ラインの真珠リューデスハイム
リューデスハイムは、ドイツ中西部のライン川沿いに位置する町。小さいながらも、ブドウ畑に囲まれた歴史ある街並みは、「ラインの真珠」の異名をとるほどの美しさを誇ります。
ドイツ有数のワイン産地でもあり、町には名産のラインガウワインを出すワイン酒場や、ワインショップがいっぱい。昼間からワイングラスを傾ける旅行者の姿が、そこかしこで見られます。
ライン川クルーズの起点としても有名で、古城が集中するリューデスハイム~ザンクト・ゴアール間は、特に人気の高い区間。フランクフルトから鉄道で70分程度とアクセスも良く、ライン川観光の起点にぴったりの町です。
リューデスハイムの代名詞「つぐみ横丁」
リューデスハイムの代名詞的存在が、世界的にも有名な路地「つぐみ横丁(Drosseogasse)」。その印象的な名前は、通りに面した建物の屋根の上に設けられた、つぐみ鳥の飾りに由来します。
全長わずか150mほどの小さな路地ですが、通りの両側にはワイン酒場が連なり、昼夜問わず賑やか。レストランではライブ演奏が行われることも多く、「世界で一番陽気な小路」と称されるほどです。
趣向を凝らしたレトロな看板が連なる通りは、ノスタルジックな雰囲気満点。小さな路地ながらフォトスポットが満載で、シャッターが止まらなくなります。
ブレムザー館(ジークフリート・メカニカル楽器博物館)
リューデスハイムで最も目を引く木組みの建物が、16世紀建造のブレムザー館。現在は、自動演奏楽器のコレクションを展示する博物館として使用されており、コレクションの数は350に上ります。
館内はガイドツアーで見学でき、人形で飾られた巨大なオルゴールのような楽器や、世界的にも珍しい6つのバイオリンが組み込まれた楽器など、滅多に見られない自動演奏楽器の数々は、音楽好きならずとも必見。実際に演奏される様子を見せてもらえるので、楽しさもひとしおです。
ゴンドラリフトからの絶景
リューデスハイムを訪れるなら、見逃してはいけないのが、ゴンドラリフトからの絶景。リューデスハイムの町の北側に、ニーダーヴァルド行きゴンドラリフトの乗り場があり、ゴンドラの上からは、ブドウ畑とライン川に囲まれたリューデスハイムの美しい風景が堪能できます。
乗り場ではワインを注文することもでき、名産のワインを楽しみながらの空中散歩も可能。息を呑むような風景に珠玉のワイン・・・これぞ至福のひとときです。
ニーダーヴァルト記念碑
ゴンドラリフトが到着するニーダーヴァルドには、巨大なゲルマニア像が立つ展望台が待っています。この像は、ドイツの歴史上重要な意味のあるもの。1871年のドイツ帝国の発足を記念して、1883年に造られたもので、ゲルマニアの女神はドイツ民族を象徴しています。
この像が、なぜここにあるのでしょう。それは、リューデスハイムが地理的にドイツの中心に近いため、さらに、この場所が当時すでに景色を楽しむテーマパークのような存在であったためなのだそうです。
名物「リューデスハイマ―・カフェ」
リューデスハイムの名物といえば白ワインですが、ユニークな「リューデスハイマ―・カフェ」も一度は体験してみたいもの。
専用のカップに地元産のブランデー「アスバッハ」を注ぎ、角砂糖を入れてフランベ。コーヒーを注ぎ、生クリームをたっぷり盛れば、リューデスハイマ―・カフェの出来上がりです。
気になるお味ですが、かなりアルコール分が強い大人のコーヒーといった印象。砂糖が入っているので、ほんのり甘みもあり、目の前で作ってくれるパフォーマンスとあわせて楽しめます。「Eis Cafe Engel」をはじめ、リューデスハイムのカフェやレストランでお試しを。
ホテル&レストラン「リューデスハイマ―・シュロス」
つぐみ横丁に位置する「リューデスハイマ―・シュロス」は、名物的存在のホテル&レストラン。ホテルよりも先に、ワインレストランとしてオープンしているだけに、ワインの種類が豊富で、希少なヴィンテージワインを飲むこともできます。
リューデスハイム周辺で製造されるラインガウワインは、白ワインが中心で、中でもリースリングが有名。フルーティーで透明感のあるラインガウリースリングは、ワインが得意ではない人も、一度は試してみてほしい美味しさです。
リューデスハイマ―・シュロスのレストランでは、夜になるとバンドの生演奏が披露されます。音楽に合わせて踊り出すお客さんも続出し、「世界で一番陽気な小路」の本領発揮。
鉄道駅とライン川クルーズ乗り場、どちらからも近いつぐみ横丁にあるリューデスハイマ―・シュロスは、ホテルとしても絶好の立地。歴史のある建物ですが、客室内部はモダンに改装されていて、快適に過ごせます。
なんと朝食には、スパークリングワインが登場。さすがは、ワインの町リューデスハイムですね。
小さな町だけに、日帰りでも十分楽しめるリューデスハイムですが、この町の特別感を肌で感じるなら、宿泊がベスト。時間とともに姿を変える町の、さまざまな表情を見つけてみませんか。
取材協力:ドイツ観光局
[All photos by Haruna]
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Haruna ライター
和歌山出身、上智大学外国語学部英語学科卒。2度の会社員経験を経て、現在はフリーランスのライター・コラムニスト・広報として活動中。旅をこよなく愛し、アジア・ヨーロッパを中心に渡航歴は約60ヵ国。特に「旧市街」や「歴史地区」とよばれる古い街並みに目がない。半年間のアジア横断旅行と2年半のドイツ在住経験あり。現在はドイツ人夫とともに瀬戸内の島在住。
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