見どころがコンパクトにまとまっていて、短期滞在にぴったりのシンガポール。飛行機の乗り継ぎなどで、一日だけ滞在するという人も多いかもしれません。
そこで、絶対に見逃せないシンガポールのおいしいところをたった一日で制覇するモデルプランをご紹介。多民族国家シンガポールでは、一日で世界旅行気分が味わえますよ。
9:00 チャイナタウン
多民族国家シンガポールは、たった一日でさまざまな文化に触れられる国。まずは、シンガポールで最も人気のエキゾチックタウン、チャイナタウンに出かけてみましょう。
先進国シンガポールだけに、ほかの東南アジア諸国のような雑多感はあまりありませんが、色鮮やかなショップハウスや中国系の屋台が並ぶホーカーズ(屋台食堂街)など、異国の雰囲気は満載。
(C)Haruna Akamatsu
土産物屋が並ぶトレンガヌ・ストリートやパゴダ・ストリート、漢方薬や乾物の店が連なるスミス・ストリート、台所用品が安く手に入るテンプル・ストリートなど、多彩な表情を見せてくれるシンガポールのチャイナタウンは、ぶらぶら歩きが楽しいところ。お土産にぴったりの手ごろな値段の雑貨もたくさん見つかります。
シンガポール最古の中国寺院として知られる1841年建立のシアン・ホッケン寺院や、2007年に完成した朱色の巨大寺院「新加坡佛牙寺龍牙院」、極彩色のヒンドゥー教寺院「スリ・マリアマン寺院」などの見どころを訪ねながら気ままに歩いてみましょう。
寺院は朝7時ごろから、土産物店は朝10時ごろからオープンしています。
11:00 リトルインディア
シンガポールにいながらにして、インドの雰囲気が味わえるのが、リトルインディア。実際のインドよりはずいぶんと整っているものの、インドの民族衣装を身にまとった人々や、ゴールドのアクセサリーショップ、ヒンドゥー寺院などを見ていると、ここがシンガポールであることを忘れそうになります。
シンガポールに住むインド系の人々の心のよりどころになっているのが、ヒンドゥー教寺院「スリ・ヴィラマカリアマン寺院」です。無数のヒンドゥー教の神々の像が飾られたゴープラム(塔門)と、独特の雰囲気に圧倒されるはず。
インド風の雑貨を探すなら、リトル・インディア・アーケードも見逃せません。アクセサリーや衣類、インテリア用品など、さまざまな雑貨を売る店や、コスメショップ、ヘナのお店などが並ぶ屋根付きの市場。色とりどりが並ぶ光景は、見ているだけでもわくわくします。
(C)Haruna Akamatsu
2015年には、シンガポールにおけるインド人コミュニティの歴史を紹介する博物館「インディアン・ヘリテージセンター」がオープン。インド文化の紹介から、シンガポールにおけるインド系移民の暮らしぶりの紹介までをカバーする充実した内容となっています。
お腹がすいてきたら腹ごしらえを。リトル・インディア駅から北に延びるレース・コース・ロードはレストラン街になっていて、北から南までさまざまな種類のインド料理が楽しめます。
14:00 アラブストリート
アラブストリートは、シンガポールのなかでもイスラム色の濃い観光エリア。「アラブ」と名が付いているものの、実際にはアラブ文化だけでなく、トルコやマレーシアなど、アラブ以外のイスラム文化にも触れられるエリアです。
アラブストリートのシンボルが、黄金色のタマネギ型のドームをもつサルタン・モスク。1928年建造のシンガポール最古のモスクで、旅行者でも見学可能。信者たちが熱心に祈りをささげるすがすがしい空気に触れてみてはいかがでしょうか。
アラブストリート周辺は、近年再開発が進み、流行の発信地としても注目を集めています。その中心が、アラブストリートの西側に位置する小さな通り「ハジ・レーン」。ポップなストリートアートや高感度な雑貨ショップ、バーなどが軒を連ね、ただ歩くだけでも楽しいスポットです。
15:30 ラッフルズホテル
(C)Haruna Akamatsu
かつてイギリスの植民地だったシンガポールには、ヨーロッパの薫り漂うコロニアル建築も多数残っています。その代表格が、老舗高級ホテルとして有名なラッフルズホテル。
ショップやレストランなどは宿泊者でなくとも利用することができるので、シンガポールを訪れたなら一度は足を運んでみたいものです。せっかくなら、ホテル内のティールーム「ティフィン・ルーム」のハイティーを楽しんでみてはいかがでしょうか。
世界にその名を知られる名門ホテルだけあって、ハイティーは非常に人気が高いので、事前に予約しておくのがベター。
もっとカジュアルにラッフルズホテルを楽しみたいなら、ラッフルズホテルアーケードにあるセルフサービス形式のカフェ「Ah Teng’s Bakery」もおすすめです。
17:00 マーライオンパーク
(C)Haruna Akamatsu
シンガポールといえば、やっぱりマーライオン。「ベタ」といわれようとも、に建つマーライオン像は一度は見ておきたいシンガポールのシンボルです。
上半身がライオン、下半身が魚の姿をしたマーライオンは、1972年に当時の首相リー・クアンユーの提案で誕生しました。シンガポールの国家としての歴史が浅いだけに、マーライオンも思いのほか新しいものなのですね。
マーライオンパークからは、マリーナベイの素晴らしい眺望が楽しめるので、夜景観賞にもおすすめです。
18:30 マリーナ・ベイ・サンズ
2010年にオープンしたシンガポールの新名所といえば、マリーナ・ベイ・サンズ。ルーフトップのプールがテレビコマーシャルに登場したことで、日本でも一躍有名になりました。
マリーナ・ベイ・サンズにはショッピングモール「ザ・ショップス・アット・ マリーナベイ・サンズ」が併設されており、宿泊客でなくとも気軽にその雰囲気を味わうことができます。広々としたガラス張りの空間には、世界の高級ブランドを含め300以上の店舗がずらり。
シンガポールの高級茶ブランド「TWG」のティーサロンもあり、ラッフルズホテルでのハイティーのかわりに、こちらでティータイムを楽しむのもいいでしょう。
世界各国のグルメが味わえるおしゃれなレストランの数々はもちろん、気軽に利用できるフードコートもあり、夜の観光に備えての腹ごしらえにもぴったりです。
(C)Haruna Akamatsu
20:00からは、イベントプラザで開催される水と光と音楽のショー「SPECTRA」を楽しんで。最新のレーザー技術とジェット噴水を組み合わせたダイナミックなショーは、ビル群の夜景とあいまって迫力満点です。
20:30 ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ
マリーナ・ベイ・サンズからほど近く、101ヘクタールの広大な敷地に広がる壮大なスケールの植物園が、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイです。そのシンボルとなっているのが、高さ25~50メートルの人工の木「スーパーツリー」。その近未来的な光景は、まるでSF映画を見ているかのよう。
20:45からは、光と音楽のショー「ガーデンラプソディー」を鑑賞してみては。巨大なスーパーツリーが音楽に合わせて虹色に輝く姿は圧巻で、ショーを観るだけなら無料で楽しめます。
MRTとタクシーの合わせ技で効率的に動く
シンガポールはMRT(地下鉄)が発達していて、ほとんどどこへでもMRTで行くことができます。しかし、いつも目的の観光スポットがMRTの駅から近いとは限りません。
たとえば、チャイナタウンの中心部へはMRTのチャイナタウン駅からすぐですが、アラブストリートへは、最寄りのブギス駅から徒歩で7分ほどかかります。
観光しているうちに駅から離れていってしまうことも多いので、現在地が駅から離れている場合、あるいは目的地が最寄り駅から離れている場合などは、タクシーを積極的に使うことで時間とエネルギーを節約するといいでしょう。
シンガポールのタクシーにはメータがあり、ぼったくられる心配がないうえ、料金も日本よりずっと安いので、旅行者でも気軽に利用するこできます。
滞在時間が短くても、しっかりと計画を立てることで充実した時間が過ごせるシンガポール。小さな面積にたくさんの楽しみが詰まったこの国の魅力を発見してください。
[Photo by shutterstock]