日本ではまだまだ知られていませんが、北スペインのバスクにあるサン・セバスチャン(San Sebastián)は訪れるべき魅力的な街。アメリカの富裕層が読者層である権威ある旅行誌『Travel+Leisure』が2019年7月に発表した、「ヨーロッパでトップの15の街(The Top 15 Cities in Europe)」にも10位でランクインしているんです。
サン・セバスチャンってどんな街?
(c)Shio Narumi
サン・セバスチャンは、バスク州ギプスコア県の県都であり、人口は約18万人ほどの中規模の街です。北スペインの海沿いに位置し、20kmほど東に行けばフランスとの国境というスペインの中でも端の端にあります。
街の名前はゆかりのある聖人の名前から付けられていて、スペイン語の「San Sebastián」は日本語では「サン・セバスチャン」もしくは「サン・セバスティアン」と表記されます。バスク語の「Donostia」(日本語で「ドノスティア」「ドノスティ」)と呼ばれることや併記されることが多くあります。
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昔は小さな漁村だったサン・セバスチャンですが、19世紀の終わりにスペイン王室の避暑地となったことから開発が進み、美しい街並みが築かれました。その魅力は「カンタブリア海の真珠」という愛称があるほど。今は世界中から多くの観光客が訪れています。
街に到着するとすぐに、この街には優雅な雰囲気のリッチな層が多いと感じるはずです。
北スペインで最も有名な「ラ・コンチャ(La Concha)海岸」
夏にサン・セバスチャンを訪れる観光客の目当ては、ヨーロッパ屈指の美しいビーチ、「ラ・コンチャ(La Concha)海岸」です。
コンチャはスペイン語で貝を意味していて、貝のような形のラ・コンチャ湾の中を1500mほどの白い砂浜が弧を描いて続いています。湾なので、浮島の手前くらいまでは海の両側が街です。それが安心感につながります。
ビーチが有名なこともあり、夏場のホテル宿泊料は、1部屋1泊24000円以上が主流です。
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ただ、筆者が訪れた7月上旬の3日間は、残念ながら曇り時々雨。サン・セバスチャンは、海洋性気候で雨が多いのです。とくに秋に多いようですが、夏も要注意です。
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晴れ間が見えた夕方、せめて足だけでもと、海に入ってきました。21℃の気温でも、水温は驚くほど冷たいということはなかったです。旧市街側の海岸入口に足洗い場があるので、小さなタオルを持参すれば観光の合間にも海に入れます。
高台にある「モンテ・ウルグル(Monte Urgull)」
(c)Shio Narumi
ラ・コンチャ湾の東側、旧市街側の遊歩道から上を見上げると、キリスト像が見えます。
この小高い丘は公園となっていて、高台から街を見下ろすのに最適です。要衝の地だったという歴史から、いまも城壁跡や砲台が残されています。
サン・セバスチャンの街は、丘はあっても平地にできた街です。しかし周りは山で囲まれていて、この街に到着前に深い霧がでていたのが印象的でした。
旧市街「パルテビエハ(Parte Vieja」)
(c)Shio Narumi
サン・セバスチャンは世界的に知られる美食の街で、それもこの街にたくさんの人が集まる理由です。
タパスが楽しめるバルは、旧市街、スペイン語でパルテビエハと呼ばれるエリアに集中しています。昼前から夜中まで、通りを行く地元の人や観光客でずっとにぎやか。旧市街に泊まれば、治安はあまり心配する必要がないでしょう。
この街のタパスは、シーフードのメニューが豊富です。街全体でみかけるアジア人は決して多くないのですが、その中で日本人の割合は多いようでした。ツアーでやってくる日本人グループもときどき見かけました。
そのせいか、バルは日本語メニューがあるところもありますし、日本語で簡単な会話をしてくる店員さんも多いです。
バルの情報は、また別記事でご案内しますね。
(参考)
日西観光協会 Travel+Leisure San Sebastian Travel+Leisure The Top 15 Cities in Europe
Shio Narumi ライター
イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。
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