熊野神社の凄いポイント
熊野神社には、漠然とした凄そう!という雰囲気はもちろんのこと、リアルに凄いポイント、見どころがいくつかあります。
まず、千年杉です。石碑の後ろの杉の木は、目の高さの幹囲が8.1mで、広島県下ナンバー1の太さを誇ります。これまでナンバー2だったのですが、最近ナンバー1が雷で倒れたので、繰り上げ1位となりました。現在のナンバー2も、近くにあり、幹囲は7.3mです。
杉が伐採されることなく大切に保存されているので、高木が長い間切られることなく生えているエリアにしか現れないという、シャガが境内に群生しています。5月に薄紫色の花をつけるアヤメ科の植物です。
こちらは、妖精が現れてもおかしくない、苔むした切り株。
圧倒されるような巨石。磐境(いわさか)といい、高さ5m、周囲が23mほどになります。当時は霊が宿るとされていて、733年までここで祭祀が行われていました。昔は、横にある祠は岩の上に配置されていたそう。神社内で1~2を争う神秘的なスポットです。
また見逃せないのが、鳥居を挟んで「尾道型」と呼ばれる玉乗りの狛犬と、「出雲型」と呼ばれる飛びかかろうと構えている狛犬の両方が据えられているところ。これは庄原市が県境にあり、広島と鳥取の文化の交流圏だからなのです。
三つの社
いくつかの石段を上がり、辿り着いたこちらが一ノ宮です。きれいに手入れされているものの、柱の年季が入った様子が、手が加えられすぎていないようで自然な雰囲気です。「祭神 伊邪那美命」と書かれています。比婆山に眠るイザナミノミコトが祭神なのです。
横からみると、拝殿から本殿までの渡り廊下が長く、どんなものが中にあるのか想像をかきたてます。
その先は、山道です。一ノ宮までと世界がガラリと変わるような気がしました。根が張りめぐらされていて、足元が踏み固められているので歩きにくいということはありませんし、多少雨で地面が濡れていても大丈夫。
ここが二ノ宮です。祭神は、速玉男神。普通の神社ではあまりのぼってはいけないとされる、木の階段を上らないと鈴が鳴らせないのでちょっとドキドキします。
さらに山道を進むと、霧の中に三ノ宮が見えます。なんと神秘的なのでしょうか。素朴なお社には、黄泉津事解男神が祀られています。「黄泉」という文字もあって、人間が本来入ってはいけないところにやってきてしまったような気分になります。
熊野神社のご利益は、安産祈願や子宝など。お守りは売っていないですが、無人のおみくじは設置されています。うっそうとした緑の中、川のせせらぎを聞きながら歩くのは、何よりの浄化になるように思います。是非霧の出そうな天気のときにどうぞ。
所在地:庄原市西城町熊野1160
電話番号(西城町観光協会):0824-82-2727
[All photos by Shio Narumi]
(参考)
ホットライン教育ひろしま
庄原観光ナビ