スイスの首都は「ベルン」ってご存知でしたか? 実際に訪れてみたら実に美しい街。その魅力、見どころをお伝えします。
ベルンはざっくりとこんな街
ベルンの語源は「熊」だと言われています。ツェーリンゲン公ベルヒトルト5世が12世紀に町をつくったときに、最初に捕らえた動物が熊だったからとか。市の紋章もこの通り、熊です。
(c)Shio Narumi
人口は14万人ほど。首都ですが、チューリッヒ、ジュネーヴ、バーゼルに続いて4番目の人口を抱えています。
スイスで一番大きな都市であるチューリッヒとベルンは、言ってみればワシントンとニューヨークみたいな関係。スイスの公用語は、ドイツ語(スイスドイツ語)、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語の4つあり、この2つの都市ではドイツ語が使われています。スイス人によると、ベルン弁はゆったりとしていて、チューリッヒ弁は早口とか。
見どころ1:馬蹄状に縫うアーレ川の美しさ
旧市街の街並みを、急角度にカーブするアーレ川が縁取ります。川の色の、青いこと!正直、入浴剤を入れたみたいな青さだと驚きました。こんな首都でさえ美しい水を湛えているなんて、さすが自然が溢れたスイスだなと思いました。
見どころ2:世界遺産の旧市街
赤褐色の屋根にベージュグレーの壁を持つ建物が並び、街は中世の雰囲気を湛えながらも整然としていて、文化都市の印象が強いです。ヨーロッパ最長の約6kmの石造りのアーケードや、正義の女神など色々なものをモチーフとした100箇所以上の泉(水飲み場)が見どころです。
見どころ3:街を見下ろす大聖堂
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大聖堂の前の広場は、ザ・ヨーロッパの雰囲気です。
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美しい街並みを見るために、ぜひ大聖堂の塔をのぼってみてください。狭い階段をらせん状に上がっていくのですが、その数344段。心臓破りです。
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アーレ川が馬蹄状になっている全容は見えないものの、街並みと川の色合いに目が奪われます。
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大きなパイプオルガンやステンドグラスが有名ですが、塔をくだる間に、裏方である巨大な鐘がのぞけるスポットが何か所かあるのが興味深いです。
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見どころ4:熊公園が人気
ベルン近くに住む友人が筆者に薦めた観光スポットは、大聖堂とこの熊公園でした。その友人が獣医のせいもありそうですが。広い敷地の中、3匹の熊がのびのび暮らしています。
見どころ5:アインシュタインの相対性理論が発見された土地
あの相対性理論が発見されたのがベルンの地であったとは驚きでした。アインシュタインにとっては3年程度のベルンでの滞在でしたが、3つの偉大な発見をしており、とても色濃いものだったことが容易に想像できます。彼の住まいが当時のまま残されています。
見どころ6:16世紀につくられた仕掛け時計
熊の兵隊のパレードなどの人形が、500年も前につくられた仕掛け時計で今も動いているという不思議。石の重さで歯車が動いているそうで、その石は約450キロだそう。
下側には15世紀の天文時計もついたダブルの時計になっています。
見どころ7:パウル・クレーゆかりの地で美術館がある
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ベルンは日本でも人気の画家パウル・クレーが半生を過ごした町。現在パウル・クレー・センター4000点が収蔵されています。常設展がなく、企画展のみを展開しています。彼の作品は小さいものが多く、展示数もそんなに多くないので、最後まで集中力をもって鑑賞して回れます。
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建物は日本の関西空港を設計したレンゾ・ピアノ氏によるもので、波状の屋根が印象的です。
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[ベルン観光局]
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