
なんでこんなに石仏があるのか?

レリーフでなく、頭の後ろまで丸彫りされている立体的な石仏たち。実は、誰によって、なんのためにつくられたのか、はっきり分かっていないんです。
時期としては、だいたい12世紀後半頃に出来ていたようです。時代は源平合戦の頃。人々が現世に絶望し、せめて死後は極楽に行けるようにという願いからつくられたのではないかと考えられています。
61体の石仏は大きくは4か所に分かれています。「ホキ石仏第二群」など変わったエリア名がついているところもありますが、「ホキ」は地名です。特にパワーがありそうで重要な石仏3体をご紹介します。
特にパワーがありそうな石仏1:ホキ石仏第二群 阿弥陀如来像

お彼岸の中日は、現世とあの世の間の門が開くと言われている日。当時は年2回のお彼岸、つまり春分の日と秋分の日に、スペシャルなことが起きていました。

お彼岸には太陽が真東から上がり、真西に沈むのですが、上がってきた太陽が当時下方にあった池(現在は公園)に反射し、池の西方に位置するこちらの真ん中の阿弥陀さまの顔に光が当たっていたことが最近の研究で実証されたのです。阿弥陀如来の極楽浄土は西にあるとされているので、西は重要な方角です。
ここが貴族の荘園の南西、つまり裏鬼門にあったことから、お彼岸のしかけによって庶民が「お寺はすごいな、つくった貴族もすごい」と思うような戦略だったのではないかと考えられています。
800~900年前につくられた当時のお寺、宇治平等院鳳凰などはこういった仕掛けがなされていたそうですが、これはレイライン上にあるということです。
特にパワーがありそうな石仏2:ホキ石仏第一群 阿弥陀如来像

真ん中の阿弥陀如来は、座っていますが立ち上がると3.06mになるようなもの。京都からやってきた一流の仏師自ら彫ったと考えられる傑作です。
見開いた目の黒目は墨で塗られ、目尻は尻上がり、下瞼が二重で目が強調されています。
魂入れという魂を宿らせるための儀式を行ったと考えられていますので、パワーがありそうです。
特にパワーがありそうな石仏3:古園石仏 大日如来像

臼杵石仏の中で代表格は、最も高いところにある古園石仏の大日如来像です。古園石仏は、魔物が入れないように二体の金剛力士像が設置されている中枢のエリアです。
密教で一番偉いとされるのが、宇宙そのものを表すこの大日如来です。あたたかみのあるほっとするお顔立ちでで、こちらも大傑作とされています。そのため、一番パワーがあると考える人もいるようです。
忘れず願掛けを

古園石仏のエリアには、1本100円のお線香があります。自分に合った願いが書かれているものを選んで火を付けましょう。

忘れてはいけないのが、祈願用紙。これは無料(拝観料550円に含まれている)です。書いて御祈願箱に入れると、1月、5月、9月と3回にわたって、特別祈願法要をしてくれるというもの。なんと素晴らしいシステムなのでしょうか!

そもそも、岩というものは三年放っておくと苔が岩を土に変えてしまうのだそうで、石仏を保つのは大変なことなのだそうです。多くの人々にお詣りされていたことだけでなく、こんな風に長年人の手にかけられてきたことも考えると。人々の敬意や念で臼杵石仏全体にパワーが宿っていそうですね。
[All photos by Shio Narumi]

Shio Narumi ライター
イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。
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