プロヴァンス地方のラベンダースポットとして人気のセナンク修道院。南仏の都市アヴィニョン(Avignon)から東へ50km、深い谷間にひっそりと佇む歴史ある修道院です。
礼拝所や中庭、会議室など、奥の奥まで案内してくれるガイドツアーの他、この歴史的な建物に泊まれる宿泊サービスもあるそうです。近くには、「フランスで一番美しい村」の一つ、ゴルド(Gordes)という名の可愛らしい村もあって、セナンク修道院への交通の起点ともなっています。
修道士が生活する空間は、落ち着きが漂う場所
今から約900年前、1148年に設立された歴史あるセナンク修道院。ここでは修道士が実際に生活を送り、農作業などの仕事をしながら一日に7回教会に集まって祈りを捧げています。観光客がここに入る場合は、ここで生活する修道士たちの生活や祈りの妨げにならないよう、所定の時間だけ入場が可能になります。
900年もの歴史や建築美に興味津々
セナンク修道院の歴史をここで少しだけ。1148年に設立された修道院が、黄金時代を迎えたのは13世紀から14世紀にかけてでした。徐々に影響力を高めていきましたが、15世紀になると次第にその力は衰退していきます。1544年に始まった宗教戦争中に建物は攻撃を受け、回廊や噴水、建物の一部が破壊されてしまいました。1781年にはセナンク修道院の最後の修道士が亡くなり、フランス革命の時代1792年にとうとう国有財産として売却されます。その後、幾度となく国との間で売却が繰り返され、1969年にはカンヌ沖にあるレランス諸島の母院にその機能が移りました。
その後、レランスの修道院長によりセナンク修道院の建物の復元が行われ、20年後の1988年10月4日、改めて修道士のコミュニティーが帰ってきました。
さまざまな歴史背景に影響を受けてきたセナンク修道院。その歴史を感じながら回廊を歩いてみると、静寂で落ち着いた空気がさらに身に染みてくるようです。
ロマネスク様式の素朴な建築美
奥行1km、幅300mの谷間に建つこの修道院の建築は、修道院建築でよく見られるロマネスク様式。最小限の装飾で質素な造り、壁画を描かず彫刻をしない壁の石組みがブルゴーニュ地方独特の形態だと言われています。1921年、この修道院は国から歴史的建造物に分類されました。
渓谷風景が美しいゴルド村
セナンク修道院近くにある「鷹の巣村」ゴルド。遠方からその村を眺めてみると、崖の斜面に沿って並んでいる様子がはっきり分かります。村には、お土産屋さんや食材屋さん等が並び、南仏の風を感じながらのんびりと過ごすのにぴったりの場所。気持ちの良い景色を眺めながら食事ができるレストランも魅力的です。
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minacono ライター
日本とカナダで観光業界に勤務。旅行会社、現地ツアーオペレーター、航空会社、観光局、いろんな分野で旅と関わってきました。現在はフランス在住。美味しい食べ物とお酒がうまく出会った時すぐ感動する。犬好き。でも猫みたいな性格に憧れる。
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