絶景と秘湯に出会う山旅【2】北アルプス燕岳と中房温泉

Posted by: 阿部 真人

掲載日: Jul 6th, 2019

みなさんは、山に登られたことはありますか?美しい風景はたくさんありますが、山で出会う光景と秘湯は格別なものです。今回は、「北アルプスの女王」と呼ばれる、美しい山・燕岳(つばくろだけ)と秘湯・中房温泉の現場から、その魅力をレポートします。

燕岳

美しい風景はたくさんありますが、山で出会う光景と秘湯は格別なものです。たどり着いた頂きからの絶景はあなたの足で歩いたからこそ得られたもの。そして秘湯はあなただけのご褒美。山ガールはもちろん、みなさんが気軽に訪ねることのできる山旅の提案です。今回ご紹介するのは「北アルプスの女王」と呼ばれる、美しい山・燕岳(つばくろだけ)と秘湯・中房温泉です。

北アルプスの女王 燕岳

TABIZINE還暦特派員の阿部真人です。

標高2763mの北アルプス・燕岳。山頂部分が真っ白な花崗岩と緑のハイマツで覆われて、その美しい稜線の姿から「北アルプスの女王」と呼ばれています。北アルプスと聞いてムリとあきらめることはありません。地元長野県の中学生も学校登山で訪れる山です。初心者でもちょっと頑張れば必ず登れます。

燕岳直下

燕岳の登山口に位置する中房温泉は標高1462mにあります。200年前に開かれた、歴史のある名湯です。4月下旬から11月初めまではJR大糸線穂高駅から路線バスも運行され(1700円)1時間弱で気軽に訪ねることができます。

まずは燕岳に登頂して、下山後に中房温泉を満喫しましょう。

中房温泉

燕岳の登山は4~5時間かかります。登山道はよく整備されているので、歩きにくいところはほとんどありません。水場のある第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチ、富士見ベンチとほぼ50分ごとに休憩のできるベンチがあります。

第二ベンチ

ゆっくり歩けば4時間ほどで合戦小屋に到着。ようやくたどり着いた合戦小屋で頂くスイカはなんと美味しいことでしょう。

合戦小屋のスイカ

山ガールのあこがれ 燕山荘

合戦小屋から山の宿泊先となる燕山荘(つばくろさんそう)まではおよそ1時間30分。ここまで来たら頂上に着いたも同然です。燕山荘は山ガールたちのあこがれの山小屋。ご飯がおいしく、ギフトショップも充実していて、室内もキレイで一部屋ごとにカーテンで仕切られプライバシーが保たれています。

燕山荘
室内

Tシャツのデザインも凝っています。速乾Tシャツ、欲しくなりますね。

ギフトショップ

魅力満載の燕岳

さて荷物を燕山荘に預け、目の前にある燕岳を目指します。運よく山頂部が雲間から現れました。
燕山荘からは歩いて30分ほどです。

燕岳

砂礫地が多い燕岳では7月中旬から8月にかけて山頂部で愛らしいコマクサを見ることができます。このほかミヤマキンバイやキバナシャクナゲなどの高山植物、そして運が良ければ雷鳥に出会うこともできるのです。

コマクサ

名物のイルカ岩。自然の芸術とはいえ、これほど見事なイルカはそうそうありません。

イルカ岩

そしてついに2763mの山頂に到着。思いのほか表示がこじんまりしていますね。

燕岳山頂

燕岳での楽しみはまだまだあります。

まずは壮大な北アルプスのパノラマ。3000m級の山並みがすべて見渡せます。遠い槍ヶ岳もはっきりと見えますね。この稜線を歩いて槍ヶ岳や常念岳を目指すこともできます。

稜線歩き

もちろん食事も山の楽しみのひとつ。燕山荘で評判の食事を頂きます。特別なものはありませんが、一つ一つの料理の質は山小屋とは思えないほど。

夕食

さらに翌朝にも楽しみがあります。早起きしてそれがご来光を拝むこと。荘厳な日の出に感動して自然に拝んでしまうのです。

ご来光

自分へのご褒美は秘湯・中房温泉

美しい景色に後ろ髪をひかれながら下山しましょうか。中房温泉登山口まで、帰りは3時間15分が目安です。中房温泉に着いたらゆっくりとくつろいでください。ここでの楽しみは源泉100%かけ流しの温泉です。

中房温泉

しかも浴室の数がハンパではありません。敷地内の源泉の数だけでも36か所あるといい、15か所前後の浴場があります。泉質はアルカリ性単純泉、単純硫黄泉ほかで、すべて源泉かけ流しを謳っています。

温泉案内図

こちらは比較的新しく作られた建物の不老泉。ヒバの梁とヒノキの壁が特徴。外とつながっており、静かにお湯を楽しむことができます。基本は混浴ですが、女性専用の時間帯もあります。

不老泉

またこちらは古くからある「御座の湯」。江戸時代、松本藩藩主が入浴した折に「御座の湯」という名を頂いたといいます。

御座の湯

屋外にも露天風呂やプールのような大きな風呂がありますが、極めつけはこの昔ながらの蒸し風呂。あまりに熱いので長くは入っていられません。とはいえぜひ一度はお試しください。

蒸し風呂

そして山のなかとは思えないほどの料理の数々。夕食のテーブルはごらんの通り。

宿の夕食

登山口周辺は登山客でにぎわいますが、中房温泉はもともと山あいの秘湯として知られてきました。そのひっそりとした佇まいとお湯は、山登りで疲れた体と心を癒してくれることでしょう。

中庭

中房温泉 
住所:長野県安曇野市穂高有明7226
TEL:0263-77-1488
1室2名以上で1泊2食付き 1名・登山者・長期滞在9700円~・トイレなしの部屋で食事処13000円~・トイレ付部屋で食事処17000円~・バストイレ付きの部屋20000円~他
チェックイン15時 チェックアウト10時 駐車場40台
HP:https://www.nakabusa.com/

燕山荘 
住所:長野県安曇野市穂高有明中房国有林内 燕岳
TEL(燕山荘直通電話):090-1420-0008 
http://www.enzanso.co.jp/
※2019年は11月24日まで1泊2食10300円、個室は9室1泊2食13000円または15000円(11月3日まで)。予約は、ウェブまたは松本事務所(0263-32-1535)から
チェックイン12時 チェックアウト7時

PROFILE

阿部 真人

Masato Abe 還暦特派員

大学を卒業後、およそ30年間テレビ番組を作ってきました。57歳の時に、主夫となり、かつ自由人として旅に生きることを決意して早期定年退職。登山を始め、東京の街歩きガイドや温泉めぐり、豆大福探訪などなど60歳の還暦を迎えて好奇心が高まっています。

大学を卒業後、およそ30年間テレビ番組を作ってきました。57歳の時に、主夫となり、かつ自由人として旅に生きることを決意して早期定年退職。登山を始め、東京の街歩きガイドや温泉めぐり、豆大福探訪などなど60歳の還暦を迎えて好奇心が高まっています。

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