ポーランドの首都ワルシャワを旅するべき6つの魅力

Posted by: Nao

掲載日: Jul 2nd, 2019

ポーランドの首都ワルシャワの魅力を、現地ルポ。旧市街、社会主義時代の面影、親切な人柄、物価の安さ、素朴で美味しいポーランド料理、治安の良さの6つのポイントから解説します!

ポーランドの首都ワルシャワ。日本人には今ひとつなじみの薄い都市というイメージもありますが、成田からは直行便が毎日運行し、気軽に訪れやすい旅先の一つ。今回は、そんなワルシャワを旅した筆者が感じた6つの魅力をお伝えしましょう。

瓦礫の山から蘇った旧市街


1596年にクラクフから移されて以来、ポーランドの首都として美しく繁栄したワルシャワ。しかし1939年にナチス・ドイツ軍が侵攻し、第二次世界大戦が勃発。激しい攻撃によって街の8割以上が破壊し尽くされ、ほとんどが瓦礫と化してしまいました。


戦後、復興に向けて市民が着手したのがこの旧市街の再建でした。実は戦時中にワルシャワ工科大学の学生たちが街の精密なスケッチを残しており、ナチス・ドイツ軍の目の届かないところへ保管していたのです。
それを手がかりに、瓦礫の山となってしまった建物を「壁のひび一本に至るまで」と形容されるほど忠実に修復。1954年には大部分の工事が終わり、戦前と寸分たがわぬ姿を取り戻します。

ワルシャワ市民の努力によって再現された旧市街は「破壊からの復元および維持への人々の営み」が評価され、1980年に世界遺産への登録を果たしたのです。


中欧諸国でよく見られる中世の街並みながらも、瓦礫の山から蘇ったという稀有な風景。波乱と苦難の歴史に想いを馳せながら街を歩けば強く心に響くものがあることでしょう。

社会主義時代の面影を感じられる


第二次大戦後ポーランドは独立を果たすものの、共産党と非共産党勢力による抗争が勃発。1947年に行われた選挙で共産勢力が大勝し、ソ連の衛星国となります。1989年に崩壊するまで社会主義体制が続いたのです。

現在のワルシャワにもこの時代に築かれた建物が多く現存。共産主義を象徴する巨大で無機質なビルが街に溶け込んでおり、当時の面影を感じることができます。


社会主義時代に建設された団地も現役で活躍。必要最低限の装飾で、味もそっけないコンクリートの建物が街のいたる所に立ち並んでいます。

アメリカにある団地は低所得者層向けで凶悪犯罪の巣となっている場所も少なくありませんが、ポーランドにおいては一般的な住居のひとつ。ファミリーから年老いたおじいちゃんやおばあちゃん、若いカップルなどが住んでいる様子でした。


街の中心部に鎮座する、スターリンからポーランド人への“贈り物”として建設された文化科学宮殿。4年間にわたる期間を経て1955年に完成。
共産主義カラーが全面に出たスターリンの置き土産であることから、現在では取り壊しを望む声もあるのだそう。いずれにしてもその堂々した迫力ある存在感は圧巻の一言。

ガイドブックではフォトジェニックな旧市街や新市街がメインに紹介されていますが、この社会主義時代の名残もワルシャワ旅の醍醐味の一つと言えるでしょう。

親切な人が多い!

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ワルシャワを訪れて一番驚いたのが、ポーランドの人たちが大変親切なこと。電車の券売機の使い方がわからず困っていたら、その様子を見かねたのか後ろにいたおじさんが筆者の分を購入してくれたり。人気のパン屋さんで並んでいる間、前にいたお兄さんがオススメのパンを教えてくれたり。またお姉さんに道を尋ねたら一緒に目的地の近くまでついてきてくれたり。

もちろんやましさや下心などは皆無で、旅行者を自然に思いやる優しさが滲み出ている人が本当に多い。

ワルシャワは日本人はおろか、アジア人自体が少ない印象。かといって街を歩いていても、好奇の目で見られることはありません。それでいて旅行者を配慮したり、助けたりと懐が深い。

美しい風景やおいしい食べ物も旅の思い出ですが、ずっと心に残るのはその土地に住む人の温かさではないかと筆者は思います。

物価が安い!


中欧は西欧よりも物価が安いことで知られていますが、中でもポーランドのコストパフォーマンスは最高レベルでした。感覚的には東京、ロンドン、パリの3分の1、もしくは2分の1といったところ。

例えばパン屋のパンは約50〜100円、サンドイッチは約200〜300円。カフェのケーキは約200〜300円、コーヒーが約150〜200円。500mlペットボトルの水は30〜50円。洗練されたレストランのランチでも約2,000円。

またラグジュアリーな外資系ホテルもロンドンやパリの3分の1と宿泊費もリーズナブル。安いからと言って質が悪いということはなく、食事は美味しいし、サービスも心地いい。予算を抑えて旅できるのもうれしいところです。

素朴で美味しいポーランド料理


歴史や地理的背景から中欧やロシアテイストなどが織り成すポーランド料理。シンプルで素朴なものが多く、日本人の味覚に合いやすいのも魅力です。中でもスープはポーランドで欠かせないメニューの一つで、どのお店も種類が豊富。野菜の旨味がたっぷり溶け出したスープはカラダに染み渡ります。
また郷土料理だけでなく、スイーツやパン、コーヒーなどのレベルが高いのも特徴。

筆者が訪れた5月下旬は多くのお店でアスパラガスを提供するなど、旬のものをその時その時に食す文化も深く浸透しているように感じました。

治安がいい!

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かれこれ48カ国旅した筆者ですが、ワルシャワの治安の良さは欧州の中でもトップレベルと言ってもいいように思えます。というのも夜遅くに一人でジョギングする女性がいたり、カフェのテーブルにパソコンを置いたままお手洗いに行く人を多数目撃したのです。これは平和でなければできない光景でしょう。

また夜でもメイン通りには人通りも多く、ディナー後に街歩きをゆっくりと楽しめるのも魅力。スリに気をつける、深夜の一人歩きを避けるなどの最低限の注意を払えば、初めての一人旅でも安心して楽しめる街でしょう。

これから夏にかけて日照時間も長くなり観光しやすいシーズンを迎えるワルシャワ。
激動の歴史を感じる街並みや、美味しい料理、親切な人々という数々の魅力に溢れる街へぜひ旅してみませんか?

[外務省]
[ポーランド政府観光局]
[Photos by Nao]

PROFILE

Nao

Nao ライター

メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。


メーカー、ITベンチャー勤務を経てフリーランスに。
学生時代から旅を続け、渡航国は現在50カ国。
特技は陸路国境越え。グルメレポート翌日に大学の最先端研究を取材したり、ロシア州知事にインタビューしたり。幅広い対応力とフットワークの軽さが自慢。日本ソムリエ協会認定資格ワインエキスパート保有。


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