新年度を迎え、転職や進学、会社で異動があった人もいるでしょう。気温が上昇し、外出が楽しい季節ですが、新しい立場や環境に身を置き、少し落ち着かない時期でもありますよね。そんなときは、自分を見つめ直せるプチ旅に出るのがおすすめ。気軽にプチ旅を実現できるのが港区の「港七福神めぐり」です。満開になった桜やそびえ立つ東京タワー、東京ミッドタウンを眺めながら歩けるので、気分をリフレッシュできます。
十番稲荷神社(宝船)
「港七福神めぐり」の参拝ルートに決まりはありません。好きな神社やお寺、街から順番に歩くのことができます。筆者が最初に訪れたのは、麻布十番駅からほど近い場所にある「十番稲荷神社」。すでに桜は7部咲きの状態になっていました。
この神社は七福神めぐりではめずらしい宝船の巡拝所です。境内には宝船の石像や火災から屋敷を守ったとされる「かえる」にちなんだ石像も! かえるの石像は神社に向かって右手、宝船の像は向かって左手に鎮座しています。
大法寺(大黒天)
次に向かったのは、大黒天が祀られている「大法寺」。十番稲荷神社から徒歩で約7分の場所にあります。「港七福神めぐり」をするまで、このお寺の存在は知らなかったのですが、非常に居心地の良い境内で、都心にあるとは思えないほど静かで落ち着いていました。
開山は1597年で、こちらに祀られている大黒天像は伝教大師作「三神具足大黒尊天」だそうです。
住所:東京都港区元麻布1-1-10
電話番号:03-3451-6039
麻布氷川神社(毘沙門天)
元麻布の閑静な住宅街の中に「麻布氷川神社」はあります。大法寺からは徒歩5分程度の場所です。入り口には「毘沙門天」と書かれた看板がありました。この神社の御祭神は、素盞嗚尊(すさのおのみこと)と日本武尊(やまとたけるのみこと)で、勝運・商売繁盛・厄除け・開運などのご利益があるそうです。
平日の昼間ということもあり、境内には誰もおらずゆっくりと参拝できました。全国的には1月1日から7日までの間が御開帳の期間となっている七福神めぐりですが、時期をズラして暖かい春に個人的に参拝するのも良いものですね。(港七福神めぐりの今年のご開帳期間は1月1日(火)~14日(月)でした)
櫻田神社(壽老神)
麻布氷川神社から歩くこと15分くらいで六本木ヒルズ近くにある「櫻田神社」に到着。壽老神は境内にある福壽稲荷社に祀られています。
壽老神の姿を目にすることは叶いませんでしたが、ここにきて同じく「港七福神めぐり」をしていると思われる老夫婦に遭遇。筆者とは逆のルートで七福神めぐりをされているようでしたが、仲睦まじいご夫婦の姿を見かけて、心が温まりました。こういった微笑ましいささやかな出会いをもたらしてくれるのも街歩きの魅力ですよね。
天祖神社(福禄寿)
続いて、東京ミッドタウンからすぐの場所にある「天祖神社」へ。こちらには満福稲荷神社があり、福禄寿が祀られています。福禄寿は道しるべの神様とされていて、人の生きる道を示してくれるそうです。また、海外旅行や留学の安全を守ってくれる神様でもあるとか。満福稲荷神社は社殿への石段を上った右手にあります。
旅行や海外に行くことが多い人は、一度参拝しておくといいかもしれませんね。境内はよく整備されていて、とても綺麗で都会的な神社です。
久國神社(布袋尊)
「赤坂氷川神社」の近くにあるのが、「久國神社」です。鳥居を越えて、左手は公園になっていて広々としていました。昼食をとるサラリーマンの姿や遊んでいる子どもの姿も。
一方、右手にある社殿は厳かな雰囲気。社殿の「久國神社」と言う文字は勝海舟によって書かれたそうです。高層ビルが見える都会のど真ん中にある神社ですが、不思議と心がホッと落ち着くのを感じました。祀られている布袋尊は、子宝に恵まれる、スケールの大きな人になれると言われているそう。
天祖神社から久國神社までは徒歩15分程度です。
熊野神社(恵比寿)
久國神社から六本木一丁目駅を越えてグングン歩き、飯倉片町交差点を左に折れ、飯倉の交差点を右手に曲がってしばらく歩くと「熊野神社」があります。いや〜少し遠かった。港七福神めぐりで一番、移動距離があったと思います。(久國神社から徒歩17分ほど)
この神社には、右手に釣竿、左手に鯛を抱えた恵比寿様が祀られています。航海安全や商売繁盛のご利益があるとされている恵比寿様。しっかりと手を合わせて参拝しておきたいですね。
神社前の大通りからは東京のランドマーク、東京タワーが見えます。
住所:東京都港区麻布台2-2-14
電話番号:03-3589-6008
宝珠院(弁財天)
最後に東京タワーの横を通り過ぎて、増上寺の入り口にある「宝珠院」へと向かいました。しかし、改装中でプレハブの本殿だったのがやや残念。こちらには弁財天や港区指定文化財の閻魔大王の像が鎮座しています。
弁財天はインドの古代神話に登場するインダス川の神様です。川や池など水辺に祀られいるのはそのような理由があるからなんですね。水の流れは、音楽やよどみのない会話と結びつき、芸能の神様とも言われています。
また、このお寺の境内にはヘビ・カエル・ナメクジの石像が鎮座しています。これは「ヘビがカエルを食べる・カエルがナメクジを食べる・ナメクジがヘビを溶かす」という「三すくみ」を意味しているそうです。物事が動かなくなる、転じて、平和を願う気持ちを表現しているとか。それぞれの石像は境内に点在しているので、ぜひ探してみてくださいね。
今回、港七福神めぐりにかかった時間は3時間半ほど。途中、東京ミッドタウンでランチを食べたり、東京タワーでアイスを食べましたが(食べてばかり 笑)、良い運動になりました。モヤモヤしていたり、新しい環境に疲れ気味だったら、休日に港七福神めぐりをしてみるのもいいでしょう。長めの散歩ができて、ストレス解消にもつながりますよ。
[All photos by あやみ]
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