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沖縄の聖地で2日間だけオープンしたプレミアムな野外レストランを現地ルポ

Posted by: 山口彩
掲載日: Dec 14th, 2018. 更新日: Dec 18th, 2018

旅の舞台は琉球神話の聖地である沖縄県南城市と、神の島・久高島(くだかじま)。旅のメインイベントは、毎回日本のどこかで数日だけオープンするというプレミアムな野外レストラン「ダイニングアウト」。奇しくも出発前夜は満月。何かが起こりそうな予感がします。

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久高島 久高島 (C)DINING OUT

今回の旅の個人的な目的は、“神の波動”を感じることができるかどうか。

そう言うとかなり怪しい感じがしますが、なにしろ旅の舞台は琉球神話の聖地である沖縄県南城市と、神の島・久高島(くだかじま)なのです。

旅のメインイベントは、毎回日本のどこかで数日だけオープンするというプレミアムな野外レストラン「ダイニングアウト」。その土地に眠る魅力を最大限に引き出す演出と、一流の料理人による、五感で堪能する食事イベントです。今回のイベントテーマは、「Origin いのちへの感謝と祈り」だそう。奇しくも出発前夜は満月。何かが起こりそうな予感がします。


神の島・久高島へ

久高島 フェリー
沖縄に到着すると、まずはレセプションが開催される久高島へ、フェリーで向かいます。久高島は神秘的な聖域や神事があることで知られ、天候などにより船が欠航することもあり、旅好きの間では“呼ばれた人だけが訪れることができる”と噂されています。

久高島 魔除けのお守り「サン」を模したブローチ 久高島 徳仁川拝所 徳仁川拝所

久高島に着くと、イベントスタッフから、沖縄で「サン」と呼ばれる魔除けを模した飾りを配られました。粋な計らいですね。こちらを身につけて、島の入り口にある「徳仁川拝所」で “自分はどこから、どんな目的で来たのか”を告げ、挨拶します。

沖縄現地の人に聞くと、お母さんが庭の草を結んで作った「サン」を、魔除けとしてお弁当と一緒に包んでくれたりするそうです。素敵な風習だなあと思いました。

久高島 港を臨むベンチ
いつまでも座って港を眺めていたくなる、海沿いのベンチ。このベンチの隣では、島のおじさん二人が、おしゃべりもせずただただ海を眺めておりました。筆者もだんだんと、島時間の流れに溶け込んでいくのを感じます。島に着いてから、不思議なほど気持ちが沈静化していきました。

久高島 集落
島内はとても静かで、人の気配はほとんどありません。たまに猫と遭遇するくらい。

小さい島のあちこちに聖地がある“神の島”

久高島 ウッチ小 ウッチ小

久高島の歴史や名所についてガイドを受けながら、素朴な雰囲気の島を散策。島のあちこちに聖地があり、“祈り”は島の人々の生活に溶け込んでいることを感じます。中には、島で生まれた女性しか入ることができない聖域も。途中、外間殿(フカマ)やウッチ小といった聖地で、木々をざわめかせる風に、何かしら意思があるように感じたのですが・・・気のせいかもしれません。

久高島 カベール岬
カベール岬(ハビャーン)では、飲み物とフィンガーフードがふるまわれました。カベール岬は、琉球の祖神・アマミキヨが降り立ったという伝説が残る神聖な場所。

久高島 ハビャーン(カベール岬) 洋子さん
ここで行われる大漁祈願の神事について教えてくれたのは、久高島に住む洋子さん。洋子さんは、久高島で12年に一度行われる祭祀「イザイホー」の最後の経験者だそう。

久高島で生まれ育った女性は,30歳を過ぎると70歳になるまで、島の神々の祭祀に携わる“神女”として生きるのだそう。イザイホーは、新たに30歳以上になった女性を“神女”とするお祭り。詳しいことは明かされていない、秘儀です。しかし、祭祀の条件がそろわないことから、1978年を最後にとり行われていないのだそうです。

「このままイザイホーが行われないと、どうなるのですか?」と問うと、「なるようになりますよ」と洋子さんは笑いました。

久高島 (C)DINING OUT

そろそろダイニング会場へ向かう時間です。港でフェリーを待ちながらふと足元を見るとサンゴが!

久高島 港のサンゴ
こんなところにもサンゴが生息しているのは、海が美しい証拠。いつかまた暖かい季節に再訪して、この海の美しさを堪能したいと思います。

久高島 フェリー 夕日
フェリーから眺める夕日は驚くほどドラマチック。こんなところにも、神秘を感じてしまう。

安座真港で出迎えてくれるレクサス
そして港で待っていたのは、今回のイベントサポーターのレクサス。しかも運転手付き。夕暮れの中、ランプを点けたレクサスがずらりと並んで出迎えてくれる光景は、壮観! こちらに乗り込み、会場へ向かいます。

こうしてダイニングアウトは唯一無二の場になっていく

ダイニングアウト 琉球南城 会場入り口 (C)DINING OUT

ダイニングアウト 琉球南城 知念城跡
今回のダイニングアウトの会場は、知念城跡。ほら貝の音色で出迎えられ、幻想的にライトアップされた席へと誘われます。

ダイニングアウト 琉球南城 知念城跡の風景 (C)DINING OUT

見てください、この素晴らしいロケーション。これぞ、一夜の夢にふさわしい情景。

ダイニングアウト 琉球南城 メニュー (C)DINING OUT

メニューを見てさらに期待が高まります。ダイニングアウトでは、一品一品にアルコールやドリンクがペアリングされるので、お酒好きな筆者にとってはそれもまた大きな楽しみ。


しかしここで、まさかの雨。降ったり止んだり、二度ほど激しい雨が通り過ぎました。スタッフの方々はブランケットや傘を配ったり、テーブルを拭いたり、迅速に対応しています。このとき配られた黒い傘のスタイリッシュさに一目惚れ。思わず欲しくなったのですが、なんと1本3万円以上するレクサスコレクションの傘でした。

それにしても、突然の雨に降られても、怒ったり、テンションが下がったりしているお客さんはいません。むしろこの状況を楽しんでいる?

今回のダイニングアウトは1泊2食で16万円以上もするプレミアムなツアー。一体どんな人が来て、どんな場になるのだろう、と興味津々でしたが、唯一無二の場は、こうした文脈で造られていくのかと、感慨深い心持ちになりました。そして自分もその文脈に参加したくなるのです。

口の中をヤギが駆け抜けていく・・・驚きの皿と杯の数々

ヒージャーのロワイヤル (C)DINING OUT

お料理は本当に「何を食べてもおいしい」と思える素晴らしさで、お酒とのペアリングも最高でした。その中でも特に印象的だったのは、「ヒージャーのロワイヤル」。ヤギのコンソメを卵豆腐のように仕立てたお料理なのですが、見た目の繊細さとは裏腹に、これが信じられない力強さ。

一口いただくたび、口の中をヤギが駆け抜けていくような感じ。食べ終えてから数皿たっても、ふとした瞬間気づくと顔の横をヤギが駆け抜けていき、遠くからこちらを振り返るのです・・・。

別のテーブルで食事をしていた人が、ウエイターさんに「ヤギに追いかけられましたか?」と聞かれたそうです。そういう表現が同時多発的に生まれ、共通言語として通じてしまうということ。それが、ダイニングアウトという場なのでしょう。

さらに、ダイニングアウトは一流の料理人を招くだけでなく、地元のホテルや企業で働く人々も集めて、1つのチームを作るのです。技術やセンスを伝え、共に体験を作り上げ、その土地の横のつながりを生み出す。それはきっと、参加するすべての人々にとって、唯一無二の場になるのでしょう。

“ぬちぐすい” (C)DINING OUT

島野菜などがふんだんに盛られた“ぬちぐすい”は、目にも体にもうれしい一皿。“ぬちぐすい”とは沖縄の言葉で、命の薬とか、薬になるくらいおいしいという表現で使われるそう。新鮮な食材をいただくと、「生命力を分けてもらっている」実感が湧き、自然と感謝の気持ちが芽生えます。

黒金豚の伊勢志摩備長炭焼き 蜂蜜風味のガストリックソースで
(C)DINING OUT

純血種のアグー豚「黒金豚」と赤ワインのペアリングも最高でした。肉は少量なのに、満足度大。脂の黄金律を知り尽くしているような皿を供されると、己の本能を見透かされたようで「参りました」と言いたくなります。

“いのちへの感謝と祈り”


気づけば雨はすっかりあがり、空に月がのぼっていました。夜風に吹かれて食事の余韻にひたっていると、今日一日の出来事が反芻されます。

祈る、ということ。

命をいただく、ということ。

すべてを受け入れ楽しめる視点を持つ、ということ。

命はめぐり、自分は自然とつながっている、ということを強く感じた一日。

もしかしたらそれこそが、“神の波動を感じる”ということなのかもしれないと思うのでした。


この日出会ったすべてに感謝を込めて。これからも人生に、旅心を。


[Photos by DINING OUT & Aya Yamaguchi]
Do not use images without permission.

山口彩

Aya Yamaguchi 編集長
インターネットプロバイダ、旅行会社、編集プロダクションなどを経てフリーに。TABIZINE寄稿者から二代目編集長へ。可愛いものとおいしいものとへんなものが好き。いつか宇宙に行きたい。


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