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冬の秘湯は最高のパワースポット(5)奥鬼怒・八丁の湯<栃木県>

Posted by: 阿部 真人
掲載日: Jan 10th, 2020.

いよいよ雪の季節ですね。凍えた心と体を温めるには温泉が一番。旅立ちの期待と不安。道中の胸の高鳴り。宿に到着した安堵感。しんしんと降り積もる雪の露天風呂。そして夕餉の鍋料理・・・心と体にじわりとエネルギーが満ち溢れていきます。大地の恵み、温泉はパワースポット。今回はまさに秘湯、マイカーでは行くことのできない奥鬼怒の八丁の湯を訪ねました。

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八丁の湯 雪の露天
(C)八丁の湯


東京から近くて遠い奥鬼怒

鬼怒川温泉駅
(C)Masato Abe

八丁の湯は関東に残された最後の秘湯と呼ばれています。鬼怒川温泉の奥の、人里離れた山あいにあるからです。電車では東武鉄道鬼怒川温泉駅から日光市営バスに乗り換えることになります。

バスに乗り換え
(C)Masato Abe

東京から直線距離では近いのですが、実際に行くとなると1日がかりでようやくたどり着く、近くて遠い秘湯なのです。でも行く価値のある、素晴らしい秘湯です。東武電車からバスに揺られること1時間20分。

バス窓の景色
(C)Masato Abe

道路はちゃんと舗装されているので快適です。川治ダムの八汐湖や黒部ダムの湖、川俣ダムの湖など、ダム湖が点在しています。とちゅう50分ほどのところにある栗山村の停留所でいったんトイレ休憩があります。美しい山々と湖そして渓流の風景を見ながら、さらに山あいに向かいます。

終点の女夫淵
(C)Masato Abe

終点の女夫淵駐車場に到着。ここには以前は大きな温泉ホテルがありました。しかしバブル後に廃業して建物は解体され、あたりには何もありません。バス停留所の建物とトイレだけあります。

迎えバス
(C)Masato Abe

ここからはマイカーで入ることができません。ピクニック気分で歩いて行くこともできますが、冬場は八丁の湯の送迎バスに乗り換えます。ここからおよそ30分。

ニホンカモシカ
(C)Masato Abe

途中、道路わきにニホンカモシカの姿がありました。まだ子どものようです。斜面の(がけ崩れ防止に植え付けた?)草を一心不乱に食んでいます。車には慣れっこになっている様子で、全く気にかけませんね。

雪が見える
(C)Masato Abe

今回訪ねたのは12月半ば。今年の雪は少し遅れ気味で、女夫淵駐車場には雪がありませんでしたが、坂道を登ってゆくにつれて雪が現れてきました。数日前に降った雪が残っているようです。

八丁の湯玄関
(C)Masato Abe

坂道を登りきって、ふたたび谷あいの渓流に降りてゆくと、八丁の湯に到着。標高は1300mあります。温泉は江戸時代後期の天保年間に発見されていたといい、温泉宿として開業したのは昭和4年。ロッジ風の建物が迎えてくれました。

なにもないのが清々しい

玄関先
(C)Masato Abe

建物はそれなりに古いのですが、きちんと掃除されていて清潔です。玄関も履物が投げ出されているようなことはなく整頓されていました。そして「日本秘湯を守る会」の提灯もあります。

和室
(C)Masato Abe

ようやく客室に入りホッと一息です。テレビはBSしか入りませんが、Free Wifiでメールやインターネットもできます。その他はありません。周囲には大自然と温泉がたっぷりあるだけです。でもそれで十分。温泉に入ってのんびりと過ごすために来たのですから、なにもなくて清々しいのです。

階段
(C)Masato Abe

山小屋風の部屋やベッドの部屋もありますが、今回は和室。畳も壁も新しくてキレイな印象です。じつは5年ほど前にも宿泊したことがあるのですが、その頃よりきれいで明るくなりました。ご主人に伺ってみたところ、廊下や客室の畳、壁などを部分的にリフォームしたそうです。

カフェ
(C)Masato Abe

なんだか、以前に較べて全体的にキレイにオシャレになりましたね。実際に女性も一人旅で訪れていました。

内湯入口
(C)Masato Abe

まずは体を温めるために内風呂。昔のままです。お湯は無色透明で、わずかに硫化水素の匂いがします。自噴泉で100%の源泉かけ流しのお湯です。

内湯
(C)Masato Abe

泉質は基本的には「単純泉」と表示されることが多いのですが、温泉の成分分析表を見てみると、「単純硫黄泉」とありました。メタケイ酸の分量が112mgと多く、肌の新陳代謝を促進してくれます。

成分分析表
(C)Masato Abe

八丁の湯 露天風呂の解放感

館内図
(C)Masato Abe

八丁の湯の醍醐味は広々とした3つの露天風呂です。ここは混浴で、2組のご夫婦がカップルで入浴していました。ほとんど明かりがなく、しかも湯気が充満しているので、入浴用のタオルを巻けば目立たずに入浴できるのです。

滝見の湯
(C)Masato Abe

上の写真は混浴の露天風呂のうちの一つ、滝見の湯。大きなお風呂で、ぬるめのお湯はずっと入っていられます。縮こまっていた筋肉がほぐれるだけでなく、体の細胞ひとつひとつが解き放たれて、活性化していくようです。

雪見の湯
(C)Masato Abe

そして上の写真は雪見の湯。最初にお湯が流れてくるので、少し熱めかもしれません。とはいっても41、2度。この時はあまり雪がありませんでしたが、雪が積もると下の写真のようにさらに風情がありますね。

雪の露天
(C)八丁の湯
石楠花の湯
(C)Masato Abe

そして滝の手前にある石楠花の湯。奥に流れる滝と露天風呂全体が眺められ、周囲の樹木や月見もできる気持ちの良い露天です。ぬるめのちょうどいい湯加減でした。

女性の露天風呂
(C)八丁の湯

ちなみに上の写真、女性専用の大きな露天風呂もあります。滝を見ながらのんびりと入浴できますよ。

奥鬼怒の山の幸をいただく

食堂
(C)Masato Abe

体がほぐれてお腹もすいてきました。さあ食事の時間です。以前は畳の部屋に座ってお膳で頂いていた記憶があるのですが、食堂もリフォームした様子です。ジャズが流れるすっきりとした食堂で、椅子に腰かけてテーブルでいただきます。

食卓
(C)Masato Abe

献立や盛りつけも、以前は山小屋風のバンカラな印象がありました。が、ずいぶんと洗練されたようです。前菜はきれいに盛り付けられ、地元特産のヤシオマスの刺身またはしゃぶしゃぶに、奥鬼怒の秘湯ならではの、しし鍋を頂きました。ごちそうさまでした。

しし鍋
(C)Masato Abe

奥鬼怒の秘湯めぐり

エリアマップ
(C)Masato Abe

奥鬼怒で嬉しいことは、八丁の湯の近くにほかに3つの温泉宿があることなんです。それぞれ味わいのある温泉で、ここまで来たのでしたら、他の温泉にも入浴することをおススメします。

加仁湯
(C)Masato Abe

上の宿は加仁湯。八丁の湯から歩いて5、6分もかかりません。大きな露天風呂のほかに、ひとり用の小さな湯舟がいくつも並んでいる、ちょっと変わった露天風呂もあります。

日光澤温泉
(C)Masato Abe

また日光澤温泉はひなびた雰囲気の山の宿です。八丁の湯からは徒歩20分ほどでしょうか。ここには2種類の泉質の露天風呂があります。ひとつは無色透明な美人の湯、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉、そしてもうひとつは白濁した、雰囲気たっぷりの含硫黄-ナトリウム-塩化物温泉です。

日光澤温泉の露天
(C)Masato Abe

天気の良い季節には女夫淵駐車場から渓流沿いを1時間半ほど散策しながら歩いて八丁の湯や近くの秘湯を訪ねることもできます。ぜひ一度は奥鬼怒の秘湯を味わってみてください。

八丁の湯
栃木県日光市川俣876
TEL:0288-96-0306
HP:https://www.8tyo-no-yu.co.jp/index.php/topic/home_ja

阿部 真人

Masato Abe 還暦特派員
大学を卒業後、およそ30年間テレビ番組を作ってきました。57歳の時に、主夫となり、かつ自由人として旅に生きることを決意して早期定年退職。登山を始め、東京の街歩きガイドや温泉めぐり、豆大福探訪などなど60歳の還暦を迎えて好奇心が高まっています。


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