四季折々に美しい妙高市
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新潟県の南西部、長野県との境目に位置する妙高市。標高2,454mの妙高山はシンボル的存在。スキー場や良質な温泉を数多く有し、国内有数の高原リゾートとして知られています。白銀の世界から緑溢れる景色に変化する春など、四季の移ろいの美しさもまた格別。
別荘感覚で農作業を楽しむクラインガルテン
妙高市の大洞原地区に、農業と地域振興の拠点施設として2007年に誕生したのが「クラインガルテン妙高」。東京からは車で3時間ほど。妙高高原ICより約10分とロケーションも良好です。およそ1万平方メートルの敷地内に、ラウベと呼ばれる滞在施設付きの市民農園が20棟点在。
ちなみに、クラインガルテンとはドイツで始まった農地の賃借制度のこと。日本では1990年の市民農園整備促進法などを機に、滞在型市民農園が増え続けており、別荘感覚で農作業を楽しむというスタイルがじわじわと人気を集めているのだそう。
豪雪地ゆえ、クラインガルテン妙高のラウベは基礎が高い高床式の2階建て。屋根も急勾配の落雪式に。年間利用料金は43万1,700円。野菜作りに挑戦したい人はもちろん、地方移住のお試しとしてもピッタリですよ。
2階はLDK(18平方メートル)。吹き抜け天井なので開放感たっぷり。窓からは秀麗な妙高山と穏やかな農村が広がります。
今回取材したのは、最長1カ月間お試しで利用できるラウベで、カーテンやテーブルなどが用意されていました。通常のラウベでは好みの家具や家電を設置することが可能です。
もちろんキッチン、お風呂、トイレは完備。利用者の多くは自炊が基本とのこと。自ら育てた、採れたて新鮮な野菜で料理。なんという贅沢な暮らしでしょう!
階段を上がるとロフト(15平方メートル)。木材がふんだんに使われており、温かみある雰囲気が漂います。ゆったりしたスペースなので使い方も自由自在。
高床式の基礎部分は農具置き場に。収穫した野菜の貯蔵や作業場としても最適です。
地元農家のサポートも!初心者でも安心の野菜づくり
併設の農園は150平方メートルと、一般的な市民農園より面積が広いことも魅力。地元農家やクラインガルテンOBによる「応援隊」のサポートもあるので、農業初心者でも安心。交流イベントも定期的に行われるなど、地域に溶け込むきっかけも豊富に用意されています。
利用者の年齢層は40〜60代。週末のみ来るという人から、長期で暮らす人などさまざま。新潟県内だけでなく、東京や神奈川、埼玉から訪れる人も多いようです(市民農園のため住民票は移せません)。
新潟市在住のIさんは今年で4年目。ご職業はフリーランスの設計士。現在は週の半分を妙高で過ごし、ラウベでお仕事をする傍ら、農園での野菜作りに励んでいるのだそう。
「農作業は全くの未経験でした。土づくりから収穫まで試行錯誤の繰り返しですが、自分で育てた野菜は本当においしい。無農薬なので育ちが遅かったり、虫が出たりして大変ですが、スーパーで買うものより断然味が濃いです」(Iさん)
収穫前のミニトマト。実は妙高はトマトの名産地。妙高山から吹き下ろす風の影響で、大洞原地区の昼夜気温差は最大15度ほど。この寒暖差によって、トマトの甘みや旨みが増し、おいしくなるのだそう。
敷地内には体験交流施設「ハートランド妙高」が併設。Wi-Fi付きコワーキングスペースが完備されており、手軽にワーケーションすることができますよ。清々しい空気でリフレッシュすれば、仕事もはかどること間違いなし!
ショッピング・グルメスポット&温泉も充実
妙高山麓直売センターとまと
クラインガルテン妙高から車で約3分のところにある「妙高山麓直売センターとまと」。妙高山麓で収穫された新鮮な野菜や果物、手作りお惣菜などを販売。
地元食材を味わえる食堂も併設。おすすめは笹寿司がセットになった「妙高御膳」(1,200円・税込)。笹寿司とは笹の葉に酢飯を敷き、椎茸や山菜などの具材をあしらった新潟の郷土料理。笹の葉には抗菌作用があるため、かつては携行食として親しまれていたのだそう。おにぎりをクルミ味噌で包んで炭で炙った「山もち」など、妙高のふるさとの味も堪能できます。
休暇村妙高
妙高には7つの温泉地が点在。日帰り温泉も豊富なので、仕事や農作業で疲れた身体をゆったり癒やせるのも魅力です。「休暇村妙高」にある天然温泉「越の湯」は500円で利用可能。雄大な妙高山を眺めながら入る温泉は至福そのもの。
黄金の湯
抜群の秘境感を味わえ、温泉マニアからも絶大な人気を博すのが、掛け流し野天温泉「黄金の湯」。
妙高温泉郷の中で最も標高が高い1,150m地点に位置。設備は簡素な脱衣所のみという野趣あふれる野天風呂です。風にそよぐ木々の葉音、凛とした空気が心に新鮮な潤いをもたらしてくれることでしょう。
クラインガルテン妙高OBの中には、地元の方の温かい人柄に惹かれ、滞在がきっかけで移住を決めた人もいるとのこと。美しい自然環境の中、都会では得られない地域とのつながりを楽しみながら仕事をするーー。そんな働き方も新しい生活スタイルのひとつなのかもしれません。
住所:新潟県妙高市大字関山6186-1
電話:0255-82-3935
1区画面積:約280m²(うち専用農地150m²)
利用料:年額431,700円(共益費含む)
契約期間:1年間(最長5年まで更新可)
応募資格:原則として月に4日以上滞在できること、妙高市に住所を有しないこと等
http://kg.myoko-gt.com/
[Photos by Nao]