海外をちょっと長く旅するとなると、自分で衣類を洗う必要が出てくるかと思います。今までにホテルの洗面台で靴下や下着を洗って、部屋干しした経験のある人も少なくないのでは?
とはいえ不十分な洗い方が続いたり、乾かすまで時間が長かったりすると、次第にニオイの問題が気になってきます。では、長旅で手洗いを余儀なくされるとき、ニオイ対策はどのようにすればいいのでしょうか?
そこで今回はバックパッカーとして世界中を周る知人に、旅先での靴下のニオイ対策を聞いてみました。その上で、実際に筆者も試してみます。
具体的な方法とともに、効果もレポートしますので、ぜひともチェックしてみてくださいね。
水に酢を入れて漬ければニオイが消える!?
旅先で自ら洗った&部屋干しした靴下のニオイが気になったら、どうすればいいのでしょうか? その方法としてズバリ、酢をたらした水に靴下を漬けておくといいと教えてくれました。
「酢?」と思いましたが、インターネットで調べてみると酢には殺菌効果があり、悪臭の原因となる菌を除去してくれる効果があると、一部に言われています。
そこで実際の効果を探るべく酢を用意し、洗面器に水を張って、古い靴下を探してみました。
あちこちをかぎ回ってみると、筆者の旅行用リュックサックに入っていた古い靴下から、下水管のようなニオイがすると判明します。
「これだ」と思い、早速水を張った洗面器に酢を小さじ1杯の半分の2.5cc入れて、靴下を投入してみました。
酢を垂らしてニオイ消しをやってみると・・・
放置している間に、筆者は仕事場に戻ります。数時間経ったところで、洗面器の水を捨て靴下をすすぎ、期待に胸を高鳴らせて鼻を近づけてみました。
するとなんと、消臭どころかお酢のニオイが・・・。知人はちょっとお酢を垂らすと言っていたので、もしかすると2.5ccは入れすぎだったのかもしれません。
ただ少なくとも下水管のようなニオイはしませんでした。「それなら乾いた状態でニオイをかいでみよう」と、ピンチハンガーに靴下をつるし、サーキュレーターを向けて一気に乾燥をスタート。
再び仕事場に戻り、また時間が経ったところで乾いたソックスを鼻に近づけてみます。
今度は完璧な無臭状態に仕上がっていました。ある意味で、酢の効果があったのかもしれませんね。
酢には殺菌効果がない!?
ただ、今回はサーキュレーターを使い、素早く乾燥させたからニオイが抑えられただけかもしれません。エフシージー総合研究所という会社のホームページには、
<お酢は食品の腐敗防止に効果を発揮しますが、その静菌効果は他の用途に応用しにくく、使用の場面は限られます。お酢には糖分やアミノ酸が含まれており、細菌やカビの栄養源として増殖を手助けしてしまう可能性があります>(エフシージー総合研究所のホームページより引用)
といった情報もあります。そもそも酢には殺菌効果がなく、あっても菌の増殖を抑える“静菌”効果があるに過ぎないとの話です。
衣類のニオイ対策としては、あくまでも洗濯物をぬれた状態で放置せず(細菌の増殖につながる)、素早く乾かすといった工夫が第一優先されるべきみたいですね。
とはいえ旅先にサーキュレーターがあるとは限りません。窓を開けても蒸した空気が流れ込んでくるだけの国に旅行した場合はどうすればいいのでしょうか? 安ホテルのために、エアコンが壊れていたとしたら・・・?
そうした状況でこそ、酢が使えるのかもしれませんね。あくまでも希望的な話ですが、乾燥までに手間取っている間に、菌の繁殖を酢が少しは抑えてくれるかも。
酢は英語で?
ただ、旅先では酢を持っていない人がほとんどですよね。基本的には、現地のスーパーでの調達になります。酢は英語で何というのでしょうか?
英語でvinegar、スペイン語でvinagre、フランス語でvinaigreです。似ていますよね。発音はなんとなくローマ字読みで。太字は最も強く発音する音。ドイツ語ではEssigです。旅先の言葉で「酢」をなんというか、長旅の前に予習しておくと安心かもしれません。
以上、旅先で靴下を手洗いする際には、酢をちょっと垂らした水に浸してからすすぐと、ニオイを抑えられる可能性が高いという話をしました。
ちなみに最速で靴下を乾かしたい場合は、ドライヤーの送風口を靴下に突っ込んだまま温風を送って、そのまま見守るという手もあります。
細菌に繁殖するすきを与えず、一気に乾かせます。ニオイ対策にもなりますよね。ただ、安全性が高いとは言えないかも。大量の洗濯物にも対応できません。あくまでも緊急手段ですね・・・。
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