華麗なる古典建築!ミュンヘンの「アルテ・ピナコテーク」で鑑賞する巨匠たちの絵画【ドイツ】

Posted by: 川合英介

掲載日: Mar 12th, 2020

南ドイツのミュンヘンには美術館や博物館が多くあります。中でも見どころは通称ピナコテークという3つの美術館。そのうち、アルテ・ピナコテークはドイツやイタリア、オランダなどの近世ヨーロッパ絵画が展示されている美術館。今回は19世紀初頭に建てられた美術館の建物と、世界的コレクションとして有名な、画家デューラーやルーベンスなどの巨匠たちの絵画を紹介します。

アルテピナコテーク 巨匠たち
(C)川合英介

アルテ・ピナコテーク、お抱え建築家クレンツェ

アルテ・ピナコテークはバイエルンの王家だったヴィッテルスバッハ家の絵画コレクションが展示されている美術館。周辺には大学や通称ピナコテークと呼ばれる三つの美術館、ノイエ・ピナコテーク、ピナコテーク・デア・モデルネ、そして今回紹介するアルテ・ピナコテークや、博物館などが密集していて、ミュンヘン文化施設の中心地とも言えます。

アルテ・ピナコテークの建物はルートビッヒI世がお抱え建築家レオ・フォン・クレンツェに計画させたもので、19世紀前半に完成しました。

アルテピナコテーク 旧入り口
(C)川合英介

長細い建物で、北側中央にエントランスがあります。扉を入るとホールがあり、そこでチケットを購入します。ホールに面した、左右に分かれている大階段を登ると二階の展示空間に辿り着きます。二階では小さな展示空間が連なっていて、天窓から光が降り注ぐので、柔らかい光の中で絵画を鑑賞することができます。

フィリッポリッピ
(C)川合英介

お抱え建築家クレンツェとミュンヘン

ところで建築家レオ・フォン・クレンツェはルートビッヒI世のお抱え建築家として多くの建築をミュンヘンやバイエルンの地に残しました。ミュンヘンは都市壁を持つ中世都市でしたが、ナポレオンの侵攻などにより都市壁の意味が失われ、徐々に取り壊されていきました。その当時、スター建築家(というかお抱え建築家)だったクレンツェは、都市壁の跡地を利用した計画や提案をして、現在のミュンヘンの街の形に多大な影響を与えました。


(C)Rolf G Wackenberg/Shutterstock.com

特にアルテ・ピナコテークの近くにあるケーニヒス広場は彼の計画として、とても有名です。この広場はヒットラーによって大きく作り替えられ、ナチスのミュンヘンにおける主要建物が広場周辺に建て並んでいたことで有名です。

ケーニヒ広場
(C)川合英介

このクレンツェによるアルテ・ピナコテークには、ミュンヘン観光では必見の絵画が多く展示されています。この中から巨匠たちの絵画をピックアップして紹介したいと思います。

アルブレヒト・デューラーとクラナッハ

この二人は、15世紀〜16世紀、イタリアのルネッサンスが花開いていた頃、アルプスの北側でドイツルネッサンスを率いました。デューラーはニュルンベルグを主な拠点とし、ハプスブルク家からの受注も多かったため、多くの作品をウィーンのアルベルティーナ美術館で鑑賞することができます。

デューラーとクラナッハ
(C)川合英介

アルテ・ピナコテークには彼の肖像画があります。目の中に映り込む風景まで描かれているそうですよ。

デューラー自画像
(C)川合英介

クラナッハは多作の画家で、一説によると5,000以上もの作品を残しているとも言われています。また、ルターの同時代人で友人でもあったので、ルターの肖像画を多く残しました。クラナッハの描く人物像は特有の滑らかな肌を持ち、まるで人形のような四肢を持っています。それはドイツを代表する作家、ETA ・ホフマンの「砂男」に登場するオリンピアなどの自動人形を思わせる描写です。

現在アルテピナコテークに展示されているのは、十字架にかけられたキリストを観想しているブランデンブルグのアルブレヒト枢機卿の絵です。アルブレヒト枢機卿は宗教改革の時には、ルターと対立する立場だった人物です。まるでキリストが十字架にかけられたその場に居合わせたような描写ですが、それは枢機卿の瞑想の中での出来事。背景のオドロオドロシさと服装の鮮やかさが対照的です。

クラナッハ
(C)川合英介

ルーベンス

16世紀〜17世紀 アントウェルペンを拠点とした、バロック絵画を代表する画家です。彼の大迫力の、大画面の作品が多数展示されていますが、一押しは「地獄落ち」。

ルーベンス
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光の降り注ぐ天上界には神々が、闇の支配する冥界では怪物が蠢いています。画面の中央でうねる量塊は夥しい数の人が集まってできたもので、紅蓮の炎も岩場も雲も、全てが人肉でできていて、ただただアミノ酸の乱舞を見せつけられているような気分にさせられます。

ルーベンス ズーム
(C)川合英介

アルテ・ピナコテーク (Alte Pinakothek)
住所:barer Straße 27, 80333 Munich germany
電話:+49(0)89-23805-216
開館時間: 【火、水】10:00〜20:30 【木〜日】10:00〜18:00
閉館:【月】12月24、25日、12月31日、カーニバルの火曜日、5月1日
HP: https://www.pinakothek.de/besuch/alte-pinakothek

疲れた体にブレイクを、美術館内のカフェ・クレンツェ

美術館の1階部分には建築家の名を冠したカフェ・クレンツェがあります。 絵画鑑賞は、神経を研ぎ澄ましたり、意外と長時間立っているので、気づいたら疲れていたりするもの。

カフェ クレンツェ
(C)川合英介

そんな時はカフェブレイクが最適。張り詰めた感覚と疲れた体をほぐすためにも、是非カフェ・クレンツェを訪れてみてください。写真はアップルパイとムース・オ・ショコラ、そしてラテ・マキャートとミルクカフェー。

カフェクレンツェのケーキ
(C)川合英介

甘ーいケーキで癒され、鑑賞を終えた人々のリラックスした空気が流れている空間で、ゆったりと、次の日のプランなどを練ってみてはいかがでしょうか。

カフェクレンツェ 内部
(C)川合英介

カフェ・クレンツェ
営業時間:
火曜日 10時〜20時
水曜日〜日曜日 10時〜18時
電話:+49(0)89 28777488
HP:https://www.victorianhouse.de/cafe-klenze/speisen-getraenke
PROFILE

川合英介

Eisuke Kawai

ドイツ、ミュンヘンで設計事務所に勤務。 週末と休暇を利用して旅に出る。海にいくと一緒に来る妻はケーキマイスター(ドイツでマイスター号を取得)。彼女はシティートリップには乗り気ではないので、イヤイヤついて来る二人の息子と男三人でヨーロッパと日本を駆け巡る。

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ドイツ、ミュンヘンで設計事務所に勤務。 週末と休暇を利用して旅に出る。海にいくと一緒に来る妻はケーキマイスター(ドイツでマイスター号を取得)。彼女はシティートリップには乗り気ではないので、イヤイヤついて来る二人の息子と男三人でヨーロッパと日本を駆け巡る。

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