海外旅行に出かけたら、時差ボケになってつらかったという経験はありませんか?重い時差ボケにかかってしまうと、日中も眠くてたまらない、身体がだるい、胃が重いといった症状が出て、せっかくの旅行の100パーセント楽しめなくなってしまうもの。
つら~い時差ボケにならないようにするためには、旅行前からの対策が効果的なんです。
そもそも時差ボケとは?
「時差ボケがつらくて・・・」などと、何気なく使われることの多い「時差ボケ」。そもそも時差ボケとは、体内時計と現地時間のあいだにズレが生じることで身体に負担がかかり、一時的な不調が生じることをいいます。
時差ボケは、5時間以上の時差がある場所に移動したときに起こりやすく、その症状は西へ飛行したときよりも、東へ飛行したときに強くなるといわれています。
具体的な症状は、睡眠障害(夜眠れない、眠りが浅いなど)や日中の強い眠気、倦怠感や疲労感、食欲不振など。
「海外旅行にはつきもの」と軽く考えられがちな時差ボケですが、工夫しだいで結果は大きく違ってきます。続いて、時差ボケの予防策と対処法をお伝えしましょう。
旅行前に十分な睡眠をとる
できるだけ時差ボケにならないようにしたいとき、その対策は、旅行前からすでに始まっています。
まず、旅行前は無理をせず、十分な睡眠をとって身体を休ませておくことが肝心。出発前から睡眠不足になっていると、時差ボケの症状が強く出やすくなります。旅行前はできるだけ規則的な生活を心がけ、身体を休ませてあげましょう。
旅行前から生活時間を現地に近づける
長時間の時差が発生する旅先に出かける場合、旅行前から少しずつ生活時間帯を現地に近づけると効果的です。
日本から見て東へ旅行する場合は、普段よりも早寝早起きをし、西に旅行する場合には、普段よりも少し遅く寝て、遅く起きるようにします。
たとえばアメリカに旅行する際には、旅行の数日前から普段よりも1時間早く寝て、1時間早く起きる。こうしたちょっとした工夫でも時差ボケの症状は軽減できます。
機内では現地時間に合わせて過ごす
重い時差ボケになってしまうか、それともごく軽い症状で済ませられるか、勝敗は飛行機の機内での過ごし方にかかっているといっても過言ではありません。
飛行機に乗ったらまず目的地の現地時刻に時計を合わせ、できるだけ現地の時間に合わせて過ごします。移動中、日本時間が昼であっても、現地時間が夜であればできるだけ睡眠をとるようにし、日本時間が夜であっても、現地時間が日中であれば、無理のない範囲で睡眠をとりすぎないようにします。
現地時間が夜なのに眠れない場合は、機内エンターテイメントやスマートフォンなど、電子機器の明るい光を浴びるのはできるだけ避け、読書など光の影響の少ない方法で時間を過ごすといいでしょう。
機内ではアルコールやカフェインは控える
機内ではビールやワイン、コーヒーや紅茶などが無料で提供されるので、ついついアルコールやカフェインを摂ってしまうという人は多いはず。
しかし、いずれも睡眠の妨げになるため、摂取には注意が必要。特に、フライト時間が現地の夜にあたり、機内で睡眠をとろうとする場合は、アルコールもカフェインも避けることをおすすめします。
どうしてもという場合はアルコールやカフェインはごく少量にとどめ、十分な量の水を飲むようにしましょう。
消化の良い食事を心がける
長時間の時差が生じる場合、普段の睡眠サイクルが狂うことにより、胃に不調をきたしやすくなります。そんなときに、揚げ物や辛いものなど胃に負担がかかる食事を摂ると、さらに症状を悪化させることに・・・
特に、長距離フライトの後で体内時計が乱れているときは、ほうれん草や白菜、ジャガイモといった繊維質の少ない野菜や、鶏ささみなどの脂の少ない肉、白身魚など消化の良い食べ物を中心に摂り、脂の多い肉や揚げ物、辛いもの、酸味の強いもの、アルコールやカフェインなど、胃に負担をかけやすい食べ物や飲み物は控えるようにするといいでしょう。
現地では現地時間に合わせて過ごす
現地に着いた後は、現地時間に合わせて行動するのが鉄則。現地に朝到着して、眠いからといってすぐにベッドに入ってしまうとさらに体内時計を混乱させることになります。
日中現地に到着した場合、多少の眠気は我慢して外を歩くなどして現地時間に身体を慣れさせましょう。
ただし、あくまでも体調と相談しつつ。日中どうしても眠いときは、無理に起きているよりは短時間の昼寝などをしたほうが楽に過ごせる場合もあります。
太陽光を浴びて体内時計を現地時間に合わせる
現地に着いたら、太陽光を浴びて体内時計を現地時間に合わせることが大切。現地に日中到着する場合は、疲れていても軽く外に出て日の光を浴びたほうが現地時間に早く慣れることができます。
現地のホテルでは、目が覚めたら、まずは部屋のカーテンを開けて太陽光を採り入れる。反対に、日が沈んだら部屋を薄暗くし、スマートフォンやテレビなど人工的な光も含め、大量の光を避けるようにする。そうすることで、現地の時間帯に合わせた睡眠のリズムが整いやすくなります。
光を浴びるべきときは浴び、浴びるべきでないときは控えるようにして、光を味方につけましょう。
ストレッチなどで身体を動かす
光をコントロールするのに加え、現地で朝起きたときにストレッチや散歩などの軽い運動を採り入れるのも効果的。そうすることで自律神経が整いやすくなり、時差ボケの症状が軽減できます。
朝だけでなく、現地で夜眠れないときも、ストレッチやヨガなどで軽く身体を動かすといいでしょう。ただし激しい運動をすると心身が覚醒し、眠れなくなってしまうため、夜寝る前に激しい運動をするのは避けたほうが無難です。
大幅な時差がある場合、時差ボケの症状をまったくゼロにすることは困難ですが、工夫次第で気にならない程度に軽減させることは十分可能。
旅先で日中強烈な眠気が続いたり、胃が痛くなったりしたら辛いですよね。せっかくの旅行を満喫するためにも、「たかが時差ボケ」と甘く見ず、事前の対策をとってはいかがでしょうか。
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