共産圏時代の雰囲気も残るブカレスト
ルーマニアは旧共産圏の国の一つ。その位置は、南にブルガリアを挟んでギリシャ、北にはウクライナ、東には黒海とモルドバ、西にはハンガリーとセルビア。一番有名なのは、トランシルヴァニア地方のドラキュラ伝説かもしれません。
140年の歴史を刻んだレストランがかっこいい!
その首都ブカレストの旧市街は、古くからの建物が残る雰囲気のある地区です。その一角のビルでカルクベレが開業したのは、今から140年以上前の1879年です。
入り口を入るとアーチ状に組まれた高い天井があり、テーブルがずらりと並びます。観光名所でもあるので、この日も見学の旅行者が写真を撮っていました。
さらに進むと、吹き抜けのホールになっています。奥の窓にはステンドグラスがあり、天井の採光窓も美しいデザインが施されています。その1階部分のカウンターにはビールを注ぐためのタップが並んでいます。バルコニーのような2階には、忙しいカウンターを見下ろすテーブルがあります。
かなり大きなレストランで、一日のお客さんの数は2,500人以上、そのうち40%が外国人旅行者だそうです。
店名のカルクベレの意味は「ビール用の荷台」です。ビールの醸造もしていて、「カルクベレ」という名前のビールも人気。平日のお昼時ですが、みなさんちょっと一杯という感じで楽しんでました。
価格はリーズナブルで一人でも楽しめます
そんな由緒あるレストランは、ルーマニアの伝統料理がウリです。様々な料理がメニューに並びますが、おすすめは「Meniuri De Pranz(ランチセット)」です(12:00から18:00まで)。
スープや前菜、主菜、付け合わせに、デザートがついて、大サイズで27.90レウ(約700円)、小サイズで24.90レウ(約620円)です。
前菜に「鶏の臓物の酸っぱいスープ」
メニューを見ても迷うばかりなので、店員さんにルーマニアらしい料理のおすすめを聞いてオーダーしてみました。
スープ・前菜のセクションからは「Ciorbă acră de potroace」を。その意味はズバリ「鶏の臓物の酸っぱいスープ」です。一口飲むと酸っぱい。これは発酵させたキャベツを使っているから。ルーマニアでは発酵キャベツは寒い冬を乗り越える大事な保存食です。
砂肝や肝臓などの内臓肉が使われており、きっちりと処理されていますが、野性的な旨味を感じることができます。野菜はジャガイモにニンジン。受け皿に乗せられてきた生のグリーンペッパーをかじりながらいただきます。すっきりとした味わいでした。
メインには名物ミティティを!
メインに選んでもらったのが「Mititi(ミティティ)」です。牛肉と豚肉の合いびき肉を棒状に成形して炭火で焼いたもの。肉そのものの旨さがぎっしり詰まったといった印象です。ちなみにこちらは小サイズでミティティは2本。大だと3本になります。
付け合わせは野菜のピラフを。野菜の出汁で炊きこまれたご飯はふっくらとしています。ルーマニアでは一般的にお米をよく食べるそうです。お米の国の日本人としては、ちょっと嬉しい一品でした。
ルーマニアの甘いチョコレートケーキ
デザートには「Tortul Casei – Tortul Copilariei」。「おうちのケーキ=子どもためのケーキ」といった意味で、どこの家でもよく作るチョコレートケーキだそう。
しっかりと甘くって、食べ応えがあります。スポンジケーキに浸みたチョコレートはしっとりと、周りのチョコレートクリームはこってりと。ホワイトチョコレートのチップの口当たりが嬉しい。
ちなみに、中央ヨーロッパから東ヨーロッパでは、ケーキ用のフォークはケーキに刺してテーブルに運ばれてきます。これなら皿からフォークが滑り落ちることもないですよね。
朝から晩までルーマニア料理がいろいろ
このお店、朝8時から開いているので、朝食メニューも充実しています。学生用メニュー、シニア用メニューなどもあって、誰でも、一人でもしっかり食事ができます。もしおなかが空いてなくても、店内の装飾は絶対見ておきたい素晴らしさ。ビール一杯から楽しめます。
住所:Strada Stavropoleos 5, București 030081 Romania
電話:+40 726 282 373
営業時間:8:00-0:00 (金・土は8:00-26:00)
HP:https://www.carucubere.ro/
*お店の営業状況については、新型コロナウイルスの影響で、業態や時間が変更になっている可能性があります。
[All photos by Atsushi Ishiguro]