日本発祥の意外なものをご紹介する「知られざるジャパンクオリティの世界へ。“日本発祥の意外なもの”」特集。今回は、世界中で大人気の「SUDOKU」について。
縦横9列、太線で囲まれた3×3のブロックに、1〜9までの数字をそれぞれ重ならないように入れていくゲームです。
1984年に誕生
パズル関係の出版物やパズル制作を手がける出版社ニコリ社代表の鍜治真起さんが、1984年に日本初のパズル専門誌『パズル通信ニコリ』上で発表した「数独」。
発表された当時は、1〜9までの一桁の数字を使っていくので「シングル=独身」に限る(一桁の数字だけを使う)、つまり「数字は独身に限る」と命名。これを略した「数独」が世間に広まっていきました。
コンセプトは200年以上前に存在した
後世にもさまざまな分野で名を残すレオンハルト・オイラー。ガリレオやニュートン、アインシュタインとも比較される、18世紀の偉大な数学者です。
調べてみると、高校時代に学んだ虚数単位「i」に「Σ(シグマ)」などの記号も彼に由来するもの・・・ということが分かりました。「オイラーの公式」を思い出した方もいらっしゃるかもしれませんね。
さて、そんなオイラーは、18世紀に数独の原形「ラテン方陣」(縦・横のマスに数字またはアルファベットなどのシンボルが重ならないように入れるもの)を生み出します。ちなみに英紙『Guardian』オンライン版によると、このラテン方陣誕生に際し、オイラーは「新しいタイプの魔方陣と説明した」との記載があります。
3マス×3マスの縦・横・斜めの数を揃える魔方陣は、小学校の算数でおなじみですね。
世界のSUDOKUになるまで
およそ2世紀のときを経た1970年後半に、アメリカのパズル雑誌『デルパズルマガジン』が「ナンバー・プレイス」として、オイラーが発明したラテン方陣に似たゲームを紹介します。これにヒントを得て作られたのが「数独」です。
その後、1990年代後半から2000年初頭にかけて数独のコンセプトがアメリカやイギリスに渡り、世界中で人気を博すゲームとなりました。
筆者は2008年〜2010年にかけてシンガポールで暮らしていたのですが、通勤途中のMRT(地下鉄)や、昼食時に立ち寄った屋台やカフェなどで、数独がたくさん掲載されたSUDOKUブックに熱中する人々を毎日のように見かけたものです。
数字が読み書きできれば遊ぶことができる簡単さと、紙とペンがあればすぐにできる気軽さ、そして手軽に脳トレできることなどが、世界的な人気の背景と言えるでしょう。スマホのアプリで、楽しむこともできますよね!
『【特集】知られざるジャパンクオリティの世界へ。“日本発祥の意外なもの”』では、この他にもいろいろと日本発祥の意外なものをご紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。
[nikoli.co.jp]
[theguardian.com]
[bp.shogakukan.co.jp]
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