2016年までの世界遺産の登録数は、なんと1052件、これに自然遺産、複合遺産、危険遺産を加えると2000件を超えます。ものすごい数ですね。とても生きている間に全部見ることができないような気がします。では、どうやって遺産を知るための旅先を選んだらいいでしょう。
U.S. News & World Reportが発表したばかりの、世界各国を対象とした遺産ランキングを見てみましょう。このランキングは、歴史、食文化、文化的な魅力などについて、複数の地域の2万1000人以上の人々にアンケート調査をした結果です。遺産の魅力がある国のランキングということになります。日本は13位で残念ながら圏外。10位からカウントダウンしていきます。
第10位 中国(遺産登録数は50で第2位)
万里の長城
登録遺産が50で第2位の中国、魅力度ランキングでは10位でした。
文化的観光名所や長い歴史のスコアは高い一方、旅のしやすさのスコアが低いのは国土が広いためのようです。また、料理についても4.7(10点満点中)であまり高くありませんでした。
第9位 トルコ(遺産登録数は16で第17位)
カッパドキア
登録数が比較的少ないものの堂々の9位。トルコ料理の魅力も、食べ物のスコアで8.1と高く、総合点に貢献しました。トルコ料理は世界三大料理の一つ。それに、無形文化遺産に登録された食事文化7つのうちの一つでもあります。
第8位 ポルトガル(遺産登録数は15で18位)
シントラのペナ宮殿
一時は世界の海を征したポルトガルですが、1755年にリスボンを襲った地震で、当時の富と栄光は失われました。どのスコアも比較的良いのですが、特に文化に触れる旅のしやすさのスコアは8.2と高いスコア。料理も7.8と高スコアでした。
第7位 タイ(遺産登録数は5で58位)
スコータイの遺跡
遺産登録数は5つだけ。それでも大健闘の第7位は微笑みの国タイ。文化に関する見どころが多いことと、そして何しろその伝統料理の魅力については9.1と高スコアでした。
第6位 メキシコ(遺産登録数は34で7位)
マヤのピラミッド
登録遺産数7位なので、だいたい相応なランキングですが、こちらも料理のスコアが比較的高く7.5。メキシコの伝統料理も世界無形遺産に登録されています。タコスやトルティーヤだけでなく、様々な料理文化が継承されています。
第5位 インド(遺産登録数は35で第6位)
タージマハール
文化的な見どころが10点満点、歴史のスコアが9.5。一方、食事が7で、旅のしやすさは低く6.4でした。インドは一つの国ですが、いくつもの王国がありそれぞれが繁栄を極めた歴史があります。そして、それを実感できる美しい建造物も多く残っています。
第4位 フランス(遺産登録数は42で第4位)
モンサンミッシェル
すべてのスコアで高い結果です。見どころも多く、歴史も興味深い。そして食事は、もちろん魅力的ですよね。
第3位 ギリシャ(遺産登録数は18で第15位)
アテネのアクロポリス
遺産登録数が18ですが、この高ランク! 見どころの数と、その歴史に関するスコアは、ともに9.9でした。食事も8.5とよいスコア。地中海の自然の恵みが楽しめます。
第2位 スペイン(遺産登録数は50で第2位)
セゴビアのアルカサル城
旅のしやすさ、見どころの多さ、ともに満点。歴史は9.8、食事は9.6と、ほぼ満点です。地中海に面した国々は、ローマ帝国時代からの長く興味深い歴史と、豊かな自然からもたらされる食材にも恵まれて、高ランキングです。
第1位 イタリア(遺産登録数は51で第1位)
ローマのコロッセオ
堂々の第1位はイタリア。歴史が9.9ですが、旅しやすさ、見どころの数、食事が満点でした。多くの人々を引き付けるのは、興味深い文化遺産が多いこともありますが、人々が伝えた文化、生活そのものも含めて、すべてが総合的に魅力的であるからだと思います。
さて、第13位の日本、実は食べ物のスコアが4.7と低いんです。日本食の良さを世界にきちんと伝えていかなければいけないですよね。日本の食文化も2013年に無形文化遺産に登録されました。これからの躍進が楽しみです。
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