日本からオランダに旅行で訪れる場合、首都アムステルダムを中心に観光されるのではないでしょうか。けれどオランダは、日本の九州程度の面積にたくさんの魅力的な街が点在する国。公共交通機関も発達しているので、アムステルダムから日帰りで訪れることができる場所もたくさんあります。今回は、南ホラント州に属するデルフト(Delft)という街を取り上げたいと思います。オランダ在住の筆者が遊びに行った際のルートをご紹介させてくださいませ。
「フェルメール・センター」でフェルメール絵画への理解を深める
(c)Naoko Kurata
アムステルダム中央駅からデルフト駅は、直通の急行電車で約1時間。直通電車はだいたい30分に1本ですが、途中の駅で乗り換えたりしながら行くこともできます。
デルフト駅に着いてまず目に入るのは、モダンな天井。2015年に改装され、近代的なデザインに生まれ変わったのです。
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そこから筆者が向かったのは、徒歩15分ほどの場所にある「フェルメール・センター」(Vermeer Centrum)。デルフトで産まれ、生涯この街で過ごしたオランダの画家フェルメールの足跡がたどれる施設です。
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入場チケットと、日本語の解説ペーパー。日本語のオーディオガイドはありませんが、施設が日本語の用紙を用意してくれています。
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フェルメールが描いた37点の絵画は世界各地に点在していますが、この「フェルメール・センター」には、彼の作品すべてのレプリカが展示されているのです。
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日本でも人気の「真珠の耳飾りの少女」も、もちろんあります。ちなみにこの作品の本物は、デルフトからも近いデンハーグの「マウリッツハイス美術館」に展示されています。
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作品の展示以外に、フェルメールの絵に隠された暗喩の解説などがあり、より深く作品を知ることもできるという特典も。
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そして、フェルメール作品をほうふつさせる家具やライティングのセットで、絵画の登場人物になれるコーナーも。ぜひフェルメール風の記念写真をおさえたいですね。
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もちろん、おみやげ物コーナーも充実。名画をアレンジしたグッズをおみやげにしてみては。
世界に愛される陶器工房「ロイヤルデルフト」
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「フェルメール・センター」を後にして向かったのは、「ロイヤルデルフト」(Royal Delft)という陶器工房。
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「デルフト焼き」や「デルフトブルー」として世界的に有名な陶器の、17世紀から続く唯一の工房がこちらです。
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施設内では、職人が実際に手作業で絵付けをしている様子も見学できました。
ちなみにロイヤルデルフトでは、プレートやタイルの絵付けワークショップも開催されています(要予約)。当日受け取りはできず、最低開催人数などの条件もあるようですが、ご興味ある方は公式ホームページをご参照ください。
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その他にも、ロイヤルデルフトが所蔵する、様々な歴史的な作品を見ることもできます。
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特に圧巻だったのは、この「夜警」(Nachtwacht)のタイル絵。アムステルダム国立美術館(Rijksmuseum)に所蔵されているレンブラントの大作を、480枚のタイルを使い原寸大で再現しています。完成までは、2人の職人が1年かけて作業したのだとか。
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毎年クリスマス時期に販売される、歴代のクリスマス・プレートの展示も。このディスプレイの中で一番古いクリスマス・プレートは、1915年のものでした。
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もちろん、ロイヤルデルフトにはショップも併設されています。プレートや花瓶などの他に、飾りやすいタイルの取り扱いも。筆者が訪れたときは、1枚59ユーロ(2018年5月現在約7千733円)での販売でした。
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そして、職人の手作業ではなく機械で転写された作品ですが、ミッフィーをあしらったシリーズも。ミッフィーはオランダ生まれのキャラクターなので、おみやげにも喜ばれそうですね。
「ロイヤルデルフト」でハイティーを堪能
(c)Naoko Kurata
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実はこのロイヤルデルフトには、ティールームも併設されています。
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このティールームでは、事前に予約すればハイティー(アフタヌーンティー)をいただくこともできるのです。
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こちらでサーブされるプレートやティーカップなどは、もちろんロイヤルデルフトで手掛けられたもの。高額な食器を自宅にフルラインでそろえるのはなかなかむずかしいですが、こちらでなら贅沢に使用することができます。気分が豊かになりますね!
魅力的なデルフトの名所たち
その他にも、オランダの初代君主が住居としても使っていた建物を利用したプリンセンホフ博物館(Museum Het Prinsenhof)や、デルフトの絶景を眺められる塔のある新教会(Nieuwe Kerk)など、デルフトは魅力的なスポットにあふれています。オランダ旅行の忘れられない1日になるのではないでしょうか。
アムステルダム観光のエクスカーションとして、ぜひ足をのばしてみてくださいませ。
[Photos by Shutterstock.com]
[Vermeer Centrum]
[Royal Delft]