まさかのときの大事な命綱。東京23区すべてに防災無線があるか調べてみた

Posted by: 鳴海汐

掲載日: Apr 21st, 2018

郊外ではよく耳にする防災無線。夕方は毎日メロディで時刻を告げ、日中はときどき光化学スモッグ注意報や行方不明者といった情報。都内で防災無線は存在するのでしょうか。その有無が都心と郊外の境になるのではないかと考え、東京23区の設置状況を調べてみました。

こんな都会にも!東京23区防災無線マップ

郊外にいると防災無線がよく入ります。夕方は毎日メロディで時刻を告げ、日中はときどき光化学スモッグ注意報や行方不明者といった情報。都内で防災無線を聞いた記憶がなかったので、その有無が都心と郊外の境になるのではないかと考え、東京23区の設置状況を調べてみました。

城北地域…北区、板橋区

こんな都会にも!東京23区防災無線マップ

まずは北区。区内110の屋外スピーカーがあるそうです。板橋区には165のスピーカーが設置されています。板橋区は石神井川など河川増水時の音声やサイレン例がホームページにあり、防災面において川が課題であることが分かります。

城東地域…台東区、墨田区、江東区、荒川区、足立区、葛飾区、江戸川区

城北と同じく、城東全区にも防災無線は設置されていました。

台東区は平日の夕方に、「こちらはぼうさいたいとうです。子供の見守りをお願いいたします。安全・安心な街を作りましょう。」といった放送をしています。江東区は「ウェストミンスター寺院の鐘(学校のチャイムと同じ)」のチャイムを鳴らします。これらにはスピーカーの点検放送の役割もあります。葛飾区では、平常時は生活の障りとならないよう音を絞っていて、緊急時は音量をアップしているそうです。

城西地域…世田谷区、中野区、杉並区、練馬区

閑静な住宅地の城西にも防災無線が設置されています。これまで見る限り、どこも100~200程度の屋外スピーカーがあります。

夕方には、世田谷区では「ウェストミンスター寺院の鐘」が鳴り、練馬区ではピアノ仕立ての「夕焼け小焼け」のメロディと共に子供たちにお家へ帰りましょうというメッセージが流れます。

城南地域…品川区、目黒区、大田区

さらに都心に近い城南。やはりいずれも屋外スピーカーが設置されています。品川区では商店街の放送設備も活用。目黒区では「めぐろ・みんなの歌」というオリジナルソングが毎日流れるそうです。大田区は選挙や交通安全運動の広報にも防災無線が利用されていますが、そのスピーカーの数は250にも上ります。

都心・副都心…千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、渋谷区、豊島区

こんな都会にも!東京23区防災無線マップ

そして、とうとう都心です。全区に設置されています。例えば渋谷区のどこにスピーカーが設置されているのかと思いましたが、渋谷マークシティや渋谷駅前の道玄坂にもあるとのことです。

さて、夕方のメロディは、豊島区では「ふるさと」が、千代田区、渋谷区、港区では「夕焼け小焼け」が流れるそうです。

港区では、気温が35度以上になることが予想される、高温注意情報が発表されたときに熱中症への注意喚起を流しているそうです。新宿区はチャイムの他に、小学校の下校時に地域住民に見守ってくれるようなメッセージが流れます。文京区HPでは、弾道ミサイル情報、ゲリラ・特殊部隊攻撃情報、大規模テロ情報といった有事の際のアナウンス例を紹介しています。

まとめ

結果、23区すべてに防災無線が設置されていることが分かりました。考えてみたら非常時に最も効果的かもしれない伝達手段なので当然かもしれませんが、以前住んだり勤務したりしていても気づきませんでした。建物の反響などで聞こえないこともあるようです。

いずれの区も、聞こえない場合は専用ダイヤルやホームページで確認できるとのこと。ケーブルテレビ、ツイッター、メール等、各種伝達手段を用意しているとのことなので、一度チェックしてみるのが良さそうです。

[All Photos by shutterstock.com]

PROFILE

鳴海汐

Shio Narumi ライター

イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。

イタリアはフィレンツェとタオルミーナの料理留学、イギリスはウエストン・スーパー・メアとケンブリッジの花留学を経て、現在はロンドンと神奈川を行ったり来たり。飛行時間の大幅短縮が実現するよう、心から科学の進歩を願う水瓶座。

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