昨年の11月半ばに始まり、4カ月経った今も続いているフランスの大規模なデモ。抗議行動の発端は燃料費の値上げでしたが、現在は極左・極右派によるマクロン政権への不満が中心です。もういい加減、やめたらいいのに・・・! 在住者が特にガッカリするのが、毎週土曜日です。その理由とは?
まず初めに
ようやくデモの支持率が半数以下になったものの、都市部では土曜日になると破壊行為を含むデモが目立つなど、いまだに深刻な状況にあります。3月16日(土)には、パリのシャンゼリゼ通りで破壊行為や放火により治安が悪化、政治家や有名人が利用するレストランや高級ブティックなどがひどいことに。
一体どういうこと? と疑問に思った方は、「今、フランスで何が起きているの? 最新の治安情報をお届けします」をご一読ください。
続いて、フランス南西部・トゥールーズ在住者が毎週土曜日にガッカリすることをお伝えします。
外出するのが億劫に
ブティックにデパート、カフェなどが集まるトゥールーズ市内(例えば東京都内だと銀座や新宿などの都市部のイメージですが、東京に比べるとかなり小規模)。毎週土曜日のターゲットは、人が集まる市内です。
友人と待ち合わせたり、外出したりするのもアクセスしやすい市内が多いけれど、暴動や破壊行為に出くわすと危険。そしてデモがスタートすると、こんなところにも影響が・・・。
公共交通機関が止まる
ここ数週間、トゥールーズ市内で土曜のデモが始まるのは、たいてい午後から。デモが始まるとメトロやトラム、バスなどの公共交通機関にも影響が出ます。
例えば先日の土曜日(3月2日)の午後14時頃、市内に出かけました。買い物を終えてトラムの駅へ行くと「本日は午後からデモの影響でトラムはストップしています」とのこと。仕方がないので、シティバイクで帰宅。
ところで、シティバイクはフランスのメジャーな都市なら必ずある乗り物で、フランス旅行の際にとても便利です。気になる方は「【現地ルポ】シティバイクでめぐる!南仏トゥールーズの旅」をどうぞ。
ATMでお金がおろせない!
カード社会のフランスですが、マルシェなど、現金が必要な場所もあります。なので、お財布の中にいくらかは現金を入れておきたいもの。
土曜日は午前中のみ営業の銀行が多いので(※筆者が暮らしているような地方都市では、特にその傾向にあり)、お金をおろしたい場合は午前中に駆け込むことに。「ATMは使えないの?」という声が聞こえてきそうですね。
土曜はATMが使えないことが多いのです。すでに破壊されているものも多いですし、壊される可能性があるので週末はATMが封鎖されているためです。
せっかくのお休みに、市内に外出できないもどかしさ。在住者がこのように感じるのだから、旅行者はもっとイラッとするし、ガッカリするかもしれません。
フランスの経済にも大きな影を落としている、今回のデモ。外出できない=買い物できない=小売店が商売にならない・・・ということも大きな要因です。
いつ収束するか分からないのがもどかしいですが、フランスへ出張あるいは旅行の予定がある方は、外務省のページで最新のフランス治安情報を事前にチェックしておきましょう。
3月16日(土)のデモによる被害に遭ったとみられる、トゥールーズ市内のエアフランス
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