泰・泰国
今回は、ちょっと難易度が上がります。「泰」もしくは「泰国」と書くのはどの国か、わかりますか?
言われてみれば、そのとおりなのですが、すっと読み方が出てくるでしょうか?
「やす?」と筆者は読んでしまいました。漢字辞典『漢字源』(学研)で「泰」を調べると「タイ」と載っています。そういえば「安泰」などは「タイ」と読みますよね。
答えはもうわかりました。タイです。漢字の由来は、「泰」の字を上から「三」「人」「水」に分解するとわかりやすいです。真ん中に見られる「水」と「人」は左右の手で水をすくうイメージ。上の「三」は「大」を意味したそうで、水をたっぷりと両手ですくうという意味です。
結果として「おおらか」「ゆったり」「やすらぎ」「安心」などの意味が込められているようです。『漢字源』にも、
<国名。タイのこと。▷Thaiの音訳。>(『漢字源』より引用)
と書かれています。なんだか世界屈指の観光国らしい漢字ではないですか?
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ほほ笑みの国タイの観光で「おおらか」「ゆったり」「やすらぎ」は常に挙げられるキーワードですし、バンコク湾に注ぎ込むチャオプラヤ川の流れ、雨期の激しいスコール、タイの旧正月の水かけ祭りなど、水のイメージも十分にあります。
ある意味で、音訳表記した国名の中で最高傑作のひとつと言えるかもしれません。
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