。10名まで宿泊可能で、地元食材を使った家庭の味を仕出しでお願いできます。古民家1軒を施設利用料15,000円で貸し切れ、プラス大人1名あたり1泊3,000円。見学のみも可能です。

あなたが求めていた田舎は、ここにあるかもしれません。

■もっと知りたくなったら

ONESTORY(ワンストーリー)
自然の風景に溶け込み暮らしとともに育まれた越後松代棚田群は、里山の宝。[光の館/新潟県十日町市]

脱皮する家

住所:〒942-1351 新潟県十日町市星峠776
電話:025‐595-6180(事務所 まつだい「農舞台」10時~17時/水曜休)
営業期間:2018年7月29日~2018年9月17日
越後妻有 大地の芸術祭開催期間中の営業となります。

【見学】
作品鑑賞時間:10:00~16:00
鑑賞料金:大人500円 小学生250円 未就学児無料

【宿泊体験】※ただし2018年度の宿泊はすべて予約済みとなります。
宿泊料金:【施設利用料15,000円】+【大人3,000円×大人宿泊者の人数】 (朝食・夕食別)
チェックイン:17時00分~19時00分
チェックアウト:9時00分まで
公式サイト:http://www.tsumari-artfield.com/dappi/index.html

田舎という場所は、もしかしたら、自分の想像が作り上げた夢の場所。
泣いて帰る場所が消えてしまった大人になったからこそ、田舎に焦がれるのかもしれませんね。

私たちが旅へ向かわずにいられないのは、日常で求められない「たったひとつ」に出逢いたいからなのです。

PROFILE

青山 沙羅

sara-aoyama ライター

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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