写真提供:静岡県観光協会
7月1日は、日本の象徴かつ世界遺産である富士山の山開きです。富士山に関する記事はTABIZINEでも人気が高く、日本人に最も愛されている名峰であることが伺えます。富士登山はもはや日本人のみならず、海外旅行客にも人気。誰もが「一度は登ってみたい」と思う憧れの山なのです。
そこで、「祝!富士山開山」として、富士山のトリビアを全8回の特集でお届けします。「へえ〜、知らなかった」「なるほど、そういえば」と思う情報が満載ですので、ぜひお見逃しなく。
最終回は、「まだまだある!富士山トリビア6選」。富士山にまつわるトリビアは、まだまだあります。最後に、ぎゅぎゅっと6選をご紹介。
富士山はピチピチの1万歳
写真提供:静岡県観光協会
富士山にも、年齢があります。今見えている富士山(新富士火山)は、約1万歳。日本の火山の平均寿命は数十万年ぐらいのものが多いので、1万歳の富士山は「若い山」。山肌も滑らかで、シワ(谷)も少なく、ピチピチ(?)の若さ。人間と同じく、山も年をとると、雨や風で削り取られ山肌がゴツゴツし、シワ(谷)が増えていくのです。
富士山下には、実は「古富士火山」「小御岳」「先小御岳火山」「愛鷹山」の4つが隠れています。現在の富士山は、4階建ての火山。隠れている火山も含めると、1万年ではなく40万年くらい経っているかもしれませんね。富士山が年齢のサバをよんでいるわけではないですよ(笑)。
富士山では雨が下から降るってどういうこと?
通常雨は頭上にある雲から降ってきますね。雨を降らせる雲は、高さ500〜2000メートルに出来ると言われます。富士山は雲よりも高いので、雲は下に出来ます。そして雨が降ると強風で舞い上がり、雨が下から降る(吹き上がる)現象が起きます。
下から濡れるため、上方向を防水する傘やポンチョは役立たず、しっかりしたレインウェアを着ないと命取り。高所は気温が低く、下からぐっしょりと雨で濡れるので、低体温症になる可能性があります。富士山では通常の雨とは違う降りかたということを覚えておきたいですね。
富士山は日本のスキー発祥の地
ドイツのシーメンス社の日本駐在員クラッセル(来日後に横浜でスキーを製作し販売)とレルヒ少佐と同時期に来日したオーストリア人。富士山の美しさに魅せられ、友人のレルヒと共に1910(明治43)年に登山し、八合目まで登った頃悪天候と高山病のために登頂を断念し、スキーで滑降したしたのが始まり。レルヒ少佐は日本陸軍にスキーの指導をした人物、「日本スキーの父」と呼ばれています。
昔は富士山にはスキー場がたくさんありました。1934年(昭和9年)のパンフレットには、山中湖のまわり、吉田ルートの5合目あたり、河口湖近くの鳴沢に4つのスキー場が掲載されています。現在は、下記の2つのスキー場が営業しています。
住所 : 〒401-0320 山梨県南都留郡鳴沢村字富士山8545-1
電話:0555-85-2000
公式サイト:http://www.fujiten.net
●スノータウンイエティ(富士山2合目のスキー場)
住所:〒410-1231 静岡県裾野市須山字藤原2428
電話:055-998-0636
公式サイト:http://www.yeti-resort.com
富士山頂で結婚式が出来る
富士山頂には、「富士山の頂上は何県?国有地なの?【あなたの知らない富士山トリビア】」でもご紹介した富士山本宮浅間大社奥宮があります。日本最高峰で永遠の愛を誓うことが出来ます。一生思い出に残る結婚式になりそうですね。受付期間は7月15日〜8月15日の夏期限定。毎年3組ほどのカップルが行っており、山頂が狭いため同伴者は多くても10名ぐらいまで。
〒418-0011 静岡県富士宮市富士山頂
公式サイト:http://fuji-hongu.or.jp/sengen/hongu/index.html
富士山にはかぐや姫が出現する!?
写真提供:静岡県観光協会
富士市には、一般に知られた物語と異なる「かぐや姫伝説」があります。結末は「富士山の麓で美しく成長したかぐや姫の向かった先は、月ではなく富士山であった。」に。かぐや姫は見かけによらず、健脚だったのですね。
富士山に浮き出るかぐや姫が、あなたは分かりますか?着物姿のほっそりとした女性の姿が見えます。
http://www.city.fuji.shizuoka.jp/fujijikan/fujipedia/kb719c000000095i.html
富士山かぐや姫ミュージアム
住所:〒417-0061静岡県富士市伝法66-2
電話番号:(0545)21-3380
入場料:無料
公式サイト:http://museum.city.fuji.shizuoka.jp/index.php
富士山は「不死山」と呼ばれていた
写真提供:社団法人 やまなし観光推進機構
富士山は、もともとは違う名前で呼ばれていました。はじめは違う名前の山だったのです。諸説はありますが、9世紀頃作られた日本最古の物語「竹取物語」に由来した「不死山」がロマンティックです。「竹取物語」 で、かぐや姫が帝に別れを告げる際、「不老不死の薬」を渡します。かぐや姫のいない現世で生きる望みを失った帝は、「不老不死の秘薬」など不要と日本で一番高い山頂で焼いたと言われます。不老不死の薬を焼いたことから、「不死山」という名称が生まれ、鎌倉時代には今の「富士山」になったといいます。富士山は、「不老不死」の力を持った山なのです。
8回に渡って連日お届けした、あなたの知らない富士山トリビアは今回で終了です。富士山の興味深い歴史やまつわるミステリーは色々あり、ご紹介出来たトリビアはほんの一部。またいつか記事にしたいと思っていますので、どうぞお楽しみに。
「【特集】あなたの知らない富士山トリビア〜今年も富士山登山の季節到来!〜」もお見逃しなく!
参考
[富士山のふしぎ100|偕成社]
[NHK 富士山の誕生と噴火の歴史をひもとく]
[富士市 富士山の噴火史について]
[富士山のすごいひみつ100|主婦と生活社]
[日本山岳救助機構 jRO 今夏の反省 富士山で低体温症に]
[発祥の地コレクション 日本初スキーの地 御殿場]
[富士エコツアー 富士山で最初にスキーをしたのは誰?]
[静岡新聞 <富士山臨時支局>山頂挙式「思い出一生」 登山者らが祝福]
[富士じかん 富士山に浮き出るかぐや姫]
[フジヤマNAVI これって常識!?雑学!?意外と知らない【富士山20の豆知識】 (後編)]
[なぜ富士山は世界遺産になったのか 小田全宏]
[Photos by shutterstock.com]