画像提供:シンガポール政府観光局
シンガポールのグルメは日本でも人気上昇中だと言われています。そんな中、シンガポール観光大使でもある斎藤工さんが、シンガポールの食について熱く語る、『シンガポール・フーディーズ』イベントに出かけました。斎藤さんおすすめのシンガポールグルメ4品とそれぞれのおすすめのお店情報、それに成城石井で気軽に楽しめるシンガポールグルメに、自宅で作れる『カヤトースト』までご紹介します。
シンガポールのマルチ・エスニックが生む絶品グルメ
画像提供:シンガポール政府観光局
シンガポールへは東京から直行便で7時間ほど。時差も1時間しかないので気軽に出かけることができます。そして、なんといっても世界のおいしいもの好き『Foodie (フーディー)』の舌をうならせる絶品料理が満載なのが魅力です。
画像提供:シンガポール政府観光局
「なぜシンガポール料理がおいしいのか。」
それは多様な食文化が共存して、かつ互いに影響を与え合ってどんどんおいしくなったからなんだとか。中華系、インド系、それに元から住むマレー系の人たちが狭い国土にひしめいているからこそなんですね。
斎藤工さんおすすめのグルメ4品!
今年公開の斎藤さん主演の映画『家族のレシピ』では、シンガポールの骨付きの豚肉を煮込んだスープ「バクテー」がストーリーのキーになっています。斎藤さんは撮影のために1か月ほどシンガポールに滞在して、その後6回も出かけているそう。今では第2の故郷のようで、「シンガポールに帰る」といった気持ちになるそうです。
そんな斎藤さんの一押し4品がこちらです(写真はイベント会場に投影されていたものです。食べ物は斎藤さん撮影です)。
廣州麺食(タングリン・ホルト・フードセンター内)の『ワンタンミー』
ワンタンミーはその名の通り「ワンタン麺」ですが、シンガポールでは汁なしのものがメジャーなようです。ワンタンミーをいただくなら、タングリン・ホルト・フードセンターにあるこの1軒がおすすめとのこと。
タングリン・ホルト・フードセンターは、シンガポールでは『Hawker(ホーカー)』と呼ばれるフードコートのひとつ。外食が多いシンガポールの人たちの日常的な食の場所です。
「監督のエリック・クーと、ミシュラン獲得のレストランに行った時に、ちょっと小腹空けておいてと言われて、その足で出かけたのがこのお店。たくさん食べた後なのに、ものの数秒で食べ終わってしまいました」
麺にワンタン、野菜にたっぷりチャーシューというボリュームをさくっと平らげたとは、かなりおいしかったんだろうと想像できます。
現地での撮影の最初は、ほぼ単身でシンガポールに滞在していた斎藤さん。現地のスタッフたちと、国や言葉を越えて「これおいしいね」と共有する体験から、食が究極のコミュニケーションになると実感したそうです。
カイジュアンの『バクテ』
バクテは、ポークリブを、丸ごと皮付きのニンニクと粒コショウでシンプルに煮込んだもので、労働者たちが安くエネルギーを補給できる料理として広まったそうです。
「作る人それぞれが好きなものを入れて作るようで、自分なら根菜類や芽ねぎを入れたりします。ちょっと日本にはない、素朴だけど奥深い、それにとても簡単な料理。なので、最初に作ったときに『おいしい』にたどり着けました。今では得意料理の一つです」
ヒルストリート・タイボア・ポーク・ヌードルの『バクチョーミー』
バクチョーミーは麺の上に様々な具材をのせた屋台料理。斎藤さんはそれを映画のように表現してくれました。
「比較的新しい屋台飯で、ここはミシュランも獲得した店。レバー、魚のフライ、鶏・豚・牛肉も入っています。主役が集まって、旨味がまとまって、そして食べるたびに違った味になって、まるでオムニバス映画のよう。あっという間に食べ終わるという一品です」
店にはいつも行列ができているとのこと。地元の人たちも並ぶおいしさです。
ヤ・クン・カヤトーストの『カヤトースト』
『カヤ』は、ココナッツミルクにたまご、バニラのような香りがするパンダンリーフで作られたペースト。カヤジャムと呼ばれることもあります。
「シンガポールの、一日中汗をかくような暑い気候では、毎朝エネルギーをしっかりとるために食べていました。このお店では温泉卵が添えられていて、そこに醬油、そしてトーストをつけて。甘みと、しょっぱさがおいしく融合していて、奥深い食べ物でした。それにコンデンスミルクが入っている甘いコーヒーも一緒に」
朝の定番になったそうです。ヤ・クン・カヤトーストはシンガポール内に店舗がいくつもあるので、HPをチェックしてみてください。
成城石井で手に入るシンガポールグルメ
今回のイベント、実は成城石井の社長である原昭彦氏のシンガポールの「フーディー・パーソナリティ」に任命したことを発表する場でもありました。
斎藤さんはさすが映画人で、グルメの中にも「コミュニケーション」を感じていらっしゃるし、原さんは成城石井で開催するシンガポールフェアのためにシンガポールを訪れて食研究をされたとのことで、「味の探求」という視点からのお話。興味深いトークセッションになりました。
現在も『シンガポール風焼きビーフン』、『シンガポール風ラクサ』(ラクサは香辛料の効いた具だくさんの麺料理)といったメニューを展開している成城石井ですが、8月2日から「シンガポールフェア」を開催して、さらにシンガポールグルメを展開していくそうです。
自宅でもできるカヤトースト
さて、斎藤さんが紹介してくれたグルメの中でも、自宅で簡単に作れるのが『カヤトースト』です。
実はカヤジャム、日本でも通販などで購入することができます。いくつか種類もあるようなので、まずは気に入ったものを手に入れます。あとは、パンをトーストしてバターをたっぷり塗り、さらにカヤジャムを重ね塗りして2枚を合わせて、その上に半熟の目玉焼きをのせ、お醤油を振れば出来上がり。
最初は甘いものに目玉焼きってどうかと思いましたが、パンケーキやクレープを思えば「あり」です。そして、癖になるおいしさです。
シンガポールでは、もちろん高級レストランで世界トップクラスの美食を楽しむこともできますが、地元の人たちが日常的に楽しむ屋台から始まったグルメもぜひ経験したいですね。
[シンガポール観光局/ 飲む&食べる]
[成城石井]
[映画『家族のレシピ』公式サイト]
[Photo by Atsushi Ishiguro unless otherwise attributed.]