飛騨高山、白川郷、下呂温泉、奥飛騨温泉郷、馬籠などと併せて全国的な知名度を誇り、世界からも多くの観光客を引き寄せる郡上八幡(ぐじょうはちまん)も、岐阜県観光では鉄板のスポットですよね。清流の美しい城下町として年間約600万人が訪れる場所ですが、郡上八幡で定番中の定番のお土産と言えば何になるのでしょうか?
そこで今回は郡上八幡旧庁舎記念館の観光案内所や郡上八幡の地元の方、飲食店で働く方などに聞いて、鉄板のお土産を教えてもらいました。その上で実際に筆者が「これは」と思った商品をピックアップしてみましたので、ぜひともチェックしてみてくださいね。
中庄のはちまんプリン
最初は若者に人気の中庄という和洋菓子店が出す「はちまんプリン」になります。郡上八幡旧庁舎記念館(旧役場)の裏手にあるお店で、観光案内所の方も「それこそ、あそこのプリンとかロールケーキは若者に人気ですよ」と指を差して教えてくれた名店になります。郡上八幡にある別の飲食店で働く若い女性スタッフも中庄のプリンを推してくれました。公式ホームページによれば、
<役所前の前のお菓子屋さんとして親しまれてきた>(中庄のホームページより引用)
という老舗で、現在は3代目が切り盛りしていると言います。
実際にプリンを購入した後にお店を出ると、
「ここのプリン美味しいらしいよ」
と談笑しながら通り過ぎる女子3人グループの姿を見かけたほど。食べてみると素材の甘みが感じられるシンプルなプリンで、手作りの優しい味わいが伝わってきました。
1個280円で日持ちは2~3日程度だと言います。郡上八幡観光の最終日に買って帰るといいかもしれませんね。
野田軒製菓舗のとちの実せんべい
トチの実を使ったせんべいは、同じ岐阜県の飛騨高山や白川郷、富山県の五箇山などでも有名ですが、観光案内の方が名指しで教えてくれた商品が、野田軒製菓舗のとちの実せんべいになります。
類似の商品はいろいろな場所から出ていますが、とにかく野田軒製菓舗のせんべいがおいしいそうで、3代目の店主が1枚1枚こだわって、昔ながらの手作業でせんべいを焼いているそう。
野田軒製菓舗へ向かう途中、やなか水のこみちを抜けた先で、自転車を押す土地の女性と偶然話をする機会がありました。野田軒製菓舗について聞いてみると、やはり地元の方からも高い評価を受けている菓子店だとの話。
お店の近所にある手押しポンプで井戸水をくんで遊んでいた少年たちに聞いてみても、「知ってる」「うまい」と教えてくれました。子どもにはちょっと素朴すぎる甘みのような気もしますが、飽きのこないシンプルな味わいが意外に悪くないのかもしれませんね。
筆者がお店を訪れた時間は午後3時半ごろ。時期は冬で既に太陽が大きく傾いていましたが、それほど遅い時間ではないはずです。しかし、来店すると既にとちの実せんべいは最後の1袋でした。やはり人気なのですね。1袋は550円。それでいてなかなかの量(200g)が入っており、賞味期限も半年ほどになります。筆者は自宅に帰ってからブラックコーヒーのお供においしくいただきました。
http://www.gujokankou.com/spot/01hachiman/1745.html
住所:郡上市八幡町島谷940
電話:0575-65-2436
営業時間:8:00~19:00
定休日:火曜日
桜間見屋(おうまみや)の黒肉桂
最後は桜間見屋(おうまみや)の黒肉桂。漢字だけを見ると、お肉か何かの食べ物かと思ってしまいますが、昔ながらのあめ玉ですね。
肉桂とはニッケイと読み、通称をニッキ。『広辞苑』を見ると、今の若者が分かる言葉で言えば「シナモン」という説明があります。ちょっとスパイシーなシナモンキャンディですね。
甘味に中ザラ糖を使用した肉桂玉と、等級の最も高い沖縄産の黒砂糖を使った黒肉桂の2種類の商品が看板商品となっています。個人的には黒砂糖を使った商品が好み。お店の方も黒砂糖を使った黒肉桂の方がコクがあり、食べやすいと教えてくれました。
創業明治20年の桜間見屋のあめ玉は、今では郡上八幡の名物になります。国内外から押し寄せる団体観光客も桜間見屋に立ち寄ってから、宗祇水(そうぎすい)と呼ばれる名水百選1番目認定の清水を見に出かけていきます。
お店の近くでつかの間の休憩をしていたツアーガイドの方に聞いてみると、「とりあえず郡上八幡のお土産としては、ここのあめは外せない」との話です。郡上八幡旧庁舎記念館の観光案内所でも、やはり話題になりました。
ちょっとスパイシーで個性的な味わいです。正直好みは分かれる商品かと・・・。しかし、黒肉桂の方は黒砂糖の甘みがマイルドさを強調していますので、上述した通り、より万人に受けると思います。
ちなみに郡上八幡では、肉桂玉を口に含んだまま、その甘味とスパイシーな味わいでコーヒーを楽しむという方法が定番なのだとか。なるほど筆者も試してみましたが、個人的には黒肉桂を角砂糖代わりにコーヒーに入れて飲む方が好みでした。カップを口に近づけるたび、スパイシーな香りが鼻腔(びこう)に広がります。コーヒー好きな友達のお土産としても悪くないかもしれませんね。
以上、郡上八幡の鉄板お土産を紹介しましたが、いかがでしたか? 食べ物ではないですが、郡上八幡は食品サンプルの有名な町。町中にはさまざまな食品サンプルが売っています。その手の商品を買って帰っても、人によっては珍しくて喜んでもらえるかもしれませんね。
[All photos by Masayoshi Sakamoto]