
(C) Sara Aoyama
世界中から注目される日本の魅力。日本を愛するがゆえに、旅行だけでは物足らず、海外から移住するケースも増えています。
彼らは文化や言葉が違う壁を乗り越え、日本を受け入れ理解し、日本人以上に日本を愛しているかもしれません。
今回は人種の坩堝ニューヨークで出会った「日本が大好き」な方達にインタビューしました。国籍も、言葉も違う彼らが、なぜ日本を訪れ、日本に惹かれたのでしょうか。そこには、筆者が想像する以上の、彼らの強い「日本愛」がありました。
2回目のインタビューは、オーストラリア出身のラメズさんです。
お名前 : ラメズ(Ramez Kafrouni)さん
性別:男性
出身国:オーストラリア
日本での滞在地:
新潟県上越市
日本在住歴:2年間
日本での職業:英語の教師(小学校、中学校)
日本史から興味を抱いた日本
ー日本に行きたいと思ったきっかけを教えてください。
オーストラリアの高校で日本史を勉強して、日本に興味を持っていました。今まで行ったことがない国で働きたい希望があったので、かねてから興味があった日本を選びました。
ー日本史のどこに興味を惹かれましたか。
江戸時代と明治時代が面白いですね。
日本では新潟県で子供たちに英語を教えていた
ー日本では何をしていましたか。
日本では英語教師として、2年間滞在していました。新潟県上越市内の小学校、中学校の計6箇所で英語を教えました。
新潟の子供は元気で、好奇心いっぱい
ー日本の子供たちについてどう感じましたか。
彼らはとても元気で、好奇心が強いですね。
ー日本の子供たちは英語が好きですか。
ほとんどの子供たちは英語が好き(英語を勉強しなくても)で、僕と一緒に英語で話すのを楽しんでいました。
新潟の人たちは、僕を理解しようと耳を傾けてくれた
ー日本のどこが好きですか。
日本の人たちは、とても親切。アメリカ人やオーストラリア人よりも親しみやすいと感じます。日本に行った初めの頃は、まったく日本語が話せませんでした。でも、みんなは僕が言っていることを理解しようと一生懸命耳を傾けてくれました。彼らは英語を分からないのにも関わらずです。僕が週に3回日本語のクラスで勉強して、話せるようになったのは3-6ヶ月後のことでした。
お好み焼きが大好き。冬にはやっぱり鍋!
ー好きな和食を教えてください。

お好み焼きが、一番好きです。
ー新潟特産の食べ物でお好きなものは。

(C) 公益社団法人 新潟県観光協会
冬には鍋が良いですね。そして日本海の新鮮な魚介類も大好きですよ。
新潟は美しい
ー日本で好きな場所を教えてください。

(C) Ramez氏撮影 新潟県佐渡島大野亀
もちろん、新潟県が一番。妙高山や佐渡島は素晴らしいです。僕の撮った写真を見れば、美しさが解ってもらえると思いますよ。
ー新潟の中でも、妙高山や佐渡島を選ばれた理由は。
新潟の自然に惹かれるから。

(C) Ramez氏撮影 新潟県妙高市苗名滝
僕にとっての日本語は新潟弁
ー新潟弁(方言)は理解するのに難しくなかったですか。
僕が日本で滞在したのは、新潟県だけ。僕にとっての日本語は、新潟弁なのです。逆に、他の都道府県の日本語は分からないかもしれないですね(笑)。
ー日本とオーストラリアの違いについて伺えますか。
オーストラリア人はもっとリラックスしていて、働かないかな。日本人はよく働きますね。
ー日本とアメリカの違いについて
アメリカ、特にニューヨークは日本に比べて騒々しい場所。日本は静かですね。
日本人は困った時に手を差し伸べてくれる

(C) Sara Aoyama
ー日本を訪れた前と後で印象が大幅に変わったこと
日本で実感したのは、親しみやすくて、困った時に手を差し伸べてくれる人々がいる穏やかな国だということ。彼らが懐かしく、会いたいですね。
ー日本人に伝えたいこと
また、きっと日本に戻りますよ。
インタビューを終えて
「日本のアニメが好き」「日本のコスプレが好き」「日本ってクール」などと、日本のモノや外見に惹かれる外国人は、ニューヨークにたくさんいます。
でも、筆者がRamez氏にインタビューして感じたのは、現代の日本人以上に日本の良さを理解してくれ愛してくれていること。気候も人々の気質もオーストラリアとは大きなギャップがあったと思いますが、日本の内面を見て内側から好きになってくれています。
日本史から日本に興味を持ったため、日本を理解したい気持ちも元々強かったのでしょう。生徒や人々について語る時、風光明媚な場所や食べ物について思い出す時、新潟(日本)と真摯に向き合っていた様子が感じられました。彼が撮影した風景写真(プロ並み!)からも、土地に対する畏敬や愛情が伝わってきます。Ramez氏の真面目で穏やかな気質も、日本に向いているのかもしれません。
彼の新潟弁を聞いてみたかったのですが、インタビューは英語のやりとりになったのがちょっと残念。筆者も新潟弁を勉強して、この次は新潟弁で話しかけてみようと思います。
[Photos by Sara Aoyama & Ramez Kafrouni &shutterstock.com]
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sara-aoyama ライター
はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファー同居人氏とNY在住。
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