顔なじみの常連客で賑わう、マカオ最古のカフェ「南屏雅敘」。朝のピーク時は、相席が当たり前の人気店です。名物「たまごサンド」にかぶりつき、ローカルのように一日をスタート。地元っ子イチ押し、絶品マカオパンを発掘するこのシリーズ。第3弾は、歴史ある路地裏ベーカリーをご紹介します。
馴染みの客、いつもの味、変わらぬ日常がそこにある
ノスタルジックな街並みが今も残る「十月初五日街」。肩を寄せ合うようにひしめき合う老舗店の一角に、「南屏雅敘」はありました。
店頭では焼き立ての香ばしい匂いを漂わせながら、ご自慢のパンが売られています。
写真は「サーヨン(沙翁)」と呼ばれる、店のもう一つの人気メニュー。しっとりとした揚げパンのようなドーナツです。テイクアウトして足早に去っていくのは、これから仕事へ向かう人々でしょうか。
新聞片手にコーヒーをすする老紳士や、仲間と談笑しながら朝食をとる近所の店主たち。1967年の創業以来、マカオの下町で親しまれてきた老舗カフェは、有り余るほどのエナジーで溢れかえります。特に朝7〜8時は席をとるのも一苦労、ゆっくりしたい人は時間をずらすというのも手でしょう。
阿吽の呼吸。名物「たまごサンド」をいざ実食
店員さん、注文は書かずに全て暗記するというから驚きです。これは昔から変わらぬスタイルだそう。たまに間違えることもあるそうですが、それもご愛嬌 笑。厨房・ホール・レジ、それぞれ息の合った連携プレーで、瞬く間に料理が出てきました。
こちらが「南屏雅敘」の絶品朝食、「たまごサンド(雞蛋文治)」。食パンの倍以上はある分厚い卵焼きは、熱々ふわふわ。卵がジューシーに口の中でほどけていきます。ほんのり甘い優しい味は、飽きることなく毎日でも食べられそうです。
昔なつかしの「冷たい小豆ミルク(奶汁紅豆冰)」は、甘すぎないのも嬉しいポイント。デザート感覚で頂きます。
サンドイッチは15〜25パタカ(約200〜350円)と、リーズナブルな価格も実にありがたい「南屏雅敘」。絶品「たまごサンド」を頂きながら、マカオに流れる”いつもの朝”を感じる。下町の路地裏ベーカリー、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょう?
住所:新馬路十月初五街85-85A號
Tel:+853 2892 2267
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[All photos by Ai Kaneko]