九州屈指のパワースポット「霧島神宮」
日本でもっとも古い書物『古事記』や『日本書紀』に記されている、神が最初に降り立ったという「天孫降臨」の地・霧島。元々「霧島神宮」は、霧島連山の高千穂峰と御鉢の間に建てられたとされ、幾度もの霧島山の噴火により社殿の消失と移転を繰り返してきました。
創建は6世紀頃、欽明天皇の時代と伝わり、「天孫降臨」神話の主人公である瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)を祀る、数少ない「神宮号」を名乗る神社です。現在の社殿は、江戸時代の正徳5年(1715年)に薩摩藩主・島津吉貴の寄進に寄り建立されました。
木々に囲まれた表参道を抜けると桜島を一望!
霧島温泉から車やバスで20分ほどで到着。西日本一の高さを誇る大鳥居が堂々と構えています。さすがの迫力!
神橋から80段ほどの石段を上り、二の鳥居の先の表参道を歩いていると、うっそうと茂る木々の緑に包まれ清々しい空気を感じます。
参道を抜けると、晴れた日には桜島や鹿児島湾、鹿児島市街地、開聞岳などを一望する展望所のある広場に出ます。
ここには「招霊木(おがたまのき)」と「さざれ石」のパワースポットがあります。招霊木は神霊を招く木として神社によく植えられ、その小枝は神前に供えられます。2月中旬~3月中旬に香しい花を咲かせるそうです。
さざれ石は「君が代」でもおなじみですね。三の鳥居の右下に鎮座しているのでお見逃しのないよう!
坂本龍馬とおりょうの新婚旅行の地
慶応2年(1866)、日本の歴史の大転換期に坂本龍馬と妻のおりょうは薩摩(鹿児島)を訪れています。京都伏見の寺田屋事件で襲われて九死に一生を得た龍馬は、おりょうとともに霧島の温泉でその傷を癒しながら、高千穂の峰にある天の逆鉾を見るため高千穂登山をしたといいます。
その足で霧島神宮をお参りをしたと、姉・乙女への手紙に記されています。
本殿、幣殿、拝殿が「国宝」に指定
本殿をお詣りする前に、手水舎で身を清めましょう。
3月下旬でしたが、三の鳥居前に桜が咲き始めていました。お花見にもよさそうですね。
参道を抜けると、鮮やかで格調高い朱塗りの荘厳な社殿が表れます。2022年2月9日、本殿、幣殿、拝殿が国宝に指定されました! 登廊下、勅使殿は重要文化財。出かけたのはその直後だったので、お祝いののぼりが立ち、おめでたい雰囲気に包まれていました。国宝指定記念の絵馬や写真帳も販売されていましたよ。
特に本殿は、外部だけでなく内部の至る所まで朱塗りに極彩色の豪華な装飾が。神社建築でここまで装飾を凝らしたものは珍しいそうで、「西の日光」とも称されています。
立派なご神木にもお詣りを。推定樹齢約800年、高さ35mある霧島杉と呼ばれるご神木は、南九州一帯の杉の祖先とも伝わります。
霧島神宮の「ご利益」とは?
ひと通りお詣りした後は、お守りやお神酒などが並ぶ授与所へ。天から降臨して国土を開拓したニニギノミコトを主祭神とし、そのお后や御子神、御孫神が祀られているので、国家安泰、事始め、五穀豊穣、家庭円満、子孫繁栄などにご利益があるとされています。
「霧島神宮」に古くから伝わる9つの面である九面は、お金などの工面に通じるとして信仰を集めています。九面土鈴、9つの面をそろえると満願成就となる九面守などがあり、縁起物として人気です。
龍馬とおりょうの新婚旅行の地でもあるので、縁結びの神としてもご利益があるようですよ。神様にお供えする御神酒と神盃もありました。
境内の売店では、軽食やスイーツをいただくこともできます。参拝記念菓子「鉾餅」などのお土産も購入できますよ。
境内にある「霧島の七不思議」のパワースポットも
霧島神宮の境内には、「霧島の七不思議」と呼ばれるパワースポットの内の3つがあります。本殿左側の旧参道である亀石坂にある、亀にそっくりな自然石「亀石」が1つ目です。神様との約束を破った亀が石にされたという伝説があるのだとか。
2つ目の七不思議は「風穴」。以前はいつも極弱い風が吹き出ていて不思議に思われていました。岩の上には石造りの観音が安置されていたといいます。
霧島神宮から西へ250mほどの岩穴から湧き出る「御手洗川」が3つ目です。11~4月頃はほぼ枯れていますが、5月頃から勢いよく大量の水が湧き出てきます。魚も一緒に湧いてくるのだそう。天孫降臨の際、高天原から持ってきた真名井の水が混ざっていると伝わります。
ほかの4カ所「蒔かずの種」「文字岩」「両度川」「夜中の神楽」は、霧島神宮からは少し遠かったり見るのは難しいものもあるので、興味のある人はこちらを中心に回ってみて下さいね。
3月下旬~4月上旬は桜、5月下旬~6月中旬にミヤマキリシマ、10月下旬~11月中旬には紅葉と四季折々の景色を楽しめるのも魅力。境内の霊験あらたかなパワースポットからしっかりとパワーをいただき、英気を養ってみてはいかがでしょうか。
住所:鹿児島県霧島市霧島田口2608-5
TEL:0995-57-0001
営業日:通年
営業時間:8:00~17:30(授与所)
休日:無休
料金:入場、参拝無料
交通アクセス:[車]九州自動車道「溝辺鹿児島空港IC」から約40分、[バス]JR日豊本線「霧島神宮」駅より霧島いわさきホテル行きバスで約15分「霧島神宮」下車後すぐ
駐車場:有
URL:https://kirishimajingu.or.jp/
神聖な空気と絶景を満喫!「霧島神水峡」
霧島神宮をお詣りしたらぜひ訪れたいのが「霧島神水峡(きりしまししんすいきょう)」。霧島神宮の大鳥居の反対側にある、全長1,800mの遊歩道です。大鳥居近くの霧島市観光案内所で情報を入手しましょう。
道路から少し下っただけで、豊かな自然に包まれた霧島川の渓谷が現れます。遊歩道が設置されているので安心して散歩できるのがうれしいですよね。
渓谷沿いで気軽に森林浴を楽しめます。心身が浄化されていくような気持ちのよい場所です。
ほどなく柱上の溶岩「柱状節理」が現れました。霧島山の御鉢(みはち)火山の788年の噴火で流れてきた溶岩です。垂直に並ぶ割れ目は、溶岩が冷え固まった時にできたもの。自然が創るダイナミックな景観に圧倒されます。
さらに歩くと、エメラルドグリーンの池のようなスポットが登場。透明度の高い、吸い込まれそうな水の色が美しすぎる! 神話の大地というのがうなずける光景です。
「戸崎橋 人工滝」は白いカーテンが流れ落ちているかのよう。
散策後には、霧島市観光案内所で販売されている新鮮なブルーベリーを活かしたジュースを味わうのもおすすめ。自然な甘酸っぱさに少し疲れた体が生き返るようです。手作りジャムや肉味噌などのお土産も購入できます。
神聖な空気の流れる異世界を、20分ほどで気軽に散策できます。火山活動による霧島ならではの美しい景観は、ほかではなかなか見られません。霧島神宮を訪れたら、ぜひ寄ってみて下さいね。
住所:霧島市霧島田口2608-5付近
TEL:0995-78-3455(霧島市観光PR課)
駐車場:有
URL:https://www.city-kirishima.jp/kirikan/shisetsu/kanko-leisure/034.html
[参考]
霧島神宮
鹿児島観光サイト(霧島神宮)
霧島市(霧島七不思議伝説)
[All photos by Yo Rosinberg]
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