キウス周堤墓群(北海道)
(C)JOMON ARCHIVES(北海道教育委員会撮影)
約3200年前のものとされるキウス周堤墓は、千歳市にある大規模な共同墓地。周堤墓とは、円形に竪穴を堀り、その外側の周囲にドーナツ状に土を盛り上げてつくった墓地のこと。縄文時代後期につくられ、北海道だけに見られる独特の形態です。「千歳市埋蔵文化財センター」では、キウス周堤墓群をはじめ、千歳市内から出土した土器・石器を多数展示しています。
大船遺跡(北海道)
函館市にある大船遺跡は約 5500~4000 年前の集落跡で、太平洋を望む丘の上にあり、竪穴建物、貯蔵穴、お墓、盛土などが発掘されています。祭祀場だった場所からは、大量の土器・石器などが発見され、祭祀・儀礼が盛んに行われていたことが想像されます。大船遺跡の出土品を展示する「函館市縄文文化交流センター」では、北海道で唯一の国宝「中空土偶」も常設展示しています。
入江・高砂貝塚(北海道)
(C)JOMON ARCHIVES(洞爺湖町教育委員会撮影)
洞爺湖町の内浦湾を望む高台にある集落跡です。入江貝塚には3カ所の大きな貝塚があり、貝や魚の骨などが堆積しているほか、イルカなどの海獣の骨も見つかっています。また、19体の人骨が発掘されたことから、墓地としても利用されていたことがわかりました。「入江・高砂貝塚館」では入江貝塚や高砂貝塚の出土品に加えて、人の歯に似せてデザインしたイノシシの牙など、珍しい装飾品も見られます。
三内丸山遺跡(青森県)
青森市にある三内丸山遺跡は、約5900~4200年前の大規模な集落跡で、たくさんの竪穴建物跡や掘立柱建物跡、盛土、大人や子どもの墓などが見つかっています。土器や石器、2000点を超える土偶、動植物遺体などが出土。当時の暮らしや文化、祭祀・儀礼が垣間見える貴重な資料となっています。「三内丸山遺跡センター」では重要文化財約500点を含む総数約1700 点の出土品を展示。センター内のレストランでは、土偶のクッキーを添えた「縄文パフェ」が人気です。
御所野遺跡(岩手県)
(C)JOMON ARCHIVES
岩手県二戸郡一戸町にある約 4500~4000 年前の拠点集落跡で、およそ800年もの間、人々が定住したと考えられています。住居跡や盛土遺構、配石遺構などが分布し、遺跡からは土器や石器、土偶、動物骨、堅果類などが出土。近くを流れる馬淵川や周辺の豊かな森の恵みで、狩猟や採集、漁労を中心とした生活を営んでいたとみられています。「御所野縄文博物館」では、ムラの暮らしを伝えるプロジェクションマッピングによる展示も楽しめます。
大湯環状列石(秋田県)
(C)JOMON ARCHIVES
秋田県鹿角市の大湯川沿いの高台にある、縄文時代後期の祭祀遺跡です。「環状列石」とは、自然石をいくつも環状に並べた石造りの遺構で、大湯環状列石には、最大径44メートルの「野中堂環状列石」や、最大径52メートルの「万座環状列石」が遺されています。「大湯ストーンサークル館」で、は大湯環状列石で行われた祭祀・儀礼に関わる出土品が見られます。
伊勢堂岱遺跡(秋田県)
(C)JOMON ARCHIVES(北秋田市教育委員会撮影)
北秋田市にある約 4000~3700年前の遺跡です。国内で唯一、4つの環状列石が発見された祭祀遺跡で、掘立柱建物跡や土坑墓、柱穴、溝状遺構なども検出されています。土偶、動物形土製品、鐸形土製品など祭祀遺物も多量に出土し、「伊勢堂岱縄文館」では発掘品の展示物のほか、遺跡調査の様子や環状列石の特徴について詳しく解説しています。