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日本一小さい陥没湖
琵琶湖
冒頭でも書いたとおり、日本で最も大きな湖は琵琶湖です。この琵琶湖は陥没湖の一種で、断層など地殻の変動によって土地が陥没・陥落してできたくぼみに水がたまって生まれたものなのです。
日本の代表的な陥没湖は、日本で最も大きい琵琶湖や長野県を代表する諏訪湖など(どちらも断層湖)が挙げられます。
今回は、そんな陥没湖に注目して日本一を考えてみましょう。最大が「琵琶湖」である一方で、日本最小はどこかというと……そう、長崎県島原市にある「白土湖(しらちこ)」でした。
一夜にして湖が誕生した
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そもそも白土湖のある長崎県島原市によると、長崎県にある湖はほとんどが人造湖で、この白土湖だけが非人造湖なのだとか。
それだけでもちょっとユニークな立ち位置ですが、さらにこの湖は日本で最も小さい陥没湖といわれています。いわば琵琶湖と真逆の存在にある湖なのです。
その広さは、島原市の公式サイトに東西約180m・南北約900mと記載されています。琵琶湖は最大幅22.8km・南北63.49kmなので、同じ陥没湖でもかなりの違いがありますよね。
そもそも島原市とは、長崎県でも南東部に押し出した半島の東岸に位置していて、雲仙天草国立公園の一部にも指定される雲仙岳が全国的に有名です。
その島原市で1792年(寛政4年)に雲仙岳が火山性地震を起こし、眉山が山体崩壊して、島原湾の対岸にある熊本県に津波が押し寄せました。
この一連の出来事を「島原大変(たいへん)肥後迷惑」と呼ぶそうです。この山体崩壊の際に大規模な地すべりが起きました。その時に出来たくぼちに多量の地下水が湧き出し、一夜にして誕生したのが白土湖なのだとか。
当時の島原藩が人工の水路をつくって海へ排水します。しかし完全に水はなくならず、最終的に今の大きさに落ち着いたのだそうです。1日4万リットルといわれるわき水を生活用水として市民は暮らしの中で活用するようになります。
水面にはかなり藻が繁殖しているものの、水そのものは奇麗のようです。島原半島世界ジオパークをドライブしながら巡る機会があれば、ちょっとだけ休憩を兼ねて立ち寄ってみると楽しいかもしれませんね。
[参考]
※ 災害に学ぶ(3)島原 6月3日を考え続ける – 西日本新聞
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