【北海道からの招待状 第5回】夏のニセコ連峰の美しさから生まれたそば ニセコ|たったひとつを叶える旅<60>

Posted by: 青山 沙羅

掲載日: Jul 10th, 2019

旅の目的は「たったひとつ」が潔いと思いませんか。今回のたったひとつは、そば粉と水のみで打つ、十割そばを提供する「そば処 楽一」。夏でも驚くほど冷たいニセコの湧水は、美味しいそばを生み出します。大自然の恵みを感じさせるつくりたてのそばを、堪能してみてはいかがでしょう。

そば処 楽一

旅の目的は「たったひとつ」で良い

旅の目的は「たったひとつ」が潔いと思いませんか。
あれもこれもと盛りだくさんは、大人には野暮というもの。情報が氾濫している現代だからこそ、余計なものは削ぎ落として、自分の「たったひとつ」を選び取るのが粋。旅の荷物はシンプルに、期待だけを詰めて。

私たちがまだ訪れたことのない、未知の場所や絶景。
笑顔で迎えてくれる、あたたかい地元のひと。
生産地ならではの、新鮮で美味しいもの。

珠玉のように散らばる日本各地の魅力を発信する「ONESTORY(ワンストーリー)」。「ONE=1ヵ所」を求めて日本を旅するメディアから、私たちの「たったひとつ」が見つかりそうです。

北海道が私たちを招いている

国内旅行で、最も満足度が高かった旅行先第1位の「北海道」。日本人のみならず、海外旅行客にも大変人気があります。

大自然が私たちを寛がせ、
地元の美味が私たちを喜ばせ、
豊かな温泉が私たちを蘇らせます。

だから私たちは北海道が好き。
大好きな北海道から、あなた宛に招待状が届いています。
どんなお招きか、招待状を開けてみましょう。

ニセコで打つ十割そば

そば処 楽一

そば粉と水のみで打つ、十割そばを提供する「そば処 楽一」。夏でも驚くほど冷たいニセコの湧水は、美味しいそばを生み出します。雨や雪が地中に滲み、長い時間をかけて濾過(ろか)された水は、大自然の恵み。

日本外史の著者 頼山陽の子孫が店主

そば処 楽一 主人

ニセコで有名な手打ちそばの店主 頼 立(らい たつる)氏は、「敵は本能寺にあり」で有名な「日本外史」の著者 頼山陽氏の子孫だそうです。外交官の息子として、幼少期は霞町(現在の西麻布)で育ちました。

夏のニセコ連峰の美しさが忘れられない

そば処 楽一 主人

その頼 立(らい たつる)氏が、なぜニセコと縁が出来たのでしょうか。

高校時代に、母の故郷であり自身の生誕の地である札幌へ自転車で旅をし、その際に出合った夏のニセコ連峰の美しさが忘れられなかったそうです。入学したばかりの大学を2ヵ月で辞めてしまい、「あの美しいニセコへ行きたい」と19歳で決意。カメラマンや会社員、ペンション経営を経て、前妻を亡くされたことを契機に、そば屋を開きました。

限定20食のそば

そば処 楽一

手作りのログハウス(自宅)を改装した店内は、12席のカウンターのみでこじんまりとしています。ランチは、限定20食のみ。蕎麦にありつけるのは、運の良い20名です。

注文してからそば打ちが始まる

そば処 楽一

お客様がカウンターに座ってから、そば打ちが始まります。サッと食べて、サッと出たい人には向きません。打ち立て、切りたて、茹でたてのそばが、「そば処 楽一」の真髄。そば打ちを眺めるのも、パフォーマンスのひとつ。そばが出来るまで、ジッと待てる人が美味しいそばにありつけます。店内に流れるジャズを聴きながら、ひたすら待ちましょう。

十割そば 生粉打ちせいろ

そば処 楽一

100%地元産のそば粉で打つ、十割そば。十割そばにありがちなゴツゴツした感じがなく、細切りされたお蕎麦は香りが高く、口当たりがよく、みずみずしくて。

季節野菜の天ぷら

そば処 楽一

ほとんどのお客様が頼む、季節野菜の天ぷら。季節によって異なるので、何が出てくるかはお楽しみ。初夏のアスパラガスにも人気があります。

夜は予約制のそば懐石、小さな子供連れはお断りの大人の店

そば処 楽一

店主独特のこだわりがある店なので、人を選ぶ店かもしれません。小さな子供(8歳以上可)はお断りだそうですので、ご注意を。夜は予約制で、10,000円(税・サービス料別 価格は2019年5月現在)のそば懐石のみ。

今回のたったひとつは、夏のニセコ連峰の美しさから生まれた「そば処 楽一」。私たちが旅へ向かわずにいられないのは、日常で求められない「たったひとつ」に出逢うためなのです。

■もっと知りたくなったら
ONESTORY(ワンストーリー)
『NOMA』レネ・レゼピ氏が魅せられたそば名人。唯一無二の味をニセコで。[そば処 楽一/北海道虻田(あぶた)郡]

そば処 楽一
〒048-1511
住所 : 北海道虻田郡ニセコ町ニセコ431 
電話 : 0136-58-3170
Website: https://www.rakuichisoba.com/

PROFILE

青山 沙羅

sara-aoyama ライター

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

はじめて訪れた瞬間から、NYに一目惚れ。恋い焦がれた末、幾年月を経て、ついには上陸。旅の重要ポイントは、その土地の安くて美味しいものを食すこと。特技は、早寝早起き早メシ。人生のモットーは、『やられたら、やり返せ』。プロ・フォトグラファーの夫とNY在住。

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