ベトナム最大の都市・ホーチミンは、屋台から高級レストランまで、ありとあらゆる美食スポットの宝庫。近年人気を集めているニュータイプのレストランが、おしゃれな田舎風レストランです。
立地良し、雰囲気良し、コスパ良しで、素材のうまみを生かした味つけも絶妙。アジア料理好きの筆者が、「毎食ここでいいかも」とうなったレストラン「マウンテンリトリート」をご紹介します。
古アパートに潜む隠れ家レストラン
ホーチミン1区にある隠れ家レストラン、マウンテンリトリート。外国人旅行者はもちろんのこと、高所得者を中心に地元の人々にも支持されている人気店です。
店名の「マウンテンリトリート」は「山へ還る」という意味で、「都会の喧騒から離れ、のんびりできる場所でありたい」という願いが込められているといいます。
お店があるのは、レロイ通りに面した古アパートの最上階。看板も目立たないので、到着してみると「本当にこんなところにレストランがあるのだろうか」と不安になるほどですが、小さな木の看板がある建物の中に入り、ひたすら階段をのぼります。
5階まで階段をのぼりきったら、そこは山岳民族の家を再現した別世界。「ここにレストランがある」と知らなければ、絶対にたどり着けないロケーションです。
山岳民族の家を再現した内装
マウンテンリトリートの内装は、山のふもとで暮らす少数民族の家を再現しているところに特徴があります。
泥で塗り固めた壁に、素朴な木のテーブルや丸太のイスが並ぶ空間は、まさに都会のオアシス。ホーチミンの中心部にいながらにして、田舎に帰ってきたかのようなほっとする心地良さがあります。
店内席に加え、ルーフトップやテラス席もあり、テラスからは近年建てられた高層ビル群が見渡せます。マウンテンリトリートの素朴なインテリアと、都会の風景とのギャップがまた斬新ですね。
料理はすべて昔ながらの陶器で提供され、田舎のおばあちゃんの家に遊びに来たような気分に。
知らなかったベトナム料理との出会い
マウンテンリトリートでは、オーソドックスなベトナムの名物料理から、日本人が知らない素朴なベトナムの家庭料理、屋台料理にいたるまで、オーナーが厳選した多彩な料理がラインナップされています。
メニューが写真つきで、どのようなものか見た目でわかりやすいのも旅行者には嬉しい配慮。定番のベトナム料理を食すのもいいですが、日本のベトナム料理店ではなかなか出会えないような、珍しい料理にトライしてみませんか。
マウンテンリトリートの味つけは、全体的にマイルド。辛いタレなどは別添えで提供され、食べる人の好みに応じて加えるスタイルなので、クセや辛さは少なく、誰にでも食べやすいように仕上がっています。
「毎食ここでもいいかも」と思った美食
筆者のおすすめは、サクサクの揚げ春巻きと、トマトの肉詰め。この揚げ春巻きは外がサクッと軽く、揚げ物特有の甘さがないのに、中にはジューシーな具材のうまみがたっぷり。
ベトナム料理といえば生春巻きが有名ですが、実は現地でより頻繁に食べられているのは揚げ春巻きなのです。中国風の揚げ春巻きとはまったく違うおいしさがあるので、ぜひ一度ご賞味を。
トマトの肉詰めは、その名の通り丸ごとトマトに豚ひき肉を詰めた料理ですが、面白いのがお肉のあんにきくらげが混ざっていること。甘酸っぱくとろけるようなトマトと、ジュージーなひき肉、こりこりとした食感のきくらげのコンビネーションは完璧で、これを食べたときには「毎食ここでもいいかも」と思ったほどです。
素材そのものの味を大切にした優しい味つけでありながら、スパイシーなこしょうの風味をアクセントにした味つけは絶妙で、一度食べるとハマる味。きのこ炒めや空心菜炒めなど、シンブルな野菜料理もおすすめです。
さっぱりとしたマイルドな味つけをベースにしながらも、適度にアクセントのきいたバランスのとれた料理の数々が、マウンテンリトリートが支持される理由なのでしょう。
料理は一品300円程度からと、ホーチミン中心部のおしゃれなレストランとしては値段も手ごろなのが嬉しいところ。夜景が見渡せる夜のルーフトップやテラスはムード満点で、デートにもぴったりです。
人気店につき、ディナータイプのルーフトップを狙うなら、事前に予約してお出かけください。
[All photos by Haruna]
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Haruna ライター
和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。
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