
海外旅行客が魅力を再認識し、憧れの旅行先として訪れる日本。ニューヨークタイムズが「2019年行くべき52カ所の旅行先(52 places to go in 2019 New York Times)」として第7位に選んだのは、「瀬戸内の島々」でした。52カ所の旅行先で、日本唯一のランクインという快挙。
「瀬戸内の島々」を代表する顔として、香川県三豊市の「紫雲出山(しうでやま)の夕暮れ」の桜の写真が選ばれました。TABIZINEでは過去に三豊市観光交流局のご協力を頂いて、日本のウユニ湖と呼ばれる「父母ヶ浜」、真夏の2日間だけ渡れる「しあわせ橋」を記事にしていますので、今回タイムズ紙に三豊市の写真が選ばれたのは大変嬉しいニュースでした。
そこで、今回タイムズ紙掲載に至った経緯、地元の反応、今後増加するであろう海外旅行客の対応、ウェブ上で知られていない魅力を三豊市観光交流局のご担当者にお伺いしました。
ニューヨークタイムズ掲載に至った経緯

ー「紫雲出山の夕暮れ」ニューヨークタイムズに掲載された写真ー
ー世界の有力紙ニューヨークタイムズ掲載おめでとうございます。
ありがとうございます。せとうちDMOが、主要ターゲットとしている英・独・米・仏・豪の欧米など5市場において、現地メディアや旅行会社への戦略的なマーケティング活動を行っていることから、今回のニューヨークタイムズの掲載に繋がりました。
ーせとうちDMOについて、分かりやすく説明していただけますか。
「せとうちDMO」とは、瀬戸内を囲む7県(兵庫県・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県)が合同して、瀬戸内全体の観光ブランド化を推進する組織です。瀬戸内の魅力を国内外に向けて発信し、来訪者(交流人口)の増加を目指しています。
せとうちDMO
瀬戸内を囲む7県(兵庫県・岡山県・広島県・山口県・徳島県・香川県・愛媛県)が合同して瀬戸内全体の観光ブランド化を推進。DMO(Destination Management/Marketing Organization)とは、観光地(Destination)を活性化させて地域全体を一体的にマネジメントしていく組織。
Website: http://setouchitourism.or.jp/
ー三豊市の「紫雲出山の桜」がタイムズ紙掲載に至った経緯を教えてください。
●2018年12月18日せとうちDMOより当局に、アメリカ大手メディアの瀬戸内エリアの掲載の可能性があるので、紫雲出山の桜の写真を所有してないか問い合わせが有りました。
●2019年年明け早々(1月4日)に、ニューヨークタイムズへ写真提供。
●1月10日に午前2時頃(日本時間)にせとうちDMOより連絡があり、瀬戸内の島々がトップ10に入ったとの喜びの電子版リンクが送られてきました。
ー三豊市の「紫雲出山の桜」が選ばれたのは。
「行くべきデスティネーション2019」選考時に、紫雲出山の桜の写真が選考委員の目に止まり、瀬戸内海の美しさを表す素晴らしい写真であると評価を得たと聞いています。
欧米の一流メディアに取り上げられた地元の反応

ーニューヨークタイムズ掲載をはじめ、“SETOUCHI”エリアが、欧米の有力旅行雑誌6誌(英国「NATIONAL GEOGRAPHIC TRAVELLER」、米国「Fodor’s Travel」 、「Architectural Digest」、「Conde Nast Traveler」、「Luxury Travel Magazine」、「Travel and Leisure」)が「2019年行くべきデスティネーション(旅行目的地)」として 、イチオシで“SETOUCHI(瀬戸内)”を選んでいます。欧米の一流メディアに取り上げられ、地元の反応はいかがでしょうか。
三豊市地元の反応としては、現在は下記のような声が聞かれました。
●地元民としても大変喜ばしく、誇らしく思う。瀬戸内は素晴らしい地域だ。
●自分の子供たちが植樹した桜があるので、愛されてうれしい。
●三豊市の最大の強みは「自然」。自分達の町が、世界に誇れる自然を持つ町と認識した。
●市長も非常に喜んでおり、「紫雲出山の桜」の写真を撮影したカメラマンへ三豊市の知名度や観光振興に貢献したとして感謝状が贈られました。
今後さらに増えるであろう海外旅行客の対応
ー欧米有力旅行雑誌に載り、三豊市に海外旅行客が増加すると予想されますが、対応についてはいかがですか。
●元々三豊市は旧町時代から国際交流活動が盛んに行われていたので、語学の話せるボランティア登録者が多いことから、観光ガイドの育成も積極的に行っていく予定です。宿泊施設に多言語対応表記も増えていますが、さらなる多言語対応を強化する必要を感じます。
●ただ、言語対応等は必要ですが、ありのまま・自然体がいいのではないかとも思っています。旅の形態もさまざまであり、言語が不十分でも相手に伝えようとのおもいで、人のコミュニケーションができることもあるかもしれません。
世界が行きたい場所として選ばれたことに対する、アピールポイント

ー世界が行きたい「瀬戸内の島々」として、三豊市のアピールポイントを教えてください。
紫雲出山の山頂からは、右手に瀬戸内海の多島美を楽しめ、左手に50kmに渡り広がる瀬戸内海で一番広いダイナミックな燧灘を楽しめる瀬戸内海唯一無比の絶景スポット。眼下に望む粟島はかって北前船が寄港する貿易港であり、明治30年に作られた日本初の海員学校の卒業生は世界中を航海し、島には英語をしゃべる老人が多数おります。島には手作りのアート作品が点在し、素朴な港町の風景が広がります。
お隣の志々島には樹齢1,200年の大楠があり、神秘的な島として人気。瀬戸内海には島毎に異なる歴史や魅力があり、網の目のように張り巡らされた航路をたどる瀨戸の船旅もお奨めです。
故郷に帰ってきたように、おじいちゃんやおばあちゃんがあなたを迎えてくれます。三豊市の元気なお年寄りから、ぜひお話を聞いてみてください。パワーを貰うこと間違いなしです。
まだ知られていない(ウェブ上に載っていない)三豊市の魅力

ー現代は何でもインターネットで情報を得られますが、まだ知られていない(流出していない)三豊市の魅力があれば教えてください。
三豊市には、里山エリアから島々までまだ知られていないたくさんの絶景スポットがあります。あなたの心に瀬戸内海の風が吹き抜ける景色に出会いに、ぜひ足を運んでください。
世界にアピールする瀬戸内の島々
気候が温暖で晴れの日が多い瀬戸内は、日程が限られた海外旅行客にさらに人気が出そうです。日本の豊かな自然に浸れ、瀬戸内海の美味を堪能でき、海に囲まれた日本の真髄がある旅行先。長寿国である日本で、お年寄りが元気に旅人を歓待してくれるのは、「元気なお年寄りの日本」をイメージ付けられ嬉しい限り。
2019年早々「行くべき世界の旅行先」として、世界が日本の魅力を認めてくれたのは喜ばしいですね。世界のメディアが認めた「紫雲出山の桜」を、今春あなたの目で確かめたいと思いませんか。
写真提供および記事協力:三豊市観光交流局
2019年行くべき52カ所の旅行先 ニューヨークタイムズ(52 places to go in 2019 New York Times)

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sara-aoyama ライター
はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。
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