食材の旨みをたっぷり包み込んだ「詰め物料理」。日本では肉まん、お饅頭、ロールキャベツなどがお馴染みですが、世界にもさまざまなバリエーションの詰め物料理が存在。今回は、旅して食べたくなること間違いなしの世界の詰め物料理をご紹介しましょう!
餃子(中国)
その歴史は古く、紀元前6世紀頃の中国で誕生したとされる餃子。日本でもビールやご飯のお供として不動の地位を築いている餃子ですが、実は中国では水餃子や蒸し餃子がスタンダード。またニンニクは入れないことが多いので、日本の餃子とはまた違った味わいが楽しめます。
アランチーニ(イタリア)
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シチリアやナポリ、ローマ名物のアランチーニ。ご飯に具を詰めて揚げたライスコロッケで、中身はミートソースやハム・モッツァレラなど。地域によって個性があり、具や形もさまざま。市場や屋台ではぜひ揚げたてのアツアツをいただきたいところ。
ピロシキ(ロシア)
日本では揚げたピロシキを見かけることが多いですが、本場では焼きピロシキが主流。具はお肉や魚、卵やフルーツとバラエティ豊富。家庭料理の一つでもあり、それぞれのお家に伝わる味わいがあるのだそうです。
ペリメニ(ロシア)
小麦粉に玉子、牛乳などで練った生地を帽子型に包む、ロシア版餃子ペリメニ。中身は豚肉・牛肉、鶏肉や魚、エビなどさまざま。ブイヨンで茹で、バターやサワークリームと和えていただきます。生地がやや厚めでモチモチした食感がたまりません!
モモ(ブータン、ネパール、チベットなど)
ブータンやネパール、チベット周辺で食されている餃子、モモ。生地を巾着状に包むのが特徴。具は豚肉、マトン、野菜などが一般的。口の中で肉汁がジュワッと溢れ、小籠包にも似ています。唐辛子などで作られたペーストとともに食べるのがスタンダード。刺激的な辛さとモモの肉汁が絶妙にマッチ。
トルトット・パプリカ(ハンガリー)
パプリカにひき肉や米、玉ねぎなどを詰めて、パプリカパウダーとトマトソースで煮込んだトルトット・パプリカ。ハンガリーの国民食の一つです。お肉や野菜の旨味がパプリカにたっぷり染み込み、とろけるような食感がたまらない逸品。
エンパナーダ(アルゼンチン、他南米エリア)
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アルゼンチンをはじめとしたラテンの国々で親しまれている、スペイン発祥のエンパナーダ。パン生地で牛肉や鶏肉、野菜などの具材を包み、餃子のような形に焼き上げます。生地を発酵させないので、パリッとした食感。一口食べると中から濃厚な肉汁が溢れ出します!お店ごとに個性があるので食べ比べするのもオススメです。
サモサ(インド、中近東など)
小麦粉を練って薄く伸ばした生地に、ひき肉や野菜、芋類を三角形に包んで揚げたサモサ。インドや中近東などで軽食として親しまれています。クミンやターメリックの香り高いスパイスが絶妙なアクセントに。
ドルマ(トルコ、中近東など)
トルコ語で「詰められた」という意味を持つドルマ。米、玉ねぎ、ひき肉、香辛料をブドウの葉で包んだ、トルコの伝統料理の一つ。ブドウの葉の香りとほのかな苦味が中の具に馴染み独特の味わい。トルコや中近東をはじめ、中央アジアや北アフリカでも食されています。ブドウの葉の代わりにパプリカを使用することも。
カラマール・レジェーノ(スペイン)
下処理したイカに炒めた米、イカ、エビなどを詰め、トマトソースと一緒に煮込んだスペインの郷土料理カラマール・レジェーノ。日本のイカ飯にもよく似ていますね。イカの濃厚な旨味とコクが中身に染み渡り贅沢な味わい。
以上、さまざまなスタイルで具材を包み込む、世界の詰め物料理でした。
その土地の文化や歴史を感じながら味わう、詰め物グルメの旅はいかがでしょうか?
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