イギリス人はsorryを連発する!?
よく「欧米人は謝らない」と言われますが、道端ですれ違いざまにちょっとぶつかってしまったなど、「おっと、失礼」と言いたいときに、イギリス人はsorryを連発します。今回は、簡単なようで実は奥深いイギリス流のsorryの使い方を解説します。
sorryの基本の使い方
まずはsorryの使い方をさっくり確認しましょう。
謝るとき
まず謝りたいときにはsorryを使います。
例)I’m sorry, I’m late. The traffic was so heavy.
遅れてごめんね。渋滞がひどかったの。
聞き取れなかったとき
相手の言っていることが聞き取れなかったときに、Sorry?と語尾を上げて質問口調で聞くことで、「すいません、もう一度言ってください」という意味で使われます。
ちなみにPardon? (もう1回いいですか?)、Come again? (もう一度)という人も多いです。
「残念」と言いたいとき
何かよくない知らせを聞いたときに、相手を思いやって「そのことを残念に思う」と同情する気持ちを表す場合にも使います。
例)I didn’t get that job.
あの仕事に、採用されなかったの。
I’m sorry to hear that.
そっか、残念だね。(そのニュースを聞いて残念です)
sorryを押し付けないのがイギリス流エチケット
ちょっとしたことにはsorryを連発するイギリス人ですが、実際に失言をしてしまった、ミスをしてしまったというようなときには、なかなかI’m sorry とは言いません。
最近は、相手を傷つけてしまった場合に、I’m sorryを多用するのをむしろ控えるのがマナーとされています。謝らないほうがいいの?と不思議に思うかもしれませんが、イギリス人らしい理由があるのです。
イギリス人が傷つけたり迷惑をかけてしまった相手にsorryを使って謝らない理由は、I’m sorryを連発することで、逆に相手に“Don’t worry. It’s fine.”(心配しないで。大丈夫です)と言わせてしまわないようにという配慮からです。
例えば相手を傷つける言葉をかけてしまった場合、
例)I’m so sorry I didn’t mean to say that.
本当にごめん。あんなこと言うつもりではなかったの。
Don’t worry. It’s fine.
気にしないで。いいのよ。
何度も“sorry”と謝られたら、本当は傷ついて決して大丈夫ではなくても、「いいのよ」と言わせてしまうことになります。
現在では、相手も感情的になりたくないであろうビジネスシーンなどでは、I’m sorryを多用するのは避けようという雰囲気になっています。
相手に「いいのよ、大丈夫」と言わせないためには?
もちろん傷つけたり迷惑をかけた相手に謝りたいときに、素直に謝ることは大切です。ただし、I’m sorryで謝罪するのは1回で切り上げ、その後に「間違いを指摘してくれてありがとう」と感謝するか、「次からはこうする」と改善策を言うことがよしとされています。
そうすることで、相手に「いいのよ。大丈夫だから」と無理やり言わせなくて済むからです。
例)How’s your husband?
ご主人は元気?
Well, actually we are separated.
えっと、実は別居してるの。
I’m sorry I didn’t know. Thank you for sharing.
ごめん、知らなかった。教えてくれてありがとう。
上のようにI’m sorryだけで会話を切り上げずに、別の文章で終わらせることがコツです。
イギリス人は気遣いやマナーを大変重んじる日本にもどこか似た文化があります。「ごめん、ごめん」と連発するよりも、相手に「いいのよ」と言わせない配慮からくる、ちょっと複雑なsorryの使い方を紹介しました。参考にしてみてくださいね。
[All Photos by Shutterstock.com]