世界的に有名な青の洞窟。「入れたらラッキーと」言われている所以はご存知ですか?
「一生に一度」は訪れる価値がありますが、筆者は「一生に一度」でいいや、とも思いました(笑)! くわしくは本文をご覧ください。
そもそも「青の洞窟」とは
イタリア南部、ナポリの近くのカプリ島にあります。ちなみにレオナルド・ディカプリオの苗字は、「カプリ島の」の意。
洞窟は、幅25m、奥行60m。そしてその入口は幅が2m、高さが1mという狭さ。普通の洞窟なら中が暗いのに、海水が青く発光しています。これは、洞窟の入口の下、水中にもう一つ穴が開いていて、そこから差し込む太陽光のせい。光が水中を通過する際、赤い反射光が除かれて、青色だけが洞窟内に届くのだそうです。
訪れるべき時期・時間帯
必ずしも入れるとは限らないのがこの洞窟。最もよいのは夏の晴れたお昼です。筆者が訪れたのは6月末の昼でした。
波が荒いと高さのない洞窟の入口が塞がるので、1月から3月初旬の時期、夕方は船が出ない率が高まります。2016年、最も入場率が高かったのが8月の74%。2月と12月はなんと0%!
昼から2時くらいまでが一番光が強くて美しいそうです。午前中もいいとか。
青の洞窟にたどり着くまで
ナポリからフェリーかジェット船でカプリ島へ。島の港から洞窟の近くまでモーターボートで行き、洞窟に入る順番を待ちます。あたりは待機中の船でいっぱい。長ければ1~2時間待ち。
エンジンを切ると、船は波の影響をもろに受け、どっぷん、どっぷん、大きく揺れます。薬は飲んでいましたが、絶対酔うと思い、空いているスペースで横にならせてもらいました。三半規管を横にする作戦です。変な人と思われた方が船酔いで迷惑をかけるよりマシです。
乗客4人までの手漕ぎボートに乗り換えます。これも当然揺れます。横になれないので肘をついて頭を横にしていると、船頭から眠いのかと不思議がられました。この船頭からは、10ユーロという法外なチップを何度もねだられます。こんなに待ち時間が辛いとは!
ようやく中へ!
船頭が鎖を手繰り寄せ、乗客は頭を低くして、低い洞窟の入口を通ります。
中に入ると、嘘みたいに鮮やかに光る青が!これが天然ものだとは俄かに信じられません。海底からライトを当てているんじゃないかと訝ってしまうほどの光です。この青の世界に静かに浸りたい・・・。
狭い洞窟のなかを3台のボートがぐるぐる旋回します。3人の船頭の歌が反響し、まるでディズニーランドのカリブの海賊のよう。色合いと音とあいまって、一瞬、現実なのか幻なのか、分からなくなりました。
中にいたのはたったの5分。あとで、あとで、と引っ張ったチップですが、洞窟を出てから渡したのは相場の2ユーロ。船頭はかなりがっかりしていましたが。
この商魂たくましい接客さえなければ、もっとロマンティックな気分が味わえたのに!これも含めて南イタリアなのかもしれませんが。
青の洞窟は他にも!
実は青の洞窟は世界中に点在しています。沖縄やクロアチアにもあるそうです。これはシチリア・タオルミナ。午後だったせいか暗い色味ですが、たしかに発光していました。
[All photos by Shio Narumi]
[Italia Express]
[Capri.com]
Shio Narumi ライター
イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。
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