北欧の国フィンランドで、思い出すのは何でしょうか。極寒の地、オーロラやサンタクロース、トナカイの冬のイメージしかないのでは?
夏のフィンランドは白夜で有名、真夜中でも沈まない太陽が見られます。長く寒い冬から解き放たれ、24時間太陽が輝く夏は、喜びと美しさに満ちあふれます。私たちがあまり知らない夏のフィンランドの魅力を探ってみましょう。
白夜の国
夏のフィンランドは、ヘルシンキでも23時頃まで日が落ちることがありません。北極圏のラップランド地方では、5月から7月末にかけて真夜中の太陽を見ることができるそうです。明るい夜が醸し出す幻想的な雰囲気は、日本では味わえないもの。短い夏ゆえ、夜まで思いっきり遊ぶのがフィンランド流の夏の過ごし方です。
白夜にまつわる言い伝えでは、「未婚の若い女性が7つの花を集めて夏至の夜に枕の下に置いて寝ると、夢に未来のフィアンセが現れる」が昔から信じられています。ロマンティックですね。
フィンランドの首都 ヘルシンキ
フィンランド共和国の首都ヘルシンキは、バルト海に面した人口約60万人の都市。ヘルシンキが首都になって2012年で200周年を迎えています。
夏季最高気温は7月で+21.7℃、冬季最低気温は-10.4℃。平均気温は年間+5℃です。日本から直行便で約10時間の一番近いヨーロッパの玄関です。
ヘルシンキの食のミニパンフレット「Food Helsinki? HEL YEAH!」 (日本語) は、こちら。
自然享受権があるフィンランド
森と湖の国と呼ばれるほど、自然に恵まれたフィンランド。自由に森の中を歩いて、「ベリー」や「きのこ」といった森の幸を誰でも楽しめる「自然享受権」があります。
夏場は、ベリー摘みが楽しみ。夏の長い日の光に照らされる白夜で、甘味やビタミン、フラボノ成分が凝縮されスーパーフードと呼ばれるほどです。ベリーの種類は、ブルーベリー、クランベリー、クラウドベリー、リンゴンベリー(コケモモ)と様々。フィンランドの人たちは、バケツに3杯も収穫するそうですよ。私たちも童心に帰って、森の恵みを摘みたいですね。首都ヘルシンキから約1時間で行くことができるヌークシオ国立公園には、ブルーベリー摘みのスポットがあります。
ただし、野生のベリーやきのこは摘んでも良いですが、誰かが所有する木からりんごやプラムを摘むのは不可。ごみは持ち帰ること。訪れた場所の自然の状態をそのままに保つこと。自由には、常識を守る責任が伴います。
ベリー摘み情報
ヌークシオ国立公園
http://www.visitfinland.com/ja/kiji/experience-the-finnish-national-park/
ヌークシオ国立公園でキノコ狩り&ベリー摘みツアー(日本語ガイド同行も可能)
7月中旬から10月までの期間限定ツアー
https://feelthenature.fi/ja/ヌークシオ国立公園でキノコ狩り&ベリー摘みツ/
ムーミンの国
ムーミンワールド
フィンランド南西部のリゾートタウン・ナーンタリの海に浮かぶ群島にある、ムーミンワールド(Muumimaailma/ムーミマーイルマ)。ナーンタリの街の中心街から、桟橋を歩いて渡った先に、ムーミン谷ならぬムーミン島が見えます。オープンしているのは夏だけですので、ウェブサイトを確認して訪れた方が良いでしょう。
ムーミンワールド Moominworld
夏のみオープン
6月10日から8月13日 10am-6pm 10 June–13 August 2017
from 10am to 6pm
8月14日から8月27日 正午-6pm 14 August–27 August 2017
from noon to 6pm
サウナ発祥の地
サウナは、世界中の国で使われている唯一のフィンランド語。フィンランドには330万のサウナがあります。ヘルシンキの国会議事堂にもサウナがあり、海外にあるフィンランド大使館にもあるそうですよ。誰かと一緒にサウナに入るということは、本当の問題について心と心で話し合うことを意味します。フィンランドでは、重要な決断は会議室ではなくてサウナでされるのです。
フィンランドのグルメ
フィンランドのグルメって、いったいどんなものがあるのでしょう。
カレリア・パイ
フィンランド東部のカレリア地方のパイ。皮はライ麦で作られ、ジャガイモや米、ニンジンなどが詰められた手に収まるサイズ。エッグ・バターを載せて食べるのが最高だそうです。
ニシンと新じゃが
バルト海でとれたニシンは「バルティックニシン」というブランドがついており、美味しいと有名。ミッドサマーのころに市場に出始めるジャガイモの収穫は地元の新聞でも毎年話題に上るほどで、フィンランド人たちはじゃがいもが大好きです。
サーモンのスープ
新鮮なサーモンがたっぷり入り、ほろほろくずれるじゃがいもや人参の優しい味のクリームスープ。魚好きの日本人の口に合います。味の決め手は、ハーブのディル。
レイパユースト
独特の歯ごたえで、噛むごとにキュッキュッと音がするフィンランドの焼きチーズ。牛のミルクから作られるチーズですが、トナカイやヤギのミルクで作られることもあります。温めて、ベリーのジャムをのせていただくのが一般的。
焼きソーセージ(グリッリ・マッカラ)
フィンランドの夏は、グリッリ・マッカラなしでは語れません。マッカラ(ソーセージ)はフィンランド人の大好物。屋台でも売っているので、手軽にアツアツのソーセージをパクリといただけます。
夏と冬のコントラストを楽しむ
北極圏の長くて暗い冬と対象に、短い夏は沈まない太陽に凝縮します。「オーロラ」と「白夜」が、フィンランドの究極のコントラストを象徴しているのですね。
日本から一番近いヨーロッパのフィンランド。白夜の季節に、行ってみたくなりますね。
比較的治安が良いが、置き引き、すり、詐欺に注意。http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure.asp?id=169
[フィンランド政府観光局公式ホームページ]
[ヘルシンキビジターズガイド]
[真夜中の太陽の国 フィンランド 白夜を満喫するおすすめスポット7選をご紹介]
[All Photos by shutterstock.com]