地中海に浮かぶ島国「マルタ」から「シチリア島」へは、大型のフェリーで行くことができます。そのため、マルタのツアー会社には、必ずと言っていいほどシチリア島の日帰りツアーがあります。
シチリア島は大好きな映画の舞台になった島でもあり、出発前からワクワクが止まりませんでした。今回は、シチリア島の日帰りツアーのルポをお届けします。
大型フェリーの施設が充実していてビックリ!
4時に起床して、ツアーの迎えの車に乗り込み、6時半にマルタ・ヴァレッタ発のこちらの大型フェリーに乗り込みました。冬なのでまだ辺りは真っ暗です。
フェリーの中にはパンやスナックが買える売店やお土産屋、カジノまであってビックリ! 客席の先頭部分には景色を見渡せる広い席がいくつかあり、テーブルに置かれたマルタの新聞を自由に読むこともできます。
フェリーのチケットには、カジノの50ユーロ分のチケットがついています。早朝で眠いのもあり、カジノはしませんでしたが、気楽に遊べて良いですよね。
筆者は売店でチョコレートクロワッサンとカフェラテをオーダー。店員さんがチョコのおまけをつけてくれました。
フェリーに乗ること約1時間45分でシチリア島のポッツァーロ港に到着。簡単な入国審査を受け、すんなりとイタリアに入国できました。ここからは観光バスに乗り込みます。
素朴で美しい、エトナ山の麓の町「ニコロージ」
バスに揺られること約3時間でエトナ山の麓の町「ニコロージ」に到着。ここでしばしトイレ休憩と町散策です。
ニコロージの町にある教会。
この町には数軒のカフェとお土産屋がありました。ツアー客たちはカフェで寛いだり、町を散策したりと思い思いに過ごしている様子。
聖書の物語の一部を表現したものなのでしょうか? 詳しいことはわかりませんが、修復師が色を塗り直していました。
この町の周辺地図のようですが、残念ながらこの時は自分がどこにいるのかさえ、よくわからず・・・。
ロープウェイに乗らなくても楽しめる、イタリアの世界遺産「エトナ山」
次に向かったのはイタリアの活火山「エトナ山」。途中でエトナ山が噴火した際、埋もれてしまった家がバスの車窓から見えました。ガイドさんによると、エトナ山の溶岩流は動きがゆっくりなため、家が溶岩流に飲み込まれる前にこの家の住人は逃げることができたそうです。
バスはグングンと山道を登っていき、やっとエトナ山のロープウェイ乗り場に到着。しかし、ここでガイドさんから残念なお知らせが。山の上の天候が悪く、ロープウェイが動いていないとのこと。仕方なく、レストランで食事をして時間を潰すことにしました。
レストランでピッツアとシチリア名物「ブラッドオレンジジュース」をいただきました。ピッツアは普通でしたが、オレンジジュースは絶品。お土産に買いたいくらい甘くてフレッシュで美味しかったです。
食事を終え、外に出て、駐車場に向かったところ、雲海が広がっていました。思いもよらぬサプライズに感動。エトナ山の火口は見ることができませんでしたが、自然の雄大さを感じる瞬間でした。
静寂の中に温もりを感じる、世界遺産の町「モディカ」
エトナ山を後にして、最後に向かったのは世界遺産の町「モディカ」です。モディカはシチリア島の東南部に位置する、渓谷沿いにつくられたバロック様式の町。この独特の景観に一瞬で魅せられました。
さっそく町散策を開始。まず訪れたのは「サン・ピエトロ教会」。いかにもバロック様式といった佇まいです。階段には12使徒の銅像があります。
教会の階段をのぼり、後ろを振り返ると、こんな景色が広がっていました。思わず息を呑む美しさです。
教会の中に入ると、聖書の物語を描いた絵がいくつも飾られていました。素朴な教会ですが、心を震わせる何かがあり、それはもしかしたら、この土地に住む人たちの信仰心の厚さなのかもしれません。
モディカの路地裏は迷路のようになっていて、油断していると迷子になりそうでした。本当にここに人が住んでいるのかと疑うほど、ひっそりとしているのも印象的。しかし、不思議と怖くはなく、街頭の灯りに温もりを感じます。
シチリアで生まれ育ったガイドさんに「モディカの路地裏は危険ですか?」と聞いたところ「いやこの町は安全ですよ」と言っていたので、シチリア島の中でも比較的治安が良い町なのかもしれません。
この蒸気機関車型の乗り物に乗って町を散策することもできます。
また、モディカはチョコレートの町としても有名ですが、そちらについては別の記事で詳しくご紹介しますね。
羊の群れに遭遇できるかも!?シチリア島ならではの景色
シチリア島が舞台になった映画はたくさんありますが、中でも「ニュー・シネマ・パラダイス」「グラン・ブルー」「ゴッド・ファーザー」が有名ですよね。今回のツアーでは、これらの映画のロケ地には行けませんでしたが「ゴッド・ファーザー」でアルパチーノが仲間たちとシチリアの自然の中を歩いているシーンと似たような景色を眺めることができました。
また、一瞬のことで撮影はできませんでしたが、羊の群れも目撃。ガイドさん曰く、タイミングが良いと羊の群れに遭遇できるそうです。
マルタへ向かうフェリー
シチリア島は想像以上に広く、とても日帰りのツアーではまわりきれませんでした。気になる観光地をすべて巡るだけでも、最低でも1週間は滞在する必要がありそうです。しかし、交通の便が良いとは言えないシチリア島を観光バスに乗って日帰りでパパッと観光したい人には最適なツアーだと思います。
[All photos by あやみ]