日本の夏を涼しくする工夫は、昔から色々ありますが、目も耳も涼しくしてくれるのが「風鈴(ふうりん)」。風に揺られてちりんと音を鳴らす風鈴は、見た目にも涼しく、目にも涼感を感じます。昔の人は、風雅な暑気払いを考えついたものだと感心しますね。
風鈴は中国が起源で、仏教等と一緒に日本に渡来。お寺の四隅にかかっている風鐸(ふうたく)が原型です。風鐸のガランガランと鳴る音は厄除けとして、音が聞こえる範囲の住民には災いが起こらないといわれました。時代が進み風鐸を小型化したものが風鈴で、暑気と邪気を払い、家を守るものとして、軒先に吊るされたようです。
風鈴の涼やかなちりんとした音が鳴ると、こころも揺れます。夏の風物詩に出会いに、小さな旅に出ましょうか。
日本全国から風鈴が集まる 東京都足立区西新井大師
江戸風鈴、九谷焼、有田焼、備前焼、南部鉄器、和紙や竹細工の風鈴など、日本全国の風鈴が集まります。その数は約600種類。音色や材質を比べるのも楽しく、全国の風鈴を目の当たりにできます。展示販売品のため、人気のあるものは完売御礼となってしまうので、お目当てがあるあなたは開催時期早々お出かけになった方が良いでしょう。
西新井大師・風鈴祭り/ark_comm
【開催日時】 2019年6月29日(土)~8月4日(日) 7月7日は終日中止
【開催時間】10:00~16:00
【住 所】東京都足立区西新井1-15-1
【アクセス】東武大師線「大師前」駅下車 徒歩5分
【Webサイト】http://www.nishiaraidaishi.or.jp/
江戸情緒を味わう夏の風物詩 東京都台東区浅草寺
毎年7月9日・10日の2日間だけ開催される、浅草寺のほおずき市。7月10日は46,000日分の功徳があるとされる、特別の功徳日「四万六千日」。46,000日はおよそ126年であり、「一生分の功徳が得られる縁日」を意味します。現在では7月9日、10日の両日が縁日とされ、ほおずき市が立ち、ほおずきと共に夏の風物詩である風鈴が売られるようになりました。夏の江戸情緒をたっぷり感じますね。
【開催日時】 2019年7月9日(火)・10日(水)
【開催時間】 9:00~22:00
【開催地】東京都台東区浅草2-3-1
【アクセス】東京メトロ銀座線:浅草駅より徒歩5分
【Webサイト】http://www.senso-ji.jp/
縁むすび風鈴 埼玉県川越氷川神社
2017年8月の様子
(C)Joshua Hawley / Shutterstock.com
2018年7月の様子
(C)picture cells / Shutterstock.com
川越氷川神社は、お祀りしている五柱の神様(ご祭神)がご家族であることから、「家族円満の神さま」「夫婦円満・縁結びの神様」として知られています。
この縁起の良い神社で、夏季には「縁むすび風鈴」を開催。2000個以上の江戸風鈴が吊るされた「風鈴回廊」があり、皆の恋心が風に揺れています。
「縁むすび風鈴」 川越氷川神社/hikawa kawagoe
【開催日時】2019年7月6日(土)〜9月8日(日)
【開催時間】9:00~21:00
【住 所】埼玉県川越市宮下町2-11-3
【アクセス】JR、東武東上線「川越駅」東武バス、7番乗り場「川越氷川神社」下車すぐ
【Webサイト】http://www.hikawa-fuurin.jp/
厄除けだるま風鈴 神奈川県川崎市川崎大師
川崎大師名物の縁起物「厄除・開運だるま」。江戸時代、流行病除けから厄除け・家内安全・商売繁盛・五穀豊穣・大漁祈願等として庶民に流行し、現在でも定着しています。このだるまが風鈴となって、夏の5日間「川崎大師風鈴市」に登場。すでにクリクリとした両目入りですが、愛らしく欲しくなりますね。だるま風鈴以外にも、全国の風鈴約30,000個が揃い、見応え十分です。
暑さ和らぐ音色 川崎大師で風鈴市/SankeiNews
【開催日時】2019年7月17日(水)~ 7月21日(日)
【開催時間】10:00~18:00 ※7/20(土)のみ20:00まで
【住 所】川崎市川崎区大師町4-48
【アクセス】京浜急行「川崎大師」駅下車、徒歩8分
【Webサイト】http://www.kawasakidaishi.com
日本の夏に涼を運ぶ風鈴。あなたのこころに響くのは、どの風鈴の音色でしょうか。
参考
[江戸風鈴の歴史 篠原風鈴本舗]
[四万六千日・ほおずき市 浅草寺]
[川越氷川神社の紹介 川越氷川神社]
[川崎大師のだるま 川崎市]
[Photos by shutterstock.com]