【実は日本が世界一】最も売れているエンタメ作品は?1位と2位を日本が独占!

Posted by: 坂本正敬

掲載日: Dec 22nd, 2021

知られるざる「日本が世界に誇れるモノ・コト」を紹介する当企画。今回は、経済成長こそ元気がない日本の中で、まだまだジャパニーズブランドが世界のトップを走っているカテゴリーに注目してみます。それは、「メディア・フランチャイズ」による総収益。世界1位と2位…。どころか、6、8、9位も日本の作品だったのです!

漫画のイメージ


 

日本勢が世界「1位、2位、6位、8位、9位」に

スター・ウォーズのダース・ベイダー
『スター・ウォーズ』のダース・ベイダー (C) Stefano Buttafoco / Shutterstock.com

メディア・フランチャイズ(media franchise)とは何なのでしょうか?

映画や文学、アニメ、テレビ番組など、何らかのフィクションが最初に存在し、そのフィクションから派生して、さまざまな作品が生まれるケースがあります。例えば『ドラゴンボール』の漫画作品が最初に存在し、その漫画がテレビアニメになり、ゲームにもなって、映画にもなり、カードゲームにもなってと、派生作品を次々に生むパターンです。

海外でも同様のケースはたくさんあります。ディズニー作品や『スター・ウォーズ』などが典型例です。

世界中のそうしたヒット作品と関連の作品群を「メディア・フランチャイズ」と呼びます。日本では「メディアミックス」のほうに馴染みがあるかもしれません。広告業界における宣伝手法が本来の意味ですが、マーケティング業界では「メディア・フランチャイズ」的な意味で「メディアミックス」の言葉を使います。

では、世界中に存在するメディア・フランチャイズの中で、最も収益を上げている=成功している作品は何だと思いますか?

アメリカの金融会社TitleMax社が歴代トップ25を集計して発表しています。前述した『ドラゴンボール』は15位、『スター・ウォーズ』は5位ですが、同ランキングにおいて世界一を極めた作品は日本の作品なのです。

しかも、1位どころか2位も6位も8位も9位も日本勢です。3位・4位・5位(『スター・ウォーズ』)・7位がアメリカ勢、10位がイギリスです。

「約10.3兆円」の総収益を上げた日本作品とは

メディア・フランチャイズとして史上最も収益を上げている作品トップ5を、5位から紹介しましょう。

5位は『スター・ウォーズ』で、総収益が約650億米ドル、日本円にして約7.3兆円です。1977年(昭和52年)のスタートから現在に至るまで、すさまじい金額を稼いでいるのですね。

次いで『ミッキーマウス』が4位。総収入は約700億米ドル、日本円にして約7.9兆円に達します。『くまのプーさん』が第3位で総収益は約750憶米ドル、日本円にして約8.4兆円です。

では、このランキングにおいてワンツーフィニッシュを果たした日本の作品シリーズは何なのでしょうか?

答えはずばり、第1位が『ポケットモンスター』で、第2位が『ハローキティ』でした!

意外でしたか? それとも納得といった感じでしょうか。

第1位の「ポケモン」に関して言えば、スマートフォン向けゲーム『ポケモンGO』の2016年(平成28年)における世界的なヒットも記憶に新しいです。各種のグッズが圧倒的な売り上げを記録していて、ゲームもトレーディングカードも好調です。1996年(平成8年)に登場して以来、約920億米ドル、日本円にして約10.3兆円の総収益を誇っています。ランキング内で唯一の10兆円超えですね。

ハローキティ
(C) Zoltan Kiraly / Shutterstock.com

第2位の「キティちゃん」も1974年(昭和49年)の登場以来、約800億米ドル、日本円にして約9兆円の総収益を記録しています。

「ポケモン」がグッズ販売のみならず、ゲーム、トレーディングカードで大きな収益を上げている一方で、「キティちゃん」は、ほぼグッズ販売が収益の内訳を占めています。

確かに街を見回せば、キティちゃんのグッズがそこかしこにありますよね。海外ファンも個人的に多く知っていますし、小学1年生と年中児の筆者の娘たちも、やはりグッズを見ればときめくようです。

いずれにせよ「ポケモン」も「キティちゃん」も、「プーさん」や「ミッキー」以上の成功を世界で収めており、あの『スター・ウォーズ』も及びません。『ディズニープリンセス』(第7位)にも倍近い差をつけています。

「日本経済に元気がない」や、「エンタメ業界もガラパゴス化して世界では通用しない」なんていう言葉も聞くことが増えていますが、実際にふたを開けてみると日本のエンタメは世界で圧倒的な成功を収めているのです。

スーパーマリオのフィギュア
(C) Thiti Wongluang / Shutterstock.com

ちなみに、日本勢の6位・8位・9位は何なのでしょうか?

『それいけ!アンパンマン』が第6位、『スーパーマリオブラザーズ』が第8位、『週刊少年ジャンプ』が第9位です。

『機動戦士ガンダム』『ドラゴンボール』『ONE PIECE』『遊戯王』もトップ25にランクインしています。日本のエンターテインメント、お見事ですね。

 

[参考]

The 25 Highest-Grossing Media Franchises of All Time – TitleMax

Revenue of selected media franchises worldwide as of August 2021(in billion U.S. dollars) – statista

※ 「日本が世界一」のランキング事典(宝島社新書)

[All photos by Shutterstock.com]

PROFILE

坂本正敬

Masayoshi Sakamoto 翻訳家/ライター

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

翻訳家・ライター・編集者。東京生まれ埼玉育ち。成城大学文芸学部芸術学科卒。現在は、家族と富山に在住。小学館〈HugKum〉など、在京の出版社および新聞社の媒体、ならびに〈PATEK PHILIPPE INTERNATIONAL MAGAZINE〉など海外の媒体に日本語と英語で寄稿する。 訳書に〈クールジャパン一般常識〉、著書(TABIZINEライターとの共著)に〈いちばん美しい季節に行きたい 日本の絶景365日〉など。北陸3県のWebマガジン〈HOKUROKU〉(https://hokuroku.media/)創刊編集長。その他、企業や教育機関の広報誌編集長も務める。文筆・編集に関する受賞歴も多数。

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