ヨーロッパ最大級の宇宙テーマパークを訪問
海外にふらっと行ける時代です。将来的には宇宙旅行だって夢じゃない! ということで、月旅行について探るべく、ヨーロッパ最大級の宇宙テーマパーク「シテ・ド・レスパス(Cité de l’espace)」を訪問。フランス南西部トゥールーズの観光名所のひとつです。
実物大ロケットにアポロ11号月着陸船のレプリカなどが点在する野外展示、宇宙飛行士になったかのような気分が味わえる常設展、定期的に内容の変わるIMAXに、昨年リニューアルしたばかりのプラネタリウムなど、1日楽しく過ごせる大規模なテーマパークです。
月に長期滞在する未来を描いた企画展
同テーマパークでは、ヨーロッパ宇宙機関「ESA」やフランス国立宇宙研究センター「CNES」など宇宙のスペシャリストの協力のもと、月に関する企画展「LUNE – Episode 2」を開催中。月や月旅行に関する情報をじっくり取材してきました。
もしも月にホテルができたら・・・
月はマイナス180℃〜120℃という、人間にとって過酷な環境です。人体には危険なレゴリス(月の砂)、宇宙放射線、直径1cm程度の隕石などの危険性も。このため、地球上と同じような住居やホテルを建てることは、ご察しのとおり不可能です。
ESAでは月の砂を建材とした基地の研究が進められていて、写真のレンガは月の砂と似た地球上の素材で作られたもの。建物を月の砂のレンガで覆うことで、過酷な環境にも耐えられる住まいを研究中です。
食べ物や水はどうする?
もしも月に滞在することになった場合。現段階では、水やお湯で戻して食べる加水食品に缶詰などが、水や酸素とともに、貨物ロケットで運ばれることになります。これは国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士たちも同じ。宇宙食、味は薄く感じるそうですが、意外とおいしいのだとか。
長期に渡って滞在することを踏まえ、月で栽培した新鮮な野菜や果物が常時食べられるよう、研究が進められています。
水に関してはクレーターから集めた氷を用い、飲料水や生活用水を作る予定だそうですよ。また、クレーターの氷から酸素や電気を作る研究も進められているとのこと。
オマケ:月はどんなニオイ?
企画展では、月面車(ムーン・バギー)のシミュレーターに、ゲーム感覚のタッチパネル式クイズ、地球と比較した際の月の環境が実験を通して学べるアトリエ(実験教室)なども。
個人的にとても興味をひかれたのが「月のニオイ」のクイズです。3つのニオイから正解を探るもので、どれもなかなか強烈。正解は、コンクリートとホコリが混ざったような臭いでした。
月旅行に想いを馳せながら、南仏旅行の際にはシテ・ド・レスパスに立ち寄ってみてはいかがでしょう? 英語・フランス語・スペイン語での展示、月の企画展は2020年末までの開催です。
住所:Avenue Jean Gonord, 31500 Toulouse France
電話番号:+33 5 6722 2324
営業時間:10:00 〜(日によって終了時間が異なります。 HPにてご確認を)
休日:不定休(HPにてご確認ください)
HP:https://en.cite-espace.com/
取材協力:Cité de l’espace
[cite-espace.com]
[edu.jaxa.jp]
[All photos by sweetsholic]
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